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宮崎 誠司, 河原 清博, 平田 牧三, 飯田 洋三, 沖田 極, 岡崎 幸紀, 竹本 忠良, 青山 栄
1981 年 78 巻 2 号 p.
157-165
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
29頭ドンリュウ系雄ラットに400ppmのN-butyl-N-nitrosourethan(BNUR)を連日経口投与して実験食道癌を作製し,10週以上生存しえた23頭を有効例として,4週に1回X線検査および内視鏡検査を施行した.
食道の乳頭腫の発生頻度は,96%(22/23)で,扁平上皮癌は70%(16/23)であつた.ラット実験食道癌は強制発癌であるので病変が多発し,X線像,内視鏡像ともに小腫瘤状隆起の多発型としてあらわされることが多く,深達度はmないしsmであつた.一方,深達度mpないしaの進行した扁平上皮癌を有する5例のX線像および内視鏡像は,ヒト食道癌のものと類似していた.内視鏡観察により乳頭腫,扁平上皮癌の内視鏡像がえられ,内視鏡検査はX線検査とともにラット実験食道癌の経時的観察に有効な手段と考えている.
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杉山 雅, 関口 利和, 西岡 利夫, 秋山 隆司
1981 年 78 巻 2 号 p.
166-176
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
健康正常人10名の咽頭,食道体部,LES,胃の各運動と食道内pHを夜間長時間同時測定し次の結果を得た.(1) LES静止圧は同一対象において,胃の運動と相関しながら経時的に大きく変化した.すなわち,食後で最も低く,次いで空腹期のphase I, phase IIと上昇しphase IIIで最高値を示した.(2) Gastroesophageal reflux (GER)は相対的に見てLES静止圧の低い時期に高頻度に起つたが高い時期にも見られた.GERの直接の原因は咽頭,食道体部の運動により,また自然に起つた短時間のLES弛緩であると考えられた.(3) GER後に種々な食道体部の運動が増加した.そのうちacid clearanceに重要なものは一次蠕動波であろうと推測された.
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飯田 太
1981 年 78 巻 2 号 p.
177-181
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
腸上皮化生は著者がすでに報告した如く,Alcian blue-PAS重染色によつて完全型化生と不完全型化生に分けることが出来る.粘膜内癌34例の癌の両側に隣接する腸上皮化生の態度を検討すると,分化型癌では1cm以下の小さな癌は不完全型化生と隣接する頻度が高く,1cm以上の癌ではこの関係は多少不明瞭になる.低分化型癌では腸上皮化生について一定の傾向は認められなかつた.また形態学的に不完全型化生では完全型化生に比較して核配列が不安定である.以上の成績から分化型癌は不完全型腸上皮化生と密接な関係にあることが考えられる.
腸上皮化生を生体観察するためにメチレンブルーによる間接散布法で内視鏡観察を16例に行つたが,完全型化生と不完全型化生を確実に識別することは困難であつた.
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隆 元英, 武者 広隆, 土屋 聖二, 後藤 信昭, 高安 賢一, 鈴木 直人, 小藤田 和郎, 奥田 邦雄
1981 年 78 巻 2 号 p.
182-189
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
対照11例,各種肝疾患69例にアンチピリン1.0gを経口投与し,その血中半減期(T/2)を求めた.肝硬変症では,対照群に比してT/2が有意に延長しており,特に非代償性肝硬変症例で著しい延長を認めた.慢性活動性肝炎,肝外性門脈圧亢進症例も対照群に比してT/2の延長する傾向があつた.T/2は総ビリルビン,血清アルブミン,プロトロンビン時間と相関関係が認められ,肝細胞機能を良く反映しており,肝のFunctional Parenchymal cell massを良く表現しているものと考えられた.一方ICG 15分血中停滞率や肝内短絡率の如き有効肝血流量を表現する検査とT/2も良く相関し,肝細胞機能が肝血流量により大きく左右されるものと考えられた.
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藤原 純江
1981 年 78 巻 2 号 p.
190-199
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
健常者および慢性肝炎(CH),肝硬変(LC),肝癌(HCC)において血清補体価(S-CH50),血漿補体価(P-CH50),およびC
3, C
4蛋白量につき比較検討した.P-CH50>S-CH50の傾向がみられ,肝疾患全体の11.7%に解離例がみられた.CH, LC例において補体価は病態をよく反映し,LCではもつとも低値を示し,蛋白合成能と補体価の相関が認められた.なおC
3, C
4は補体価と同様の傾向を示した.またC
3と補体価の間には密接な関連を認めた.HCCにおける補体価は非癌部の状態,癌の占居範囲などにより広い分布を示すが,CH, LCに比し高値を示す傾向がみられ,補体価の経時的測定が,HCCの早期発見に有用とみなされた症例を呈示した.
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石井 公道, 柴田 久雄, 岡部 治弥, 永田 博司, 土屋 雅春, 神谷 知至, 鈴木 修, 桐生 恭好, 藤城 保男
1981 年 78 巻 2 号 p.
200-204
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝硬変症26例について血中ノルエピネフリン(NE)と経口的ブドウ糖負荷試験(OGTT),及び同時に測定したインシュリン(IRI)との関係を検討し,併せて予後判定を試みた.経過を見ると,NE正常群では所謂臨床的治癒傾向を示したのに比し,高NE血症群では測定後21ヵ月を経た時点で肝癌へ移行が29.4%,肝不全による死亡が47.1%に達した.OGTTではNE正常群は境界型を示し,高値群は全例糖尿病型を呈した.IRIは癌化群で低反応型を,肝不全群は過反応,低反応の2型に分かれ,NE正常群ではこの両群の中間を示した.肝硬変形の際の高NE血症は自律神経-血管系の擾乱を表わすもので,糖代謝異常と密接な関係を有すると共に,予後不良の徴候を呈示するものである.
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第1編 急性および慢性肝不全患者における血漿アミノ酸組成の異常について
村上 広子
1981 年 78 巻 2 号 p.
205-213
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
劇症肝炎3例,亜急性肝炎3例,肝硬変29例について,血漿アミノ酸を測定した結果,総アミノ酸濃度はすべての疾患群で増加していた.肝性脳症例では,methionine, tyrosine, phenylalanineが著増し,[BCAA]は劇症肝炎以外では減少し,BCAA/AAAは著明に低下してほぼ1.0であつた.次に,肝硬変22例についてみると,[BCAA]は肝実質機能障害が著しいほど低下していたが,[IRI]との相関はみられず,むしろ,[IRI]は[AAA]と逆相関していた.一方,[IRG]の上昇は,肝実質機能障害の程度と相関しており,肝でのグルカゴンの不活化低下が関与していることを示唆する成績を得た.
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山田 龍作, 中塚 春樹, 中村 健治, 佐藤 守男, 伊丹 道真, 小林 伸行, 玉岡 紅一, 小田 淳郎, 水口 和夫, 小野山 靖人, ...
1981 年 78 巻 2 号 p.
214-221
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝細胞癌患者32例にarterial embolization therapyを施行し,術前後の血清酵素活性の変動を検討した.1) 32例中17例が生存中で最長2年3カ月である.2) 術後1年以上経過した14例中8例が1年以上生存し,同様に6ヵ月以上の生存は19例中12例であつた.3) 血清α-fetoprotein値の変動を追求しえた17例中15例が術後その著減を示した.4) 血清GOT, GPT, LDH,ビリルビン値は術直後に上昇したが一過性で,10日以内にほぼ術前値に復した.5) 血清ChE,アルブミン値は一過性に下降したが40日以内にほぼ術前値に戻つた.6)以上の成績から,肝細胞癌に対するembolizationは肝機能に及ぼす影響も軽度で一過性であり,優れた保存的療法と言える.
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鈴木 彰, 高橋 俊雄
1981 年 78 巻 2 号 p.
222-227
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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ハムスター50匹を無処置対照(I群),胆嚢切開(II群),胆嚢内にBeeswax pellet挿入(III群),およびMethylcholanthrene Beeswax pellet挿入(IV群)に分けて実験的胆嚢癌の誘発を行つた.41匹が術後5カ月間生存した.その結果,I,II群には癌発生例なく,III群で8%,IV群で55%に癌発生を認めた.組織型は,いずれも分化型の腺癌であつた.本法は操作が容易で,かつ短期間に高率な癌発生をみることから胆嚢癌の発生,或いは胆石症との関連性を研究する上で有用な実験モデルになりうると考えられる.
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屍体膵を用いての検討
田中 淳太郎, 重歳 誠, 河内 文子, 国近 啓三, 矢部 英幸, 武田 正彦, 小野 彰範, 山本 二平, 井久保 伊登子, 三島 邦基 ...
1981 年 78 巻 2 号 p.
228-237
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
13例の担癌屍体膵に逆行性膵管造影を行い,膵癌例における膵管レ線像と組織学的成り立ちの関係を検討した.
1) 主膵管レ線像をその所見により4型に分類した.原発例では閉塞型が,転移例では膵野型が多くみられた.
2) 異常主膵管像がみられたareaにおいて,その主膵管周囲の癌浸潤が存在した.しかし,レ線像から壁内浸潤の有無を推定することは困難であつた.
3) 限局したareaに,分枝像欠損,不整走行,圧排偏位などの異常分枝像が重複してみられる場合,その部位にほぼ100%癌浸潤を認めた.
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今村 浩一郎, 木村 寿成, 松本 雅裕, 若杉 英之, 井林 博
1981 年 78 巻 2 号 p.
238-245
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Trypsin Radioimmunoassay Kit(ミドリ十字社)の基礎的及び臨床的検討を行なつた.最小測定感度は4.0ng/mlで,健常者28名の値は29.6±16.6ng/ml(M±2SD)であつた.同一血清においてRIA-gnost Trypsin Kit(Hoechst社)による測定値と相関したが,y=3.69x+42.4と後者は高値を示した.また,血清elastase 1と有意な相関を示した.血清trypsinは急性膵炎全例,慢性膵炎20例中11例(55%),膵癌11例中4例(36%)で高値を,慢性膵炎7例(35%),膵癌4例(36%)で低値を示し,一次性糖尿病14例中1例で低下を認めた.膵疾患26例における異常率は血清amylaseの34.6%に対し血清trypsinは84.6%と高率であつた.本法は膵特異性があり膵疾患のscreening法として有用と考えられる.
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とくにamylase以外の酵素の測定の診断的意義について
衣笠 勝彦, 加嶋 敬, 稲田 安昭, 堀居 雄二, 森永 理, 瀧野 辰郎
1981 年 78 巻 2 号 p.
246-253
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
PS試験におけるamylase output, lipase output, trypsin outputおよびchymotrypsin outputを測定し,これらの膵酵素の分泌相関を検討するとともに,その酵素活性の感度および十二指腸吸引液中での安定性を比較することにより,PS試験におけるamylase以外の膵酵素を測定することの診断的意義について検討を加えた.pancreozymin刺激でtrypsin outputが他の酵素よりも優位となるが,総排出量では,4つの膵酵素はほぼ平行して分泌されており,膵外分泌機能障害時にも特別な分泌解離は認められなかつた.さらに,膵外分泌機能障害ではamylase outputが最も敏感に低下するだけでなく,試料中での酵素活性も最も安定していた.すなわち,PS試験で,特にamylase以外の酵素を測定する意義はない.
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神谷 利明, 朝倉 均, 森下 鉄夫, 宗像 良雄, 三浦 総一郎, 渡辺 守, 日比 紀文, 土屋 雅春, 松本 純夫
1981 年 78 巻 2 号 p.
254-259
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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武田 功, 中野 哲, 北村 公男, 綿引 元, 小沢 洋, 熊田 卓, 浜野 博次, 木下 平, 山口 晃弘, 蜂須賀 喜多男
1981 年 78 巻 2 号 p.
260-264
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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寺田 忠史, 中沼 安二, 林 守源, 太田 五六, 北川 正信
1981 年 78 巻 2 号 p.
265-270
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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井本 勉, 松本 秀敏, 平出 典, 福田 善弘, 足立 正彦, 佐野 萬瑳壽, 伊藤 憲一, 古本 勝, 前迫 直久, 武田 善樹, 京極 ...
1981 年 78 巻 2 号 p.
271-274
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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太田 慎一, 林田 憲正, 田川 一海, 鵜沼 直雄, 井上 善弘
1981 年 78 巻 2 号 p.
275
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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山本 晋一郎, 山下 佐知子, 大橋 勝彦, 平野 寛
1981 年 78 巻 2 号 p.
276
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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柏木 徹, 秋山 雅彦, 上島 弘嗣, 飯田 稔, 中村 允人, 児島 淳之介, 岡田 章, 鎌田 武信
1981 年 78 巻 2 号 p.
277
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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与芝 真, 堺 隆弘, 藤原 研司, 岡田 吉博, 戸田 剛太郎, 岡 博, 織田 敏次, 鈴木 宏
1981 年 78 巻 2 号 p.
278
発行日: 1981/02/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー