日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
114 巻 , 11 号
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総説
  • 中村 昌太郎, 松本 主之
    2017 年 114 巻 11 号 p. 1933-1938
    発行日: 2017/11/05
    公開日: 2017/11/05
    ジャーナル フリー

    消化管リンパ腫の診療に関する最近の知見を概説した.本邦の多施設追跡試験により,H. pylori除菌後の胃MALTリンパ腫の良好な長期予後が確認された(10年後全生存率95%,無イベント生存率86%).一方,H. pylori除菌療法は,H. pylori陰性MALTリンパ腫や胃diffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)の一部にも有効である.最近,欧州で再燃/難治性MALTリンパ腫に対する高用量クラリスロマイシン単剤療法の有効性が報告され,本邦では,H. pylori陰性・除菌抵抗性消化管MALTリンパ腫を対象とした,同プロトコールによる多施設臨床試験が進行している.

今月のテーマ:消化管悪性リンパ腫の診断と治療
  • 大島 孝一, 柳田 恵理子, 武藤 礼治
    2017 年 114 巻 11 号 p. 1939-1947
    発行日: 2017/11/05
    公開日: 2017/11/05
    ジャーナル フリー

    消化管原発悪性リンパ腫は,節外性リンパ腫の最も多くを占め,その大半が非ホジキンリンパ腫で,ホジキンリンパ腫は非常にまれである.また,消化管悪性腫瘍の約1~2%が悪性リンパ腫とされていて,節外リンパ腫の30~40%を占める重要な疾患である.臓器別では胃が最も多く,次いで小腸,大腸の順で,食道のものはまれである.組織型としては,MALTリンパ腫,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫が多い.また,濾胞性リンパ腫が認識されるようになり,増加している.最近,比較的予後のよい低悪性度消化管T細胞性リンパ増殖症や,リンパ腫様胃腸症/NK細胞性腸管症が認識されている.

  • 小野 尚子, 小野 雄司, 坂本 直哉
    2017 年 114 巻 11 号 p. 1948-1956
    発行日: 2017/11/05
    公開日: 2017/11/05
    ジャーナル フリー

    胃は節外性非ホジキンリンパ腫の好発部位で,節外性粘膜関連リンパ組織辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)がその組織型のほとんどを占める.肉眼型はMALTリンパ腫では表層型が多く,DLBCLでは2型進行癌や決壊した粘膜下腫瘍様の腫瘤を形成することが多い.限局期のMALTリンパ腫の治療はHelicobacter pyloriH. pylori)感染の有無にかかわらず除菌治療が第一選択で,DLBCLでは(放射線併用)化学療法が推奨される.また,胃には全身性消化管リンパ腫の浸潤もしばしばおこり,肉眼像からの鑑別は必ずしも容易ではない.

  • 岡田 裕之, 田中 健大, 吉野 正
    2017 年 114 巻 11 号 p. 1957-1967
    発行日: 2017/11/05
    公開日: 2017/11/05
    ジャーナル フリー

    腸管リンパ腫の大部分はB細胞性であり,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の頻度が高い.組織型によってある程度特徴的な肉眼型を呈する.治療の基本はRituximab併用多剤化学療法であるが,MALTリンパ腫の限局期例にはH. pylori除菌薬投与での寛解例も散見される.濾胞性リンパ腫は緩徐に進行するためwatch and waitも選択肢となりうる.マントル細胞リンパ腫は進行例で発見されることが多く,さらに強力な化学療法が必要である.T/NK細胞性リンパ腫の頻度は低く,治療抵抗性で予後不良例が多い.造血幹細胞移植の適切な導入や新規治療薬の活用も含めた治療法の確立が必要である.

原著
症例報告
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