ラット肝切除モデルを用いて,
13C標識アミノ酸で,肝機能障害が定量的に測定可能かどうかを検討した.ネンブタール麻酔下に,肝切除(30%,70%,90%)を施行し,30 mg/kg
L-[1-
13C]phenylalanine,40 mg/kg
L-[1-
13C]methionine,20 mg/kg
L-[1-
13C]alanineを大腿静脈より投与し,呼気中
13CO
2の変化を15分間連続測定した.投与した総ての
13C標識アミノ酸の呼気テストの結果で,30%以上の肝臓切除であれば,コントロールに比べ,呼気中
13CO
2は有意に低下した.肝切除後,残存肝と呼気テストの結果では,測定時間内の
13CO
2の総排出量と肝重量/体重比の相関が
L-[1-
13C]フェニルアラニンr=0.883,
L-[1-
13C]メチオニンr=0.922,
L-[1-
13C]アラニンr=0.902と高い相関を示した.
13C標識アミノ酸呼気テストで肝機能障害を定量的に測定できる可能性が示唆された.
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