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徳永 紀子, 板場 壮一, 中村 和彦, 山田 真梨子, 岡本 梨沙, 麻生 暁, 五十嵐 久人, 秋穂 裕唯, 伊藤 鉄英, 高柳 涼一, ...
2012 年 109 巻 8 号 p.
1360-1366
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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症例は70歳,男性.下部食道に0-IIc病変を指摘され,ESDを施行した.病理診断では食道小細胞型内分泌細胞癌をともなった扁平上皮癌が粘膜下層に浸潤していた.術後に放射線化学療法を開始したが,骨髄抑制のため中止となった.ESDから5カ月後のEUSで胃噴門部小弯側のリンパ節の腫大を認め,EUS-FNAの結果,小細胞癌リンパ節転移と診断.VP-16による化学療法を行ったが,ESDから22カ月後,死亡した.
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中嶋 隆彦, 飯原 久仁子, 福島 純一, 常山 幸一, 齋藤 聖子, 杉山 敏郎, 堀内 啓
2012 年 109 巻 8 号 p.
1367-1371
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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小網原発を模倣した胃GISTの1例.術中所見では腫瘍は胃と非連続性に小網内に局在した.組織学的に,腫瘍胃側の切除断端部のみに胃固有筋層の一部と考えられる平滑筋組織を認めた.過度の壁外発育の結果,基部のみに胃固有筋層を残す胃GISTと診断した.腫瘍の方向性を把握した上で適切な病理組織学的検索を行わなければ胃原発とは診断しえなかった可能性がある.GISTは腫瘍の局在のみで消化管外原発としてはならない.
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小林 知樹, 桑井 寿雄, 山本 宗平, 木村 治紀, 柾木 慶一, 平田 真由子, 山口 厚, 河野 博孝, 高野 弘嗣
2012 年 109 巻 8 号 p.
1372-1378
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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症例は69歳,男性.主訴は全身倦怠感,右側腹部痛.精査にて進行胃癌,多発肝転移,リンパ節転移と診断した.化学療法(S-1+CDDP併用療法)開始後第3病日にLDH高値に加え,高カリウム血症,高尿酸血症,腎機能障害を認め,腫瘍崩壊症候群と診断した.腫瘍崩壊症候群は致命的となりうる重篤な合併症であり,固形癌でも腫瘍量が多いなどのリスクのある例では発症の可能性を認識して治療を行うことが肝要と考えられた.
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木下 秘我, 衣笠 章一, 常見 幸三, 田代 敬
2012 年 109 巻 8 号 p.
1379-1385
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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症例はvon Recklinghausen病を有する48歳,女性.十二指腸乳頭部のカルチノイドに対し,膵頭十二指腸切除術を施行した.手術時に肝S3に直径1cm大の腫瘍が存在し核出したところ,カルチノイドの転移の診断であった.また肝転移以外にリンパ節にも転移を認めた.von Recklinghausen病は悪性腫瘍の合併頻度が高く,まれではあるが十二指腸カルチノイド合併の可能性も考慮する必要がある.
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青木 貴哉, 片岡 幹統, 曽 義家, 内藤 咲貴子, 竹内 眞美, 辻 雄一郎, 原田 明日香, 杉本 弥子, 羽山 弥毅, 山本 圭, ...
2012 年 109 巻 8 号 p.
1386-1393
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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症例は60歳,男性.脳外科疾患術後に偽膜性腸炎を発症した.塩酸バンコマイシン(VCM)経口投与では改善乏しく,麻痺性イレウスと中毒性巨大結腸症を併発した.イレウス管からのVCM投与と内視鏡による洗浄,VCM撒布,そしてVCM注腸を繰り返したところ軽快した.偽膜性腸炎は,麻痺性イレウスや中毒性巨大結腸症を併発すると予後不良とされているが,それらを併発しながらも,内科的治療により軽快した1例を経験した.
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名和田 義高, 濱田 晃市, 田島 浩子, 西野 徳之, 中澤 敏弘, 十林 賢児, 斎藤 聡
2012 年 109 巻 8 号 p.
1394-1400
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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症例は84歳女性.1998年よりC型肝硬変でフォローしていた.2008年に心房細動・脳梗塞を発症しワルファリンカリウムの投与を開始したが,2011年2月に食道静脈瘤破裂で入院した際に,門脈血栓を認めた.ダナパロイドナトリウムを14日間投与し門脈血栓は消失した.ワルファリンカリウム投与中に門脈血栓症が新たに出現し,さらにこの血栓がダナパロイドナトリウムで消失した点より貴重な症例と考え,報告した.
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香川 幸一, 川上 由育, 本田 洋士, 中原 隆志, 田中 未央, 苗代 典昭, 宮木 大輔, 長沖 祐子, 河岡 友和, 高木 慎太郎, ...
2012 年 109 巻 8 号 p.
1401-1408
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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症例は30歳男性でHBVキャリア.stage IIIの肝細胞癌に対し手術施行.術後8年目のPET-CTにて右肺に淡い集積を認め原発性肺癌が疑われ当院紹介,肺切除の結果肝細胞癌の転移であった.その後脳転移を認め手術および放射線療法を施行.さらに肺門リンパ節転移を認め放射線療法併用S-1/CDDP全身化学療法を行い腫瘍は著明に縮小した.集学的治療が奏効し,現在治療中止し6カ月経過するも再発を認めていない.
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平松 慎介, 根引 浩子, 上野 綾子, 丸山 紘嗣, 末包 剛久, 山崎 智朗, 佐々木 英二, 佐野 弘治, 佐藤 博之
2012 年 109 巻 8 号 p.
1409-1418
発行日: 2012年
公開日: 2012/08/06
ジャーナル
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73歳男性.2008年6月にS状結腸癌と直腸癌に対して手術を施行した.2010年4月のCTで膵に腫瘤はなく,10月のCTで膵頭部と膵尾部に径3cm大の腫瘤が出現し,FDG-PETで腫瘤にのみ高集積を認めた.内視鏡的逆行性膵管造影では膵管狭細像を認めなかった.短期間で急速に増大し多発しており,大腸癌の膵転移,膵癌,悪性リンパ腫などを考え膵尾部切除を施行した.術後病理所見より自己免疫性膵炎と診断した.
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