-
河島 輝明
1991 年 88 巻 5 号 p.
1161-1167
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃集団検診で十二指腸潰瘍または瘢痕と診断されたものを, 大阪府がん登録と照合することにより長期間追跡し, 追跡期間中の胃癌罹患をほぼもれなく把握して, 標準化罹患比(Standarized Incidence Ratio, SIR) を求めた. さらに比較のため, 胃集団検診で異常なしと判定されたものについても同様の作業を行つた. その結果, 十二指腸潰瘍または瘢痕と診断された群での胃癌罹患のリスクは, 異常なし群に比べて低い傾向があることが明らかになつた.
抄録全体を表示
-
林 直樹, 水本 明良, 伊藤 漸
1991 年 88 巻 5 号 p.
1168-1176
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
近年消化管内pHと空腹期消化管運動 (IMC) との関係が重要視されている. われわれはイヌを用いて胃運動と胃内pHを同時測定し, 1) 胃酸分泌動態と IMC との関連, および 2) 胃酸分泌を薬剤で調節した際のモチリン誘発性胃前庭部運動に対する影響を検討した. 結果, 空腹期の胃内pHは, IMCの各相と同期した周期的変動を繰り返していた. 又, 胃酸分泌亢進によりモチリン誘発性胃前庭部運動は抑制された. しかしシメチジンで酸分泌を抑制すると, 運動の大きさも伝播も正常化された. 以上より, 空腹期の胃酸分泌動態は胃のモチリンに対する感受性に影響し, 胃運動の調節に対して重要な役割を果たしていることが考えられた.
抄録全体を表示
-
竹村 清一, 小原 剛, 岡野 重幸, 横田 欽一, 浦 等, 斉藤 裕輔, 小池 裕二, 岡村 毅与志, 並木 正義
1991 年 88 巻 5 号 p.
1177-1183
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
大腸癌92例を対象にEGFR (上皮増殖因子受容体) の発現について免疫組織化学的に検討した. EGFR陽性率は15例 (16.3%) で全例が進行癌であつた. 肉眼型では浸潤型 (3•4型) が高率であつた. 腫瘍径では全例2.0cm以上に限られていたが, 大きさと陽性率の相関は認めなかつた. 占拠部位別•stage 別•リンパ節転移の有無•予後からみた陽性率との相関は認めなかつた. 組織型別では粘液癌の2/3が陽性であつたが, 分化度の違いによる陽性率の有意差は認めなかつた. EGF発現との関係をみるとEGFR陽性例は全てEGF陽性を示した. 以上より, 大腸癌におけるEGFR発現は, 腫瘍の増殖•進展における一因子でEGF-EGFR系が関与している可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
山室 渡, 佐伯 日出貴, 杉本 元信
1991 年 88 巻 5 号 p.
1184-1190
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ラット小腸粘膜上清の glutathione S-transferase (GST) アイソザイムの分布を近位•中位•遠位小腸にて検討した. 抗GST 1-1, 1-2, 3-4および7-7血清を用いた小腸上清の Western blot では, サブユニット1および7のみが明瞭な反応を示した. ELISA法による各GSTの定量では, GST 1-1は, 近位小腸では肝の約1/2の35.17nmol/g tissue と高濃度であつたが, 中位小腸ではその約1/2に, 遠位小腸では約1/20にまで減少した. GST 3-4は各部位ともに痕跡程度の濃度であつた. 一方, GST 7-7は, 近位小腸で58.76, 遠位小腸でも32.38nmol/g tissue, と全ての部位で最も高濃度で, 特に遠位側では今回検討したGSTの93%を占めた.
抄録全体を表示
-
感染性大腸炎, 虚血性大腸炎との比較を中心として
片倉 重弘
1991 年 88 巻 5 号 p.
1191-1199
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
短時間のホルマリン固定であれば使用可能なDR抗原のα鎖に対するモノクローナル抗体 (LN-3 Immuno Biological 社) を用いて, 潰瘍性大腸炎 (以下UC) 55例の886個, 感染性大腸炎19例の91個, 虚血性大腸炎15例の63個, 正常20例の63個の統計学的に充分な数の生検材料数での大腸上皮におけるDR抗原の発現率を比較した. UCでは感染性大腸炎, 虚血性大腸炎と比べ有意に高率のDR発現率を認めた. 一般にUC, 感染性大腸炎では炎症程度に伴つて発現率は高率であつた. また組織学的な炎症程度別の発現率においてもUCは全ての grade において感染性大腸炎に比べて有意に高率であつた.
抄録全体を表示
-
伊藤 博, 宮崎 勝, 宇田川 郁夫, 越川 尚男, 奥井 勝二
1991 年 88 巻 5 号 p.
1200-1207
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
閉塞性黄疸時の阻血•再灌流侵襲に対する肝細胞の脆弱性につきラットを用い基礎的検討を行つた. 肝組織血流量は黄疸期間の延長に伴い低下し, 肝組織内過酸化脂質値, ライソゾーム酵素 cathepsin Dの fragility index は黄疸期間の延長と共に増加した. これらより閉塞性黄疸肝における細胞膜障害, 及び lysosomal membrane の脆弱性の亢進が示された. 一方, 閉塞性黄疸作成後に部分肝阻血•解除を施行した際には, 正常肝に比し, 肝組織過酸化脂質はより強い上昇を示すと共に黄疸期間の延長した群で生存率の著明な低下を認め, さらに組織学的変化の上からも阻血•再灌流侵襲が閉塞性黄疸肝でより強い細胞障害を惹起することが示唆された.
抄録全体を表示
-
Coenzyme Q10投与の検討から
奥山 芳見, 新沢 陽英, 鵜飼 克明, 小野 和彦, 冨樫 整, 若林 博人, 山田 伸夫, 中村 東一郎, 高橋 恒男, 石川 誠
1991 年 88 巻 5 号 p.
1208-1215
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ラット部分肝切後の再生肝で. CoQ
10投与の有無による過酸化脂質 (LPO) と Cu, Zn-SODの経時的変化を検討した. Cu, Zn-SODは肝組織の生物学的活性と免疫組織学的局在により検討した. Cu, Zn-SODは正常では肝小葉にびまん性に存在するが, 小葉中心及び太い門脈周辺により局在が高かつた. 再生肝初期に肝組織LPOは増加し, Cu, Zn-SODの活性及び染色性は低下していた. 再生肝初期の肝細胞膜が変性していることが電顕観察により示され, 細胞膜の変性により再生肝初期に Cu. Zn-SODが細胞外に遊出する可能性が示唆された. CoQ
10は以上の諸現象を抑制することが示唆された.
抄録全体を表示
-
エンドトキシン血症と肝脂質過酸化の関与について
大内 清昭, 松原 修二, 武藤 大成, 松野 正紀
1991 年 88 巻 5 号 p.
1216-1220
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
閉塞性黄疸ラットに対し25分間2回肝流入血行を遮断し, 60%肝切除を施行した. 遮断解除3時間後においても肝 energy charge の回復は不良であり, 血中エンドトキシンは著明に増加した. 肝過酸化脂質は増加, 総グルタチオン, α-tocopherol 濃度は低下し, 黄疸1週群に比較して3週群での変化はより顕著であつた. 即ち, 肝血行遮断下での黄疸肝切除はエンドトキシン血症と活性酸素の生成による脂質過酸化の亢進を一因とする肝エネルギー代謝障害を招来し, 特に長期黄疸群で著明であつた. 一方, 肝血行遮断のみでは黄疸3週群に活性酸素の生成が示唆されたが, 過酸化脂質濃度に変化はなく肝エネルギー代謝障害の遷延化は認められなかつた.
抄録全体を表示
-
有馬 新哉
1991 年 88 巻 5 号 p.
1221-1230
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
膵頭十二指腸領域癌40例(乳頭部癌11例, 膵頭部癌12例, 下部胆管癌17例)における, Lewis(Le) 血液型物質関連抗原とシアリル Tn 抗原の発現状況をモノクローナル抗体を用い, 健常組織も含めて免疫組織学的に検討した. 十二指腸粘膜の杯細胞以外の部位ではほぼ陰性であるTKH-2 (抗シアリル Tn抗体)が, 3系統の癌においてかなりの陽性率を示したので, シアリル Tn 抗原はこの領域の癌の有力な腫瘍マーカーになりうると考えられた. また, Le
x, シアリルLe
x-i は, 従来言われていた膵癌よりも下部胆管癌のマーカーとしての有用性が示唆された. そして, 膵, 下部胆管癌におけるこれらの抗原の発現は糖転移酵素の活性の regulation の異常によるものと推察された.
抄録全体を表示
-
平岡 俊仁, 沖田 道子, 小金丸 茂喜, 岡田 宏, 曽根 慶久
1991 年 88 巻 5 号 p.
1231-1234
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
酒井 武則, 加藤 壽一, 浅田 耕造, 神山 俊彦, 吉田 良一, 水上 祐治, 谷口 嘉康, 太田 康幸
1991 年 88 巻 5 号 p.
1235-1239
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
山下 純子, 徳毛 宏則, 碓井 静照, 北台 靖彦, 小松 弘尚
1991 年 88 巻 5 号 p.
1240-1244
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
本邦報告例の検討
藤山 寛三, 勝田 猛, 中村 彰, 垣迫 健二, 前尾 征吾, 有田 毅, 林 逸郎
1991 年 88 巻 5 号 p.
1245-1249
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
道免 和文, 山野 裕二郎, 大森 房之, 長野 政則, 溝口 幹朗, 岩田 康, 石橋 大海
1991 年 88 巻 5 号 p.
1250-1255
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
内外34症例の検討
石井 秀始, 中山 隆雅, 檜山 義明
1991 年 88 巻 5 号 p.
1256-1263
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
船戸 崇史, 市橋 正嘉, 乾 博史, 多羅尾 信, 後藤 明彦, 平岡 哲也, 川森 俊人, 瀬古 章, 天野 和雄
1991 年 88 巻 5 号 p.
1264-1268
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
山科 哲朗, 竹内 秀一, 川西 譲児, 秋山 真一郎, 鎌田 剛, 新津 洋司郎
1991 年 88 巻 5 号 p.
1269-1274
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
石田 久人, 武井 伸之, 舩渡 英理, 宮原 健夫, 額賀 春彦, 横井 正人, 佐藤 壽志子, 比佐 哲哉, 吉益 均, 櫻林 忍, 斎 ...
1991 年 88 巻 5 号 p.
1275-1279
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー