日本薬理学雑誌
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99 巻 , 1 号
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  • 中畑 則道
    1992 年 99 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    The signal transduction of prostaglandin E2 (PGE2) and thromboxane A2 (TXA2), cyclooxygenase products of arachidonic acid, was investigated in smooth muscle preparations and 1321N1 human astrocytoma cells. While PGE2 has been known to stimulate (via EP2 receptor) or inhibit (via EP3 receptor) adenylate cyclase, PGE2 activated phosphatidylinositol 4, 5-bisphosphate (PIP2)-specific phospholipase C (PLase C) in non-vascular smooth muscles (via EP1 receptor), resulting in accumulations of inositol trisphosphate (IP3) and diacylglycerol to elicit intracellular Ca2+ mobilization. On the other hand, STA2, a TXA2 receptor analogue, also accumulated IP3 in human astrocytoma cells. [3H]SQ 29548, a TXA2 receptor antagonist, specifically bound to astrocytoma membranes. TXA2-receptor antagonists (ONO NT-126, S-145, SQ29548 and ONO3708) concentration-dependently inhibited PIP2-specific PLase C activation by STA2, and they also inhibited [3H] SQ 29548 binding in human astrocytoma cells. The Ki value of each antagonist in PIP2-specific PLase C inhibition was similar to that in [3H]SQ29548 binding inhibition. In membrane preparations, STA2 activated PIP2-specific PLase C in the presence of GTPγS. Pertussis toxin (IAP) did not affect STA2-induced PLase C activation. The results suggest that stimulation of TXA2 receptors activates PIP2-specific PLase C via an IAP-insensitive G-protein.
  • 村山 智, 原 幸男, Ahmmed ALLY, 鈴木 俊雄, 玉川 正次
    1992 年 99 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    ピリドンカルボン酸系合成抗菌薬のうちニューキノロン抗菌薬6種と非ステロイド系抗炎症薬8種とを併用した際のマウスの行動変化を観察した.fenbufen100mg/kgの経口投与5分後に各ニューキノロン抗菌薬10~1000mg/kgを経口投与した.用いたニューキノロン抗菌薬のうちenoxacin,norfloxacin,lomefloxacinは用量依存的に痙攣を発現した.痙攣死する時間を指標に各ニューキノロン抗菌薬の強さを比較すると,enoxacin>lomefloxacin>noraoxacinの順であった.なお,ofloxacin,ciprofloxacin,tosufloxacinでは1000mg/kgを併用しても痙攣死は見られなかった.非ステロイド系抗炎症薬をenoxacin100mg/kgと併用した際の痙攣誘発効果は,fenbufen>flurbiprofen>ketoprofen=pranoprofenの順に強く,ibllprofenは1000mg/kgまで併用しても痙攣は誘発されなかった.またindomethacin,asphinまたはmefenamic acidの併用でも痙攣は誘発されなかった.以上の結果から,ニューキノロン抗菌薬とfenbufenを併用した際の痙攣発現にはニューキノロン抗菌薬の母核の1位の置換基が重要な役割を演じていることを考察した.
  • 山崎 正昭, 戸田 昇
    1992 年 99 巻 1 号 p. 19-26
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    ヒスタミンの血管弛緩作用機序を摘出イヌ腸間膜動・静脈条片を用いて比較検討した.プロスタゲランジン(PG)Fで収縮させた腸間膜動脈条片において,ヒスタミンは5×10-7M以上の高濃度では急速に現れる弛緩とこれにつづくゆっくり安定する弛緩をひきおこした.速い相の弛緩はcimetidineの影響をうけず,chlorphenhamineで抑制された.両者を併用処置するとヒスタミンの弛緩作用は消失した.安定相に対してはcimetidilleで抑制が強かった.内皮除去による抑制は,速い相で著明であった.indometllacin処置は,内皮正常標本において速い相の弛緩を抑制したが,内皮除去標本では有意な抑制はみられなかった.内皮正常標本でindomethacinにcilnetidineを追加処置すると,ヒスタミンの弛緩はさらに抑制されたが,indometllacinにchlorpllenhgamineを処置しても変化はみられなかった.一方,静脈でもヒスタミンは用量依存性の弛緩作用を示したが,同作用は内皮除去,indomethacinおよびchlorpheniramineでは影響をうけず,cimetidineで消失した.これらの事実より,ヒスタミンは動脈では内皮細胞のH1受容体を刺激しPGI2の遊離を介して平滑筋を弛緩させ速い相の弛緩を引き起こし,また,平滑筋のH2受容体を刺激して持続性の弛緩をひき起こすと結論される.一方,静脈ではヒスタミンは平滑筋のH2受容体を介する機序のみで弛緩をひき起こす.
  • 望月 大介, 杉山 祥子, 篠田 芳樹
    1992 年 99 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    脳内アセチルコリン作動性(ACh)神経系に及ぼすoxiracetamの影響について検討した.1)ムスカリン性アセチルコリン受容体(mACl1R)を認識する3H-QNB結合に対して,oxiracetamは高濃度(10mM)を用いてもラット大脳皮質および海馬膜標品において阻害能を示さなかった.2)3H-QNB結合のcarbacholによる阻害曲線に対して,oxiracetamは影響を与えなかった.さらに,GppNHpによるoxotremorine結合抑制に対してもoxiracetamは影響しなかった.3)ラット海馬薄片標本における25mM K+刺激誘発AChの放出に対して,oxhacetam10μMないし100μMは有意にその放出を増強した.4)若年ラット海馬薄片をoxiracetam 10μMないし100μM存在下で2時間灌流させるとコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)活性の有意な上昇が認められた.5)oxiracetamの老齢ラットへの連続投与(100mg/kg/dayないし500mg/kg/day,p.o.)により,大脳皮質,海馬および線条体のChAT活性が有意に上昇した.しかしながら,oxiracetam連続投与によりChAT活性の上昇が認められた海馬においてmAChRの変動を調べたところ,3H-QNB結合に対するBmaxおよびKdに変化を認めなかった.6)マウス脳ホモジネートでのアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性に対し,oxiracetamは阻害作用を示さなかった,以上のことから,oxiracetamはコリン作動性神経系の前シナプス部に作用しその活動を賦活する可能性が示唆された.
  • 坂下 光明, 中山 貞男, 北原 真樹, 水流添 暢智, 小口 勝司
    1992 年 99 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    コレステロール負荷家兎を用いて,NIP-200(3,5-dimethyl-4,6-diphenyl-tetrahydro-2H-1,3,5-thiadiazine-2-tllione)の動脈硬化症に対する作用を検討した.NIP-200は,1%コレステロール飼料(HCD)に,0.1%(w/w)の割り合いで添加した混餌飼料として,1日1回100g/匹を与え,8週間飼育した.飼育期間を通じて,HCDおよびNIP群とも飼料摂取は,ほぼ完全であり,体重推移においても順調な増加を示した.血漿脂質においては,投与期間中,総コレステロール,遊離コレステロー,トリグリセライドおよびリン脂質については,HCD群とNIP群に差は認められなかった.一方,high density lipoprotein-コレステロール(HDL-C)は,1,2,4および6週でHCD群に比べて,NIP群で上昇傾向が認められた.大動脈脂質沈着面積の全面積に対する比はNIP群で,大動脈・弓部において低下傾向を示し,胸部大動脈においては有意(P<0.05)な低値を示した. さらに,動脈横断面の病理学的観察において,内腔面での内膜肥厚の広がり,内膜肥厚の程度および病変部における泡沫細胞の出現,弾性繊維の増生,脂肪性壊死のいずれについてもHCD群に比してNIP群で改善が認められた.NIP-200は,有意な血漿脂質の低下やHDL-Cの増加を伴わずに動脈硬化病変の進展を抑制した.従って,今回の結果から,動脈硬化の進展には,動脈壁におけるリボ蛋白代謝や平滑筋細胞の遊走・増殖等が重要な役割を担っている可能性が示唆された.
  • 鈴木 俊雄, 原 幸男, 玉川 正次, 柿崎 一志, 村山 智
    1992 年 99 巻 1 号 p. 45-54
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    非ステロイド系抗炎症薬のfenbufenとニュ―キノロン抗菌薬の併用はしばしば中枢興奮作用を示し,さらに痙攣発作を起こす危険があることが知られている.これらの事実を6種のニューキノロン抗菌薬〔enoxacin,norfloxacin,onoxacin,cipronoxacin,lomenoxacin,tosunoxacill〕を用いてウサギ皮質および皮質下脳波を指標として検討した.fenbufen50~200mg/kgの単独経口投与は高振幅徐波化を示した.脳波に影響を与えないtosufloxacinを除く他の5種のニューキノロン抗菌薬(100~200mg/kg)の単独経ロ投与は高振幅徐波傾向を示した―fenbllfen50mg/kg経口投与30分後にニューキノロン抗菌薬(100~200mg/kg)を経口投与することにより,脳波には棘波が出現し,時間経過と共に高頻度棘波になり,さらにてんかん様発作波へと移行した.ただし,tosufloxacinとfenbufenは併用しても本実験使用量の範囲において脳波上,行動上何らの異常も見られなかった.fenbufenとニューキノロンの併用により生じた棘波やてんかん様発作波および行動上の痙攣はdiazepamの静脈内投与によってもー時的な抑制しか見ることができなかった.以上の結果より,非ステロイド系抗炎症薬のfenbufenとニューキノロン抗菌薬との併用に際して,本実験に用いた6種のニューキノロン抗菌薬のうち5種において脳波上また行動上にて中枢興奮作用,痙攣を生じることを確認した.この変化は単にGABA受容体への結合阻害のみでは説明できず,中枢神経系における幾つかの興奮機構が複雑に関与して生じたものと思われる.
  • 伊藤 幸次, 並川 さつき, 竹内 久米司
    1992 年 99 巻 1 号 p. 55-62
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/02/13
    ジャーナル フリー
    大豆粕乾留タール(Glyteer:GL)の乾癖に対する臨床効果を薬理学的に裏付けるため,乾癬と多くの類似点を認める12-o-tetradecanoylpllorbol-13-acetate(TPA)のマウス皮膚反応の乾癬モデルについて,抗乾癖作用を有するbetametllasone 17-valerate(BV)とcyclospohn(CS)および抗炎症薬であるindomethacin(IM)と比較検討した.GLはTPAによるマウス皮膚反応の浮腫および表皮増殖のいずれに対しても抑制作用を示した.他方,比較薬のBVおよびCSも浮腫と表皮増殖を共に抑制したが,IMは浮腫のみを抑制し,表皮増殖への抑制作用はほとんど認められなかった.このように,GLがTPAによるマウス皮膚反応の乾癬モデルに対し,抗乾癬作用を有する薬物と同様に浮腫と表皮増殖の両方を抑制したことは,GLの乾癖に対する臨床効果を裏付けるものとなった.
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