日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
108 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 安孫子 保, 橋爪 裕子, 原 明義
    1996 年 108 巻 4 号 p. 195-202
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    The classical understanding of the mechanism of anti-anginal or anti-ischemic drugs is an increase in blood supply to the heart and/or a decrease in oxygen consumption of the heart, maintaining energy balance in the heart between supply and demand and hence maintaining the tissue levels of high-energy phosphates. This scheme is reasonable. During reperfusion following ischemia, however, there is more serious damage to the heart, although the tissue levels of highenergy phosphates increase. This is probably because toxic substances are generated in the heart during ischemia/reperfusion. We propose that both lysophosphatidylcholine and palmitoyl-L-carnitine that accumulate in the myocardium during ischemia/reperfusion are candidates for the toxic substances that accelerate ischemia/reperfusion damage to the heart. Therefore, drugs that have anti-lysophosphatidylcholine and/or anti-palmitoyl-L-carnitine effects are promising for the treatment of ischemic heart diseases. We found that K-7259, a novel derivative of dilazep having a minimal effect on the normal heart, is a drug that attenuates the deleterious effects of both lysophosphatidylcholine and palmitoyl-L-carnitine on the heart, and therefore attenuates the ischemia/reperfusion damage.
  • 村山 光雄, 三浦 力, 坂東 英雄
    1996 年 108 巻 4 号 p. 203-216
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    末梢血流量に及ぼす化合物の影響を評価するスクリーニング法の検討として, レーザー血流量計を用い, マウスにおける測定部位ならびにその部位でのプローブの貼付箇所のちがいによる血流量の変化および化合物の溶解に用いられる溶媒の血流量に及ぼす影響について検討した.その結果, レーザー血流量計を用いた末梢血流量測定実験におけるプローブの貼付部位として, 背部および後肢を用い, それぞれの部位において肉眼で血管が確認されないような末梢血管領域にプローブを貼付した場合に, バラツキの少ない安定した血流量が測定できることが明らかとなった.さらに, この貼付部位を用いた場合, 薬物の溶解に用いられる溶媒として選んだ0.9%生理的食塩液, ジメチルスルホキシド (DMSO) ならびに50%工タノールのいずれも投与前の末梢血流量に対して有意な変化を示さなかった.次に, 本試験法を用いて, 循環器系に作用する薬物の末梢血流量に及ぼす影響を検討した.その結果, 得られた血流量の変化は, 他種の動物を用いてこれまでに報告されている結果と一致する傾向にあったが, 薬物によっては特徴ある変化も観察された。以上, 本試験法は化合物の末梢循環に及ぼす影響を評価する簡便な一次スクリーニング法として有用であると考えられる.
  • 松田 宗人, 蟹田 理英, 筒井 夫美子, 山下 明
    1996 年 108 巻 4 号 p. 217-225
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    臨床で胃炎や肝炎に使用されている小柴胡湯は, 胃潰瘍にも有効であることが判ってきた.しかしながら, 小柴胡湯の胃潰瘍に関する薬理学的研究はなされていない.そこで筆者らは, 小柴胡湯の胃炎・胃潰瘍, 胃酸分泌ならびに胃粘膜電位差低下に対する作用についてラットを用いて検討した.小柴胡湯エキス末は, エタノール胃粘膜損傷モデルに対して250および500mg/kg, p.o.で用量依存的な抑制作用を示した.また, アスピリン, インドメタシンおよび水浸拘束ストレス胃粘膜損傷モヂルに対して, 500mg/kg, p.o.で有意な抑制作用を示した.スクラルファート500mg/kg, p.o.は, エタノールおよびアスピリン胃粘膜損傷モデルを有意に抑制した.シメチジン10mg/kg, p.o.は, アスピリン, インドメタシンならびに水浸拘束ストレス胃粘膜損傷モデルに対して有意な抑制作用を示した.小柴胡湯エキス末は, 10, 30,100mg/kg, i.p.でペンタガストリンおよび2-デオキシ-D-グルコ一ス誘発胃酸分泌に対して用量依存的で有意な抑制作用を示した.シメチジン1mg/kg, i.p.はペンタガストリン誘発胃酸分泌に対して, アトロピン0.05mg/kg, i.p.はペンタガストリンおよび2-デオキシ-D-グルコース誘発胃酸分泌に対して有意な抑制作用を示した.小柴胡湯エキス末は, 工タノール誘発胃粘膜電位差低下に対して, 250,500および1000mg/kg, i.g.で有意な抑制作用を示した.スクラルファート500mg/kg, i.g.は, 有意な抑制作用を示したが, シメチジン250mg/kg, i.g.は作用を示さなかった.以上の結果より, 小柴胡湯は胃粘膜保護作用を有するスクラルファートや胃酸分泌抑制作用のあるシメチジンならびにアトロピンと異なり, これら両者の作用を合わせ持つ薬物であると考えられる.
  • 1996年6月8日(土) 東京都
    1996 年 108 巻 4 号 p. b63-b82
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
  • 1996年6月14日(金) 宝塚市
    1996 年 108 巻 4 号 p. b83-b106
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
feedback
Top