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内藤 広郎, 柴田 近
1998 年 95 巻 12 号 p.
1317-1326
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
胃排出(GE)機能は消化器症状発現にとって重要な因子であるが,これらに影響を及ぼす生体内環境の最近の話題について総説した.GE調節因子としては神経因子の他,CCKなどの上部消化管ホルモン,ileal brakeに関与する下部消化管ホルモン,血糖値,年齢,性などがある.胃食道逆流症,non ulcer dyspepsia,過敏性腸症候群,糖尿病などの一部にはGE異常を示す例があるので留意すべきである.
Helicobacter pyloriの胃感染がGE機能におよぼす影響については結論は出ていない.消化器外科手術後のQOLもGEの変動により影響を受けるが,術式の工夫や薬剤の開発が試みられている.今後より簡便なGE測定法の開発,普及が望まれる.
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大島 正伸, 武藤 誠
1998 年 95 巻 12 号 p.
1327-1332
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
最近の疫学調査や臨床例などの報告により,非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が大腸癌の発生を予防し,大腸ポリープの発生を抑えることが明らかとなって来た.そこで,家族性大腸ポリープ症(FAP)のモデルマウスであるApc
Δ716マウス,およびNSAIDの標的酵素であるシクロオキシゲナーゼ2(COX-2)ノックアウトマウスを用いて解析を行なった.その結果,ポリープの発生後に局所で発現が誘導されるCOX-2が,腫瘍細胞の増殖に重要であることが明らかとなった.さらに,COX-2選択的阻害薬も,従来のNSAIDと同様にApc
Δ716マウスのポリープ発生率を抑え,新しい大腸癌予防薬としての可能性が示された.
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堤 純, 高山 澄夫, 二村 浩史
1998 年 95 巻 12 号 p.
1333-1342
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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消化性潰瘍に対するH2 receptor antagonist(H2-RA)長期維持療法が,癌発生母地としての背景胃粘膜変化を作り出す可能性について,ラットを用いて慢性胃潰瘍モデルを作成し,H2-RA長期投与後の背景胃粘膜変化,血清ガストリン値,胃粘膜内のODC活性,ポリアミン含量およびPCNA標識率を測定し検討した.30週において,PCNA標識率,スペルミジン含量は,潰瘍作成後H2-RA長期投与群において,コントロール群,H2-RA単独群,および潰瘍単独群に比し有意に高値を示した.H2-RA長期投与は,潰瘍治癒後もその細胞増殖能を維持,亢進させてくることより,癌発生母地としての胃粘膜変化をもたらす可能性が示唆された.
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塚本 隆弘, 井上 文彦, 東 克己, 西川 浩史, 浅越 健助, 大谷 由利子, 三宅 直樹, 瀬古 修二, 西田 修, 水本 孝, 古川 ...
1998 年 95 巻 12 号 p.
1343-1349
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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虚血性大腸炎28例を対象とし,腹痛が出現してから2時間以内に血便をみたもの9例をA群,2時間以上6時間以内に血便をみたもの7例をB群6時間以上を要したもの12例をC群として分類した.そして,本症の臨床像を示す7項目を変数とし,A/B/Cの3群を分類変数として正準判別分析を行った.その結果,A群→B群→C群と明瞭な線形性が認められ,対応する変数として入院後の白血球数のピーク値,log(CRPのピーク値),急性期の内視鏡所見での潰瘍性病変の有無が抽出された.以上より,腹痛が出現してから血便がみられるまでの時間の長短を知ることで,炎症マーカーなどが示す本症の重症度をある程度予測することが可能と考えられた.
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我妻 美久, 成高 義彦, 島川 武, 小川 健治
1998 年 95 巻 12 号 p.
1350-1356
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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経頸静脈的肝内門脈静脈短絡術(TIPS)を施行した10例について施行前後の循環呼吸動態の変化を検討した.TIPS施行後,右房圧,肺動脈楔入圧,心拍数,心係数の有意の上昇と全身末梢血管抵抗の有意の低下がみられ,循環動態はよりhyperdynamic circulationに移行した.さらに,右室拡張末期容量係数の有意の上昇とその持続を認め,右心負荷の継続もみられた.呼吸動態では,肺胞気動脈血酸素分圧較差の有意の開大,シャント率の有意の上昇,動静脈血酸素含量較差の有意の狭小化がみられ,肺拡張障害を認めた.以上より,TIPSの施行にあたっては,心予備力,肺機能の評価が重要で,術後の心不全や肺水腫などに注意が必要である.
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谷 聡, 古川 健亮, 福田 昌輝, 西澤 昭彦, 坂井 誠, 森田 宗孝, 北澤 荘平, 老籾 宗忠
1998 年 95 巻 12 号 p.
1357-1361
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
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症例1は61歳女性で無症状も便潜血反応陽性,症例2は77歳男性で下痢と発熱にて受診した.ともに右側結腸は注腸透視でハウストラが消失し,内視鏡では粘膜面は血管透見なく粗〓で,左半結腸には異常認めず細菌検査は陰性であった,組織検査で右側結腸のみにcrypt abscessを認め,サラゾピリンあるいはステロイド併用で改善した.右側結腸型潰瘍性大腸炎はまれであり文献的考察をくわえて報告する.
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内海 広貴, 後藤 祐大, 森田 秀祐, 野田 隆博, 小山 孝則, 坂田 祐之, 田中 潤一, 岩切 龍一, 藤本 一眞
1998 年 95 巻 12 号 p.
1362-1366
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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赤倉 伸亮, 中村 桂, 武藤 修一, 熊谷 研一, 原 信彦, 小西 茂, 原田 博幸, 木村 宗士, 松嶋 喬
1998 年 95 巻 12 号 p.
1367-1373
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
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糖原病は糖質代謝の先天性異常による疾患であり,そのうちI型は,グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)の欠損のため,異常に多量のグリーコーゲンが肝,腎に蓄積する疾患で,幼児期に著名な肝腫大と低血糖症状で発見されるが,幼児期の合併症を逃れれば無症状で成人に達する症例がまれに認められる.今回我々は低血糖症状で発見され,急激な臨床経過を示した69歳の糖原病I型の症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
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中井 隆志, 木岡 清英, 佐野 弘治, 青木 哲哉, 森吉 靖子, 倉井 修, 根引 浩子, 大川 清孝, 岡 博子, 針原 重義, 大庭 ...
1998 年 95 巻 12 号 p.
1374-1377
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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郡司 俊秋, 大西 真, 筆宝 義隆, 三浦 英明, 油谷 浩幸, 大友 邦, 北村 聖, 矢崎 義雄
1998 年 95 巻 12 号 p.
1378-1381
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
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詫間 隆博, 道免 和文, 松石 英城, 小柳 孝太郎, 白浜 正文, 小野原 信吾, 宮本 祐一, 入江 康司, 石橋 大海
1998 年 95 巻 12 号 p.
1382-1386
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
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笹田 雄三, 北川 陸生, 竹平 安則, 玉腰 勝敏, 川西 幸衛, 中島 千春, 中村 俊文, 室久 敏三郎, 河崎 恒久
1998 年 95 巻 12 号 p.
1387-1391
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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尾関 豊, 立山 健一郎, 今井 直基, 角 泰廣
1998 年 95 巻 12 号 p.
1392-1394
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
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安藤 三男, 北江 秀博, 辻口 比登美, 田橋 賢久, 吉田 隆, 中畑 孔克, 北川 浩子, 米原 亨, 西森 秀士, 金光 宣旭, 天 ...
1998 年 95 巻 12 号 p.
1395-1396
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
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大蔵 隆一, 三輪 洋人, 村井 敏夫, 三宅 一徳, 佐藤 信紘
1998 年 95 巻 12 号 p.
1397
発行日: 1998年
公開日: 2008/02/26
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