日本薬理学雑誌
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105 巻 , 4 号
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  • 中畑 則道
    1995 年 105 巻 4 号 p. 191-197
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    The most popular method for determining phosphoinositide hydrolysis is the analysis of watersoluble materials in cells or tissues that have been labeled with [3H] inositol by separating them on anion exchange open columns or HPLC columns. Recently, a radioreceptor assay has become available for the analysis of inositol 1, 4, 5-trisphosphate (IP3) using IP3 receptors and [3H] IP3; this allows the analysis of IP3 in vivo. On the other hand, radiolabeled phosphoinositides are measured by thin layer chromatography to analyze the breakdown or synthesis of phosphoinositide in response to stimuli. The purified enzyme with phospholipid vesicles can be used to hydrolyze [3H] phosphatidylinositol 4, 5-bisphosphate (PIP2) to [3H] IP3, which makes it possible to search for direct action of a drug on phospholipase C.
  • 磯谷 幸宏, 堀 正幸
    1995 年 105 巻 4 号 p. 199-208
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍に起因する体液性因子を介した高カルシウム血症(HHM)に及ぽすカルシトニンの作用を明らかにするために,FA-6膵癌細胞を皮下に移植した高カルシウム血症ヌードマウスと副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の持続注入による高カルシウム血症マウスを用いて,ウナギカルシトニンの合成誘導体であるエルカトニンの作用を検討した.その結果,エルカトニンはいずれの高カルシウム血症モデルにおいても強い血漿カルシウム低下作用を示した.その作用は投与後2時間で最大となり,投与後24時間では消失した.FA-6担癌マウスでエルカトニン単回投与の用量依存性について検討したところ,1~2時間後の血漿力ルシウム低下作用は投与量の増加に伴い強くなった.次に,FA-6担癌マウスでエルカトニン連続投与の効果について検討したところ,エルカトニンの血漿力ルシウム低下作用は5日間連続投与しても認められた.また,その作用は用いた担癌マウスの血漿カルシウム濃度の上昇に比例して強くなることが示唆された.以上のことから,エルカトニンはFA-6担癌マウスのような急激で重度の高カルシウム血症を発症するモデルにおいても即効性の血漿力ルシウム低下作用を示すこと,その作用は血漿力ルシウム濃度の上昇に依存して強くなること,またHHMの原因物質であると考えられているPTHrPによる高カルシウム血症モデルでも血漿力ルシウム低下作用を示すことが明らかとなった.
  • 中津 継夫
    1995 年 105 巻 4 号 p. 209-219
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    ビスコクラウリン型アルカロイド製剤であるセファランチンのマウス脾臓内マイトジェン誘導ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)活性増強効果とサイトカイン産生増強効果について検討した.セファランチンはリポポリサッカライド(LPS)による脾臓内HDC活性誘導を正常マウスと同様にT細胞機能欠損マウスならびにT,B細胞機能欠損マウスで増強した.したがって,セファランチンの増強効果はT,B細胞を介さずとも生じることが明らかにされた.セファランチンはマクロファージのHDC活性ならびにサイトカイン産生を増強した.ヒスタミンはマクロファージのサイトカイン産生を誘導したが,LPS誘導のサイトカイン産生はヒスタミン受容体拮抗剤ジフェンヒドラミン,シメチジンでは影響されなかった.また,HDCの阻害剤αフルオロメチルヒスチジンにより,ムPS誘導のサイトカイン産生ならびにセファランチン添加時のサイトカイン産生は抑制された.以上の結果より,ヒスタミンはマクロファージのサイトカイン産生に促進的に作用し,この作用はマクロファージの細胞内外のヒスタミンで制御されていることが示唆された.また,セファランチンのサイトカイン産生増強効果においてもヒスタミンが関与していることが示唆された.
  • 鈴木 昭彦, 萩野 政一郎, 安田 尚弘, 佐川 健二, 手良脇 臣也, 小川 幹男, 近藤 規元, 浜中 信行, 田中 雅治, 阿瀬 善也 ...
    1995 年 105 巻 4 号 p. 221-229
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    ラットに類洞内凝固を伴うジメチルニトロサミン(DMN)誘発急性肝障害を作製し,この肝障害に対するプロスタグランジンE1・α-シクロデキストリン包接化合物(PGE1・CD)の効果を血液生化学的ならびに病理組織学的に検討した.PGE1・CDをDMN肝障害惹起前30分から惹起後24時間まで(前投与),あるいはDMN肝障害惹起後30分および4時間から惹起後24時間まで(後投与)静脈内持続投与した.前投与において,PGE1・CDは0.2~2μg/kg/minの用量でDMN肝障害に伴う血小板数の減少および血液生化学的パラメーター(PT,HPT,GOT,GPT,LDH,LAP,T-Bil)の上昇を用量依存的に抑制し,病理組織学的変化(出血,壊死)を0.5μg/kg/min以上で抑制した.また,PGE1・CDは後投与においても2μg/kg/minで肝障害抑制作用を示した.PGE1・CD2μg/kg/minの前投与は肝実質細胞障害を抑制したのみならず,類洞内皮細胞障害,ライソゾーム膜障害および血中過酸化脂質量の上昇をいずれも抑制した.さらに,PGE1・CDはDMN肝障害でみられる肝組織血流量の低下を1μg/kg/min以上の用量で抑制した.以上の結果から,PGE1・CDはDMN誘発急性肝障害に対して有効であり,臨床において類洞内凝固を有する劇症肝炎などの重症肝炎の治療に有用となることが期待される.
  • 稲葉 二朗, 柴田 昌裕, 小野寺 禎良, 田中 正人, 鈴木 高尾, 山浦 哲明, 大西 治夫
    1995 年 105 巻 4 号 p. 231-241
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    新規抗潰瘍薬FRG-8813((±)-2-(furfurylsulfiny1)-N-[4-[4-(piperidinomethy1)-2-pyridyl]oxy-(Z)-2-butenyl]acetamide)のヒスタミンH2受容体拮抗(H2受容体拮抗)作用についてモルモット右心房,胃粘膜単離細胞および脳膜標本を用いて検討した.ヒスタミンによる右心房陽性変時反応に対し,FRG-8813は最大反応を抑制する非競合的な拮抗作用を示した.その作用は処置時間に依存して効力が増大した.シメチジンは競合拮抗を示した.ファモチジンはFRG-8813同様非競合拮抗であったが,程度は小さいものであった.10分間前処置条件でのIC50値の比較では,FRG-8813はファモチジンの約2倍.シメチジンの約50倍の効力を示した.作用時間はファモチジン,シメチジンに比べ持続的であったが,その作用は可逆的であった.ヒスタミンによる胃粘膜単離細胞の[14C]アミノピリン取り込み反応に対し,FRG-8813,ファモチジンおよびシメチジンとも濃度依存的に反応を抑制した.シルドプロット解析よりFRG-8813,ファモチジンは傾きが各々1.56,1.40であり,シメチジンは1.07であった.IC50値の比較では,FRG-8813はファモチジンの約L5倍,シメチジンの約40倍の効力を示した.FRG-8813はべサネコールおよびジブチリル3',5'-サイクリック-リン酸(dbcAMP)による[14C]アミノピリン取り込みには影響を示さずH2受容体に選択的であることが示された.大脳皮質膜標本における[3H]チオチジン結合阻害実験では,Ki値よりFRG-8813はファモチジンの約2倍,シメチジンの約80倍H2受容体に強い親和性を有することが示された.以上より,FRG-8813は,選択的且つ非競合的なH2受容体拮抗作用を有し,その作用は時間依存的に増強され,長時間に亘り持続するが可逆的であること,また,効力はファモチジンの約2倍,シメチジンの約40~80倍である強力なH2受容体拮抗薬であることが明らかとなった.
  • 日高 寿範, 古谷 真優美, 谷 吉弘, 大野 知親
    1995 年 105 巻 4 号 p. 243-261
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    容量負荷,左冠状動脈結紮およびメトキサミン持続静注により作製した低拍出量型急性心不全モデル犬を用いてカルペリチド(α-human atrial natriuretic peptide)の心血行動態,利尿作用および神経・体液性因子に対する作用について検討した.カルペリチド(0.1~1μg/kg/min)の静脈内持続投与(30分間)により,平均肺動脈圧,右房圧および全身血管抵抗は低下し,心拍出量は増加したが,血圧,心拍数は殆ど変化しなかった.これらの作用はニトログリセリン(3μg/kg/min,30分間持続静注)の作用とほぼ同程度であった.このモデルにおいては,無尿例が多かったが,無尿例でもカルペリチドの投与により利尿作用が発現した.一方,ニトログリセリンでは利尿作用は認められなかった.血漿中サイクリックGMP濃度は心不全誘発後約3倍上昇し,カルペリチド(1μg/kg/min)の投与によりさらに上昇したが,血漿中レニン活性,血漿中アルドステロン濃度および血漿中ノルアドレナリン濃度には影響を及ぼさなかった.以上の結果より,本モデルにおいて,カルペリチドはサイクリックGMP産生充進に基づく末梢動静脈拡張作用により前負荷および後負荷を軽減させて急性心不全時の血行動態を改善させるものと考えられた.
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