日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
106 巻 , 4 号
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総説
  • 小池 和彦
    2009 年 106 巻 4 号 p. 479-484
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/06
    ジャーナル フリー
    C型肝炎に対する治療法が進歩して,リバビリン併用ペグ·インターフェロン治療が第一選択の時代となっている.C型慢性肝炎患者の60%近くでウイルス排除(SVR)が達成される現状となったが,なお残りの40%ではC型肝炎ウイルス(HCV)が排除されず,慢性肝炎→肝硬変→肝細胞癌の連鎖に苦しめられている.新規C型肝炎治療薬の開発は火急の要望事項といえる.HCV酵素阻害剤を用いた臨床試験においては,リバビリン併用ペグ·インターフェロンとの併用によって高い効果が得られる薬も存在する.現行の治療の状況,成績向上への工夫,治療効果の予測,HCV酵素阻害剤を用いた臨床試験の開発状況などの現状を述べる.
今月のテーマ:C型肝炎の新しい治療
  • 坂本 穣, 榎本 信幸
    2009 年 106 巻 4 号 p. 485-492
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/06
    ジャーナル フリー
    ペグインターフェロン+リバビリン併用療法の登場により,C型慢性肝炎治療は格段に進歩した.しかし1b型かつ高ウイルス量症例は難治で,約半数でのみウイルス排除が可能であるに過ぎない.治療効果予測に最も重要なものはISDRであり,2個以上の変異があれば十分な治療効果が期待できるが,0ないし1個変異の症例では48週治療では効果が乏しい.さらにコア70番アミノ酸が野生型であればある程度の治療効果が期待できるが,変異型では効果が乏しく,延長投与などの治療の工夫が必要である.このように,ウイルス変異を検討したうえで,宿主因子やウイルス陰性化時期などの治療因子を検討すれば,さらに詳細な治療効果予測が可能となり,個別化医療の道も開けるものと考えられる.
  • 井上 和明, 渡邊 綱正, 山田 雅哉, 与芝 真彰
    2009 年 106 巻 4 号 p. 493-501
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/06
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルス治療にはじめに導入された治療薬は,多彩な生物学的効果を示すインターフェロンであった.近年の分子生物学的手法によりHCVのライフサイクルが解明されるにつれて,ウイルスの機能蛋白であるプロテアーゼやポリメラーゼを標的とした治療薬が開発されて,プロテアーゼ阻害薬は現実化の一歩手前に来ている.またウイルス増殖に関連する宿主因子であるサイクロフィリンに対する阻害剤の治験も進行中である.今後ウイルス増殖のさまざまなステップを押さえる治療薬が見出されれば,ほとんどすべてのHCV感染症を治癒に導ける日も遠くはないであろう.
  • 斎藤 貴史, 西瀬 雄子, 石井 里佳, 渡辺 久剛, 鈴木 克典, 河田 純男
    2009 年 106 巻 4 号 p. 502-507
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/06
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子上には,抗HCV療法に感受性を有するアミノ酸変異領域として,コア領域(70番/91番)やNS5A領域のinterferon sensitivity determining region(ISDR),interferon/ribavirin resistance-determining region(IRRDR),などが知られている.HCV NS3領域はHCV serine proteaseをコードし,そのウイルス蛋白質は宿主蛋白質との相互作用により,HCV感染の経過や治療に影響を及ぼす.HCV NS3蛋白質は,感染細胞内でCardif分子を不活化してinterferon伝達系を抑止し,更にはinterferon-stimulated response elementの活性化も抑制する.また,HCV NS3蛋白質は,p53蛋白やp21蛋白との相互作用も報告されている.したがって,HCV NS3蛋白質多型性を解析することは,C型慢性肝炎の予後や抗ウイルス療法の治療効果を予測するうえで,重要な手掛かりを与えてくれることが期待される.
座談会:C型肝炎の新しい治療
原著
  • 岩室 雅也, 岡田 裕之, 竹中 龍太, 河原 祥朗, 品川 克至, 守都 敏晃, 市村 浩一, 吉野 正, 山本 和秀
    2009 年 106 巻 4 号 p. 520-528
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/06
    ジャーナル フリー
    消化管浸潤をきたしたMantle cell lymphoma(MCL)の9例について,浸潤臓器,病変の形態,治療内容および予後を後方視的に評価した.年齢は47∼76歳(平均63歳),すべて男性であり,診断時の臨床病期分類は1例を除きstage IVであった.浸潤臓器は胃5例,十二指腸4例,回腸5例,盲腸1例,結腸4例,直腸2例.病変の形態は,胃では隆起型3例,潰瘍型1例,びまん型1例と多彩であった.十二指腸より肛側においてはmultiple lymphomatous polyposis型が6例と最多であった.一般にMCLの予後は不良とされているが,6例でhyper CVAD/MA療法を,うち5例でさらに自己末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法を行い,完全寛解を維持している.
症例報告
Letter to the Editor
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