日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
71 巻, 4 号
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  • 竹林 淳, 鎌谷 正博
    1974 年 71 巻 4 号 p. 305-315
    発行日: 1974/04/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    実験的腹水犬に対し甲状腺全剔出を行なうと著明な利尿とともに腹水の消退を招くことを知つた.しかしながら甲剔の予防的切除効果はまつたくなく, 同様に下垂体の予防的切除も無効であつた.
    腹水貯溜時aldosteroneとantidiuretic activityの著しい増加がみられるが, 甲剔を行なうと正常値に復帰するものが多く, 特にこの際のdiuretic activityがみられることは興味深い.
    甲剔による利尿作用は下垂体存在下においてはじめてその効果を発揮することから, 間脳下垂体特に前葉を中心としてhormonalな因子の分泌が想定される.腹水貯溜時甲状腺はこの因子の分泌に制御をかけているもののごとくで, 甲剔により制動が除去されることによつて利尿がもたられるものと考えられる.
    なお臨床例でも甲剔により一時的にせよ顕著な利尿と腹水の消失をみた.
  • 小川 小夜
    1974 年 71 巻 4 号 p. 316-327
    発行日: 1974/04/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    血中アミラーゼ濃度と肝機能ことに胆汁排泄との関連を追求した.
    ラットの胆汁中にアミラーゼが排泄されることを証明した.
    デヒドロコール酸による胆汁流量増加時には濃度の低下があり, 胆汁中排泄量は不変であつた.ブタ膵アミラーゼ静注および膵傷害により血中濃度の上昇とともに胆汁中排泄量が増加し, 特に膵傷害時には血中濃度と胆汁中排泄量との間に正の相関を認めた.腎摘出により静注したアミラーゼの血中よりの消失が遅延し, 胆汁中排泄量の増加をみた.以上の実験を通じて, 肝機能が正常の場合には血中濃度の上昇に伴い胆汁中排泄量は有意に増加することが示された.
    一方, 四塩化炭素による慢性肝傷害時には血中濃度の上昇をみたが, 胆汁流量が減少するので, 排泄量には有意の増加はみられなかつた.
    なお, 胆管結紮時には静注したアミラーゼの血中よりの消失が遅延し, 血中濃度の調節に対する胆汁排泄の関与を認めえた.
  • Histalog刺激後の壁細胞変化
    斎藤 裕
    1974 年 71 巻 4 号 p. 328-345
    発行日: 1974/04/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    胃分泌細胞の形態と機能との関連性を識る自的で, 内視鏡的正常胃5例, 高度萎縮性胃炎4例を対象とし, Histalog刺激前・後の胃体中部大弯局所の腺体部壁細胞の微細構造変化について比較検討した.形態変化は主として基底面・接触面・糸粒体・GOlgi装置・核・小胞様構造・細胞内分泌細管・Microvilli等にみられ, 正常胃例では刺激10分後に, 高度萎縮性胃炎例ではとくにLysosome.Vacuole Containing Bodyの動きが注目され20分後に顕著であつた.しかもこれらの各種形態変化は高度萎縮性胃炎例でより広範であり, かつ, 両例の間の機能的な差とよく相関していた.壁細胞のHCl分泌は主としてEccrine分泌により, 一部はMicro-apocrine分泌形式によるものと考えられた.
  • 特に血液凝固面よりの検討
    上原 総一郎, 平山 亮夫, 泉山 滋, 板垣 裕司, 佐藤 竜雄, 三橋 英夫
    1974 年 71 巻 4 号 p. 346-354
    発行日: 1974/04/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    われわれは膵炎について凝血学的立場から検討を加えてきたが, それによると膵炎ではその病態の基本に凝固亢進状態が存在し, その急性期ではブイブリン体分解産物の高値が認められた.これから膵炎における病態生理の上で血管内血液凝固過程の存在を想定し得ることをのべてきた.
    最近, われわれは膵炎の急性期に相当する時期で, 肺硬塞を始めとする多彩な血栓形成と思われる症状を呈した例につき凝血学的検討を加え, 上記の考えのもとに抗凝固療法を施行し著効を得たことを報告する.
  • 第2報アルコール摂取量と血清γ-glutamyltranspeptidaseとの関係
    武藤 泰敏, 四童子 好広, 荒井 三允, 板倉 紀代子, 板倉 弘重
    1974 年 71 巻 4 号 p. 355-366
    発行日: 1974/04/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    アルコール性肝障害のprestageを知る上で血清γ-GTP活性測定の有用性を検討した.まず, アルコール摂取量に重点をおき, 平均1日アルコール摂取量 (ADAI) と総アルコール摂取量 (TAI) との2つの指標をとりあげた.商社男子社員319名を対象とすると, とくに中高年令層において, TAIと血清γ-GTP値との間に有意の相関がみとめられた (r=0.486, P<0.001).血清GOT, GPTが正常でγ-GTPのみ異常を示す持続的高γ-GTP血症についてその臨床像をのべるとともに, これらの症例において, 血清γ-GTP活性は禁酒によつて速やかに正常化することを知つた.従つてアルコール摂取と血清γ-GTPとは密接に関係しており, アルコール性肝障害の早期発見, 予防の上で鋭敏なしかも重要な指標になるものと考えた.
  • 1974 年 71 巻 4 号 p. 367-378
    発行日: 1974/04/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1974 年 71 巻 4 号 p. 378-409
    発行日: 1974/04/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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