日本薬理学雑誌
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93 巻 , 2 号
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  • 橋本 敬太郎
    1989 年 93 巻 2 号 p. 29-39
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    In order to compare and clarify the effects of various antiarrhythmic drugs, we examined drug effects on several canine arrhythmia models, simultaneously determining the minimum effective plasma concentrations. We used 1) two-stage coronary ligation arrhythmia, 2) digitalis arrhythmia, and 3) halothane-adrenaline arrhythmia. The following are, a summary of our results : Antiarrhythmic drugs of class 1 all suppressed digitalis arrhythmia, and except for lidocaine, also suppressed coronary ligation arrhythmia. Class 2 antiarrhythmic drugs, β blockers, and class 4 antiarrhythmic drugs, Ca channel blockers, had common features of effectiveness, where they suppressed adrenaline arrhythmia in relatively low concentrations. Some differences among the antiarrhythmic effects of class 1 drugs could not be explained by their subclassification based either on action potential duration or kinetic properties of dissociation or association with Na channels. A new arrhythmia model for triggered activity in in vivo canine heart was developed, but drug effects on it does not seem to be very different from the effects on the other three arrhythmia models.
  • 広瀬 彰, 笹 征史, 赤池 昭紀, 高折 修二
    1989 年 93 巻 2 号 p. 41-47
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    新規に合成され抗不安作用を示すと考えられている SM-3997の中枢作用を明かにするため,ウサギの自発脳波,脳波覚醒反応,漸増反応および海馬後発射に対する本薬物の効果を検討した.さらに,慢性埋め込み電極を用いたラットの自発脳波について本薬物の効果を検討した.ウサギを用いた急性実験において,SM-3997 は,1~3mg/kg 静注により大脳皮質脳波を低振幅速波化し,海馬脳波の振幅を低下し,徐波成分を増加した.中脳網様体刺激による脳波覚醒反応の刺激閾値は,1~3mg/kg 静注により用量依存的に上昇した.大脳皮質および海馬に見られる漸増反応の閾値は,1~3mg/kg静注によりごく軽度上昇したにすぎなかった.大脳皮質および海馬において海馬刺激により得られる後発射は,0.3~3mg/kg静注により影響を受けなかった.一方,この後発射は,diazepam 1mg/kg 静注により,抑制された.慢性電極埋め込みラットにおいて,10~30mg/kg の SM-3997 を腹腔内に投与した時,大脳皮質脳波は低振幅速波化し,海馬脳波は振幅低下と共に徐波成分が増加した.この時,flat body posture が誘発された.これらの結果から,SM-3997 は大脳皮質および海馬の両者に作用するが,特に中脳網様体—海馬系に対して強い抑制作用を持つことが示唆される.
  • 喜多川 久人, 竹田 富美代, 泉田 雅代, 林 利浩, 公平 宏
    1989 年 93 巻 2 号 p. 49-54
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    気管支拡張薬,oxitropium bromide(Ba253)の抗コリン作用の特性を atropine および ipratropium bromide(Sch 1000)と比較し,ムスカリン受容体サブタイプに対する選択性を検討した.また,Ba253 の代謝物(Ba 941,BEA 1125),分解物(Ba 250)および不純物(Ad 187)の抗コリン作用についても検討した.ラット唾液分泌,胃液分泌およびウサギ胃運動に対して,Ba 253は非経口投与では atropine の2.3~11.8倍,Sch 1000の1~2倍強い抑制作用を示した.しかし,Ba253 の経口あるいは十二指腸内投与時の胃液分泌抑制作用および散瞳作用は atropine の1/47および1/7でしかなかった.摘出臓器(ラット胃条片,モルモット胆嚢および回腸)における Ba 253 の抗コリン作用は,atropine とほぼ同等であった.acetylcholine ならびに histamine 誘発性喘息に対して,Ba 253 のエアロゾル吸入は,atropine の 1/5の鎮咳作用を示し,これは,sch 1000 とほぼ同等であった.Ba 253 のヒトにおける主代謝物である Ba 941 は,摘出モルモット気管平滑筋および回腸においてBa 253 の1/8000 以下の抗コリン作用しか示さなかった.Ba 253 の分解物である Ba 250 および不純物である Ad 187 は Ba 253 と同程度の抗コリン作用を示したが,これらの夾雑,混入は Ba 253 の0.1%および2%以下でしかないことから,Ba 253 の抗コリン作用の発現には関与しないものと思われる.以上のように,Ba 253 の抗コリン作用は,非経口投与では atropine より数倍強く,経口あるいは十二指腸内投与では atropine より弱い.また,Ba 253 の抗コリン作用には M1 受容体に選択的に拮抗する pirenzepine ほど臓器差がみられないことから,Ba 253 のムスカリン受容体サブタイプを識別する能力は低いものと思われる.
  • 金子 茂, 春野 明弘, 鈴木 則彦, 北里 健二, 山崎 泰英, 永井 正則, 入來 正躬, 土屋 勝彦, 小坂 光男
    1989 年 93 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    新しいベンジル酸誘導体である propiverine hydrochloride(P-4)のイヌの生体位膀胱機能に対する作用について頻尿改善剤である flavoxate と比較検討した.麻酔下のシストメトログラムにおいてP-4(4mg/kg,i.v.)は最大膀胱容量の有意な増加を示した.同様な有意増加は verapamil(1mg/kg,i.v.)でも観察された.一方,flavoxate(4mg/kg,i.v.)は最大膀胱容量の有意な変化を示さなかった.麻酔下イヌの膀胱内に留置したバルーンに適度な内圧を加えた際に惹起される律動的膀胱収縮に対してP-4は1mg/kg,i.v.より収縮頻度の有意な減少を示したが,flavoxate は 4mg/kg,i.v.ではじめて同様な作用を示した.この様に,P-4 は flavoxate より優れた生体位膀胱における排尿運動抑制作用を示したことから,頻尿改善剤としての有用性が期待される.
  • 栗山 澄, 肥山 良之, 青山 行雄, 市川 清之進, 奥村 誠, 舛本 省三, 伊藤 清, 大滝 裕, 平田 充, 花田 秀一, 内田 武 ...
    1989 年 93 巻 2 号 p. 61-73
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    非ステロイド性鎮痛,解熱注射薬 LFP83 の薬理作用をマウス,ラットおよびウサギを用いて検討した.LFP83 は,強力な prostaglandin 生合成阻害薬である flurbiprofen(FP)を活性代謝物とするプロドラッグである.酢酸 writhing,Randall and Selitto 法,関節炎疼痛,酵母発熱,LPS発熱,carrageenin 浮腫,adjuvant 関節炎などのモデルで LFP83(i.v.)は顕著な鎮痛,解熱,抗炎症作用を示し,ketoprofen(i.m.)や aspirin DLI-lysine(i.v.)よりも強力であった.LFP83(i.v.)の鎮痛効力は,pentazocine(i.m.)と同等かそれ以上であり,持続時間は aspirin DL-lysine(i.v.)や pentazocine(i.m.)よりも長かった.また,LFP83(i.v.)の効力は,FP(p.o.)と同等以上で鎮痛効果の発現も早かった.一方,LFP83(i.v.)のラット胃粘膜に対する障害作用は,単回投与および7日間の連続投与のいずれにおいても FP(p.o.)よりも弱く,薬効用量(ED50値)と胃粘膜障害用量(UD50値)との比で示される安全指数は,LFP83(i.v.)の方が FP(p.o.)よりも3倍から20倍程度大きかった.以上,LFP83 は強力な鎮痛,解熱,抗炎症作用を示す注射薬で,経口薬 FP よりも強力且つ即効性で胃粘膜障害作用が弱い安全指数の高い薬物である.
  • 和泉 隆之
    1989 年 93 巻 2 号 p. 75-87
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/02/20
    ジャーナル フリー
    ラット切歯の萌出機序を解明するための手がかりを得ることを主な目的として,象牙質やエナメル質形成阻害作用を示すことが知られている 1-hydroxyethylidene-1,1-bisphosphonate(HEBP)を用い,切歯の萌出率と硬組織形成阻害との間に関連性があるかどうかを調べてみた.実験群の動物にはそれぞれ9,18及び36mgP/kg の HEBP を1日1回背部皮下に7日間注射した.対照群の動物には生理食塩液を投与した.また,9mg P の HEBP 投与群と対照群ラットの1群には,実験期間中にテトラサイクリンを注射し,硬組織に対する標識を行った.さらに,切歯を非咬合状態に保つために上下顎切歯切端部を2日間隔で繰り返し切除し,下顎切歯萌出率の測定を行った.その後,下顎横断切片を作製し,通常の組織学的検索ならびにマイクロラジオグラフィー法による検索を行った.さらに螢光顕微鏡によりテトラサイクリンの象牙質への沈着状態を調べた.HEBP の投与により切歯萌出率は薬物投与開始後2~3日目以降,有意の低下を示したが,投与量の異なる3群の間に著明な差は認められなかった.HEBP 投与群ラットの下顎切歯では薬物投与後に形成されたと思われる象牙質のヘマトキシリン染色性が著しく低下した.マイクロラジオグラムの観察から,象牙質のヘマトキシリン染色性の不良な部位は石灰化が著しく阻害されていることが判明した.このことは,テトラサイクリンの沈着が著しく阻害されたことからも確認された.また,象牙質基質形成の阻害も認められた.さらにエナメル芽細胞,エナメル基質形成および石灰化などに障害の生じていることが判明した.これらの結果から,切歯の萌出と硬組織の基質形成や石灰化との間にはなんらかの関連性の存在する可能性が考えられるものの,その程度は,それほど大きいものではないことが推察された.
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