1. 耳下腺切片からのamylaseの分泌はEserine 5×10
-4M存在下に, ACh. 10
-5Mの添加により促進されたが,細胞外液にCa
++が存在していることが必要であった.
2. ACh.の添加による耳下腺切片からのamylaseの分泌促進はatropine 10
-4Mにより抑えられた.
3. 耳下腺切片からのamylaseの分泌は細胞外液のK
+濃度を60mMに上昇させると促進されたが,この場合にも細胞外液にCa
++が存在していることが必要であった.
4. 細胞外液のK
+濃度を60mMに上昇させた時にみられる耳下腺切片からのamylaseの分泌促進はcocaine 1mMの添加により抑えられた.
5. Mg
++存在下にATPを添加するとzymogen granuleからのamylaseの遊離は促進され, Mg
++およびATPの濃度比が1:1のとき最も強い遊離促進が認められた.
6. ATP 3mM, Mg
++3mM,耳下腺細胞上清または耳下腺細胞上清から得た40~80%硫安画分の存在下にCa
++10
-6, 10
-7Mを添加するとzymogen granuleからのamylaseの遊離は促進された. Ca
++10
-8Mの添加では, amylaseの遊離促進は認められなかった.
7. ATPが存在しない場合には,耳下腺細胞上清またはこの上清から得た40~80%硫安画分の存在下にCa
++10
-6Mを添加してもzymogen granuleからのamylaseの遊離は促進されなかった.
8. ATP 3mM, Mg
++3mM,耳下腺細胞から得た0~40%硫安画分の存在下にCa
++10
-6Mを添加してもzymogen (granuleからのamylase)の遊離は促進されなかった.
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