Pentobarbital又はEther麻酔猫にDiphenylhydantoin Sodium 30mg/kgを予め静注してから, Strospesideの致死量を測定し,同時に心電図に於けるP-R及びR-R間隔の変化を分析して次の結果を得た.
1) Pentobarbital麻酔猫では, DiphenylhydantoinはStrospesideの致死量に対して殆んど影響を与えなかった.
2) Ether麻酔猫では, DiphenylhydantoinはStrospesideの致死量を約80%増大させた.
3) Diphenylhydantoinは, Ether麻酔猫に対するStrospesideの徐脈発現作用に殆んど影響を与えなかった.
4) Pentobarbital麻酔猫では, DiphenylhydantoinによってStrospesideの徐脈発現作用が強くなったものがあった.しかし,徐脈発現の著明な群と著明でない群との間にはStrospeside致死量の差は認められなかった.
本論文の要旨は第11回日本薬理学会北部会(弘前)に於て報告した.
稿を終るに当り,御懇篤なる御指導,御校閲を戴いた恩師田辺恒義教授に厚く感謝致します.又, Strospesideを提供して下さった塩野義製薬株式会社に対して感謝の意を表します.
この研究は文部省科学研究費の支援によって行われた. (田辺恒義)
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