日本薬理学雑誌
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93 巻 , 4 号
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  • 樋口 宗史
    1989 年 93 巻 4 号 p. 203-218
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    Neuropeptide Y (NPY) is widely distributed in the central and sympathetic nervous systems and has a variety of central actions including regulation of blood pressure and peripheral actions; e.g., continuous vasoconstriction and inhibition of catecholamine release. The NPY receptor can be divided into 2 subclasses (Y1, Y2), and these subclasses are coupled to GTP binding proteins (Gi, Go, Gp ...... ) . Recently, human and rat prepro-NPY mRNA and NPY gene structures have been determined by cDNA and genomic cloning and sequencing. The strong evolutionary conservation of these structures suggested that NPY is an essential peptidergic neurotransmitter. Little is known about the biosynthesis, processing, degradation of NPY and NPY gene expression. We showed that NPY gene expression and NPY biosynthesis are regulated by neural activity, hormone, and intracellular second messengers via neurotransmitter receptors. The change of NPY gene expression by these neural factors is considered to be a good model for a synaptic plasticity, because these changes cause the changes of synaptic transmission. Furthermore, because NPY is expressed in sympathetic neurons and its gene expression increased markedly on the differentiation of adrenergic cells, this study about NPY gene expression could provide good clues for elucidating the differentiation of sympathetic neurons.
  • 猪 好孝, 織田 実, 佐藤 拓夫, 岩城 正廣
    1989 年 93 巻 4 号 p. 219-224
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    MK-0521,N-α-〔(S)-1-carboxy-3-phenylpropyl〕-L-lysyl-L-proline は SH 基を有さない新しいangiotensin 変換酵素(ACE)阻害剤である.今回,MK-0521 の ACE および他の酵素に対する作用を in vitro において captopril,MK-421 および MK-422 と比較しつつ検討した.MK-0521 は,ラット肺より抽出,精製した ACE 活性を阻害し,50%阻害する濃度(IC50)は 3nM であり,captopril より6.13倍強力であり,MK-422 とほぼ同等であった.MK-0521 の ACE に対する選択性は非常に高く,carboxypeptidase A,carboxypeptidase B,leucineaminopeptidase,papain,pepsin および trypsin に対し,ほとんど阻害作用を示さなかった.Lineweaver-Burk plots を用いた MK-0521 の ACE に対する kinetics の結果から,MK-0521 の ACE 阻害様式は競合的であった.また,ACE-MK-0521 complex の透析実験から,MK-0521 の ACE 阻害作用は,可逆的であることが示された.モルモットの回腸において MK-0521 は,bradykinin による収縮を増強し,angiotensin I による収縮を競合的に抑制した.これらの作用は captopril のそれと比較し,各々33.11倍および2.63倍強力であった.また,MK-0521 は acetylcholine および histamine による回腸の収縮を全く抑制しなかった.以上の結果から,MK-0521 は,生体においても強力なる降圧作用を示す可能性が示唆された.
  • 織田 実, 猪 好孝, 鈴木 邦彦, 佐藤 拓夫, 岩本 里美, 岩城 正廣
    1989 年 93 巻 4 号 p. 225-234
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    MK-0521のイヌにおける angiotensin 変換酵素阻害作用および2腎性 Goldblatt 型高血圧犬における単回投与による降圧作用を検討し,captopril および MK-421 と比較すると共に,併せて renin-angiotensin-aldosterone 系に対する作用を検討した.MK-0521 は静脈内投与(0.001~0.1mg/kg)および経口投与(0.01~1mg/kg)のいずれにおいても用量依存的に angiotensin I の昇圧作用を抑制し,bradykinin の降圧作用を増強したが,angiotensin IIの昇圧作用に対しては影響を与えなかった.MK-0521 の angiotensin I 昇圧抑制作用は,静脈内投与の場合,captopril より9.8倍強く,経口投与の場合,captopril より15.9~32.1倍,MK-421 より約3倍いずれも強かった.経ロ投与によるMK-0521の作用発現時間および最大作用発現時間は共にMK-421より早く,captoprilより緩徐であった.また,作用の持続は captopril より長く,MK-421 と同等ないし長かった.これらの変化は血中濃度の時間経過と密接に相関していた.2腎性 Golblatt 型高血圧犬において,MK-0521 は0.3mg/kg以上の経口投与で用量依存的な降圧作用を示した.その際,心拍数には明らかな影響を及ぼさなかった.MK-0521 の降圧作用は持続的で,最大降圧作用で比較するとcaptopril より約3倍強かった.また,血清 angiotensin 変換酵素活性を抑制し,血漿 renin 活性を上昇させ,血漿 aldosterone 濃度に対しては減少傾向を示した.これらの変化は降圧作用の時間経過と良く並行した.以上の成績より,MK-0521の降圧作用は主に angiotensin 変換酵素阻害による angiotensin II 生成の抑制によって引き起こされることが明らかとなった.
  • 織田 実, 鈴木 邦彦, 猪 好孝, 佐藤 拓夫, 岩城 正廣
    1989 年 93 巻 4 号 p. 235-243
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    MK-0521 および captopril を急性期2腎性 Goldblatt 型高血圧犬(腎動脈狭窄手術後6~8日経過)および慢性期2腎性 Goldblatt 型高血圧犬(腎動脈狭窄手術後2~2.5ヵ月経過)に7ないし21日間連続経口投与した.その結果,MK-0521 は急性期,慢性期高血圧を問わずほぼ同程度に血圧を下降させた.この降圧作用は用量依存的で,投与終了後も作用は持続した.captopril も降圧作用を示したが,その作用は急性期高血圧犬においてより明らかであった.renin-angiotensin 系に対する抑制作用は captopril よりも MK-0521 の方が強かった.MK-0521 を連続投与された急性期高血圧犬では,血清 angiotensin 変換酵素活性は増強されたが,血漿 angiotensin II 濃度は低下し,血漿 angiotensin I 濃度および血漿 renin 活性は増加ないし上昇したことから,angiotensin 変換酵素の抑制は明らかであった.しかし,慢性期高血圧犬では,MK-0521 投与により血漿 angiotensin II 濃度は低下しなかった.1日尿量およびNa+,K+,creatinine の各クリアランスには MK-0521 による影響は認められなかった.以上の結果から,2腎性 Goldblatt 型高血圧犬における MK-0521 の降圧作用は主に angiotensin 変換酵素阻害作用によることが示唆された.尚,急性期と慢性期高血圧犬とで認められた作用の相違は両高血圧犬の血圧維持機構が異なることに起因するものと思われる.
  • 栗原 久, 田所 作太郎
    1989 年 93 巻 4 号 p. 245-253
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    NC-1100;1-(3,4-dimethoxyphenyl)-2-(4-diphenylmethylpiperazinyl)ethanol dihydrochloride の中枢作用を,マウスの移所運動活性,およびレバー押し型およびシャトル型非連続回避反応を指標にして検討した.NC-1100 の 3~100mg/kg,p.o.を単独投与しても,移所運動カウント数に著しい変化が認められなかった.しかし,100mg/kgを投与すると,振戦,間代性けいれん,唾液分泌の増加などを主徴とする全身症状の悪化が出現したが,死亡例はなかった.低用量(3および10mg/kg)の NC-1100 は methamphetamine(2mg/kg,s.c.)の移所運動活性促進効果を軽度に増強したが,scopolamine(0.5mg/kg,s.c.)のそれには著変を及ぼさなかった.一方,NC-1100 の 10mg/kg は,シャトル型回避実験での反応率を有意に増加させたが,100mg/kgではレバー押し型およびシャトル型非連続回避反応のいずれにあっても回避反応を抑制した.レバー押し型非連続回避反応でみると,NG-1100 の 10および30mg/kg は chlorpromazine(1mg/kg,s.c.)の回避反応抑制効果を軽減する傾向があった.また,シャトル型非連続回避反応の訓練開始直前に NC-1100 の 30mg/kg を投与すると,生理食塩水投与による対照群の成績を上回る回避率の上昇が観察された.しかし,同時に10~30mg/kg は反応率も増加したので,NC-1100 に特異的な回避反応習得促進効果があるとは断定できなかった.本結果は,NC-1100 が行動促進的作用を発揮するが,メタンフェタミンのような典型的な中枢興奮薬とは異なり,その効果はかなり軽微であることを示唆している.
  • 後藤 和宏, 末川 守, 細谷 英吉
    1989 年 93 巻 4 号 p. 255-260
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    TJ-8007(ツムラ続命湯)の脳機能保護作用を明らかにする目的で,数種の脳虚血モデルに対する作用を ifenprodil と比較検討した.また,作用機序解明の一環としてイヌの椎骨,内頸動脈血流量に及ぼす影響について検討した.両側総頸動脈(BCA)結紮によるマウスの脳虚血モデルにおいて,TJ-8007(0.3~3.0g/kg,p.o.)は累積死亡率の増加を抑制した.さらに,TJ-8007(3.0g/kg,p.o.)はBCA 結紮後のマウスの生存時間を有意に延長した.しかし,TJ-8007(1.0,3.0g/kg,p.o.)はBCA 結紮後のスナネズミの生存時間あるいは断頭後のマウスの gasping には影響を及ぼさなかった.ifenprodil(30mg/kg,p.o.)もTJ-8007 と同様に BCA 結紮後のマウスの脳虚血性致死に対する保護作用を示したが,スナネズミを用いた脳虚血モデルおよび断頭による完全脳虚血モデルでは作用を示さなかった.また,TJ-8007(1.0,3.0g/kg,p.o.)は麻酔イヌの椎骨動脈血流量を増加させたが,内頸動脈血流量に対しては影響を及ぼさなかった.これらの成績から,TJ-8007の脳機能保護作用には椎骨動脈の血流量増加に基づく脳循環改善作用が関与していることが示唆された.
  • 森下 信一, 齋藤 隆, 庄司 政満, 田中 陽, 佐伯 久美, 伊藤 千尋
    1989 年 93 巻 4 号 p. 261-270
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    牛黄,人参製剤霊黄参の肝臓に対する作用について検討した.霊黄参の適用により四塩化炭素誘発肝障害,α-naphthylisothiocyanate(ANIT)誘発肝障害,d-galactosamine 誘発肝障害の抑制,異物排泄能亢進,アルコール摂取後の血中アルコール濃度上昇抑制,肝臓の微小循環亢進,抗活性酸素作用など肝臓に対して好ましい作用が認められた.霊黄参の実験的肝障害抑制作用は肝血流増加,抗活性酸素作用によることが予想された.
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