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好中球の役割
岩井 彰, 伊藤 誠, 横山 善文, 安江 直二, 川合 孝, 松葉 周三, 岡山 直司, 石川 進, 加藤 直也, 武内 俊彦, 仙道 富 ...
1991 年 88 巻 2 号 p.
117-124
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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虚血再輸血 (ischemia-reinfusion, I-R) 胃粘膜障害における好中球の役割について好中球抗体を用いて検討した. 好中球抗体の腹腔内投与で好中球を減少させた群では胃I-R障害は肉眼的にも組織学的にも有意に抑制された. 好中球のフリーラジカル産生の指標である chemiluminescence (CL) 値は好中球抗体投与で門脈および腹部大動脈血のいずれにおいても著明に抑制された. しかし, 好中球1個あたりの CL activity は好中球抗体の投与により有意な変動を示さず, したがつて, 循環血中のCL値の低下は好中球数の絶対的減少にともなうものとみなされた. 以上より, 胃粘膜のI-R障害には好中球の産生するフリーラジカルが重要な役割を果していると考えられた.
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角田 明良, 渋沢 三喜, 吉沢 太人, 保田 尚邦, 築野 和男, 小池 正, 竹田 稔
1991 年 88 巻 2 号 p.
125-130
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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The objective of this study was to assess, in a controlled experimental system, whether the concentrations of polyamines (Pa) in urine or erythrocytes increase during the process of colon carcinogenesis in rats, and whether such changes reflect tumor volume. Colon carcinoma was induced in Sprague-Dawley rats by subcutaneous injection of 1, -2 dimethylhydrazine (DMH). 24-hour urine and blood samples were collected and analysed for their Pa concent, with highpressure liquid chromatographic method. The levels of any Pa derivatives in either urine or erythrocytes at 32 weeks after the administration of DMH were not significantly high compared with the control group at the same week. However, certain increases of Pa in erythrocytes were observed in the levels of putrescine (1.3 times), spermidine (1.3 times), and spermine (1.5 times) respectively compared with the control group and there were high positive correlations between tumor volume and the levels of each Pa derivatives. On the ground of the results, Pa in erythrocytes seems to be the sensitive parameter for tumor volume compared with Pa in urine.
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鶴谷 孝, 畑耕 治郎, 早川 晃史, 青柳 豊, 上村 朝輝, 朝倉 均, 石原 清, 本田 一典, 豊島 宗厚, 曽我 憲二, 柴崎 浩 ...
1991 年 88 巻 2 号 p.
131-137
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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各種肝疾患における血中抗 calmodulin (CaM) 抗体をELISA法にて測定した. CaM はウシ大脳より抽出精製しSDS-PAGE, Western Blot 法にて純度, 抗原特異性を確認した. IgM 型抗体は自己免疫性肝炎 (AIH), 肝硬変 (LC) および急性ウイルス肝炎 (AVH), IgG 型抗体はLC, AIHで各々高頻度に陽性であつた. またルボイド肝炎では3例全例が陽性, 逆に薬剤起因性肝内胆汁うつ滞症では5例全例が陰性であつた. AVH群での IgM 型抗体陽性率は, A型70.0%, B型33.3%, 非A非B型33.3%であり, また急性期66.7%, 回復期33.3%で発症後26日目に最高力価を示した. 劇症肝炎群はAVH群より抗体価が高く, CAH例ではGPTの上昇1~2ヵ月後に力価も増加した. 以上から抗 CaM 抗体の出現機序として肝細胞 CaM の暴露, 免疫応答の異常による自己抗原との反応等が想定された.
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免疫組織学的検討から
田中 裕子
1991 年 88 巻 2 号 p.
138-144
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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肝細胞癌における Epidermal growth factor receptor (EGFR) の発現を免疫組織学的に検討した. EGFRは肝細胞癌手術症例17例中7例に陽性で, 癌細胞膜に染色された. EGFR陽性例と陰性例とを比較した結果, 腫瘍径, AFP値, 肉眼分類, 組織異型度分類, 被膜浸潤の有無, 脈管浸潤の有無については有意差が認められなかつた. しかしEGFR陽性例はDNA polymerase α (DPA) 陽性細胞率が高い傾向にあり, また術後早期に再発を認めた症例が多かつた. 以上の成績から肝細胞癌の増殖過程にEGFRの過剰発現が関与している可能性が示唆された.
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奇静脈カテーテルを用いた検討
木村 達, 森安 史典, 川崎 俊彦, 染田 仁, 梶村 幸三, 山下 幸孝, 玉田 尚, 小野 成樹, 濱戸 教行, 大熊 稔
1991 年 88 巻 2 号 p.
145-152
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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慢性肝疾患患者33例 (肝硬変25例, 慢性肝炎4例, 特発性門脈圧亢進症4例) および対照例16例において continuous thermodilution method を用いた奇静脈血流量と同時採血による奇静脈血酸素分圧を測定し, 全身, 肝血行動態との関係を含めて, その意義を検討した. 奇静脈血流量は慢性肝疾患患者において増加し, その値は門脈圧と相関した. 奇静脈血流の心拍出量との比は対照群3.4%, 肝硬変群6.3%, 特発性門脈圧亢進症5.1%であり, 肝硬変患者では奇静脈血流の約1/2が短絡路血流由来であると考えられた. 奇静脈血酸素分圧は門脈圧亢進症, 特に特発性門脈圧亢進症において上昇し, 門脈系, とりわけ脾静脈の血流を反映していることが示唆された.
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血清PIIIP値との比較検討
松田 博人
1991 年 88 巻 2 号 p.
153-161
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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各種肝疾患の血清ラミニンとプロコラーゲンタイプIIIN末端ペプチド (PIIIP) 値を測定し, さらに肝動脈塞栓療法 (TAE) 前後での両者の変動について検討した. ラミニン, PIIIP共に肝硬変, 肝癌合併肝硬変, 慢性活動性肝炎にて高値を示し, 肝硬変, 肝癌合併肝硬変では両者間に相関を認めた. しかし, 急性肝炎ではラミニン値の上昇を認めなかつた. ラミニン, PIIIP共に肝癌発生を示唆する腫瘍マーカーとなり得ないが, TAE前後の検討にて, 有効例と無効例で, その変動パターンが異なり, TAEの効果判定上, 有用な指標となることが示唆された. またラミニンは, PIIIPと異なる変動を示し, 肝癌における上昇機序が異なることが示唆された.
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松本 由朗, 須田 耕一, 藤井 秀樹, 松田 政徳, 三浦 和夫, 飯塚 秀彦, 野口 明宏, 両角 敦郎, 池田 昌弘, 藤野 雅之
1991 年 88 巻 2 号 p.
162-169
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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Oddi 括約筋が合流異常症例の臨床像に果たす役割を検索した. 膵•胆管合流異常120例について, 直接胆道造影の所見から, 括約筋作用が胆管と膵管の合流部に及ぶ83例と及ばない37例に分類し, 共通の導管の長さ, 先天性総胆管拡張症併存の有無とその種類, 胆石症および胆道癌併存の有無と胆石の局在ならびに癌の原発部位, 臨床症状発現の有無とその種類について検索した.その結果括約筋作用が合流部に及ぶ症例は共通の導管の長さが, 1.5cm以下の場合であり, 1.5cmを超えると括約筋作用は合流部に及ばない症例が大部分であつた. しかし括約筋作用の範囲と臨床症状の有無とその種類, 併存病変の有無とその種類, 局在および原発部位との間には相関は見出せなかつた. したがつて合流異常症例において, 括約筋作用が合流部に及ぶか否かは臨床上特に意味を持つものではないことが明かとなつた.
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シアリルSSEA-1抗原との比較
高井 康博, 今井 浩三, 伴 紀宏, 遠藤 高夫, 中田 雅之, 佐藤 之彦, 杉山 敏郎, 東出 俊之, 辻崎 正幸, 星 秀樹, 日野 ...
1991 年 88 巻 2 号 p.
170-174
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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膵癌および慢性膵炎患者の血清について, 我々が確立したモノクローナル抗体を用いて腺癌関連抗原MUSE11を測定すると同時に, シアリルSSEA-1抗原 (以下SLX) を測定し, 比較検討を行つた. MUSE11抗原においては, 膵癌患者血清26例中17例 (65%) に陽性を認め, 慢性膵炎患者13例中1例(8%)に陽性を認めた. SLXに関しても類似した成績が認められたが, 両者に相関は認められず, 膵癌患者中, MUSE11抗原陰性の9例中3例はSLX陽性を示し, またSLX陰性を示した13例中7例はMUSE11抗原陽性を示した. さらに, 両者のいずれかが陽性を示す例は26例中20例 (77%) に認められ, 膵癌の補助診断に有用と思われた.
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所 義治, 古川 敬芳, 谷口 徹志, 高橋 敏信, 原 壮
1991 年 88 巻 2 号 p.
175-179
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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串上 元彦, 池田 好秀, 高尾 敏彦, 横山 申彦, 池田 栄夫, 西岡 新吾, 矢高 勲
1991 年 88 巻 2 号 p.
180-184
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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坂井 隆夫, 三宅 和彦, 倉田 道夫, 西沢 一晃, 荘司 貞志, 伊藤 善志通, 滝川 一, 山中 正己, 加藤 厚郎
1991 年 88 巻 2 号 p.
185-189
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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報告例22例の文献的考察を加えて
久保 善嗣, 河村 奨, 有山 重美, 篠山 哲郎, 田辺 満彦, 河野 裕, 吉見 公三郎, 竹本 忠良, 沖田 極
1991 年 88 巻 2 号 p.
190-195
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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平松 直樹, 内藤 雅文, 澤岡 均, 金邦 源, 東 正祥, 松田 裕之, 藤田 峻作, 満谷 夏樹, 小泉 岳夫, 小林 晏, 山口 時 ...
1991 年 88 巻 2 号 p.
196-200
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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高橋 淳, 岩崎 正彦
1991 年 88 巻 2 号 p.
201-204
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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瀬尾 伸夫, 石山 秀一, 布施 明, 吉村 信幸, 安達 和仁, 塚本 長
1991 年 88 巻 2 号 p.
205-208
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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遠肝性脾腎静脈短絡による反復性肝性脳症例に対し, 脳症治療の目的でPTPの手技を応用して, 短絡路よりも肝側の脾静脈塞栓術を行つた. 門脈圧は塞栓前の23cmH
2Oから塞栓後には32cmH
2Oに上昇したが, 全身循環動態には変動はなく, 腹水などの合併症もみられなかつた. 術後の造影では, 上腸間膜静脈血流は肝へ, 脾静脈血流は短絡路を経由して大循環に流れ, 遠位脾腎静脈短絡術後と類似の門脈血行動態とすることができた. 報告されている手術的な短絡路閉鎖術に比べ, 侵襲も小さく, 今後選択されるべき治療法と考えられた. また, 短絡路を閉鎖する場合に比較して, 短絡路を温存して脾動脈を塞栓することで, 短胃静脈系の減圧ができ, 門脈圧に与える影響も少なく, 本病態を考えた場合, より優れた方法であると考えられた.
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太田 正治, 石井 靖隆, 高見 史朗, 西田 博, 林 邦雄, 金谷 哲郎, 傍島 淳子, 奥田 宗久, 島本 和彦, 香川 恵造, 岡上 ...
1991 年 88 巻 2 号 p.
209-212
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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足立 経一, 宇野 弘二, 三上 昌之, 小林 博夫, 服部 修三, 大谷 満, 福本 四郎, 島田 宜浩
1991 年 88 巻 2 号 p.
213-216
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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田口 恭仁子, 斎藤 清二, 安藤 隆夫, 西村 信行, 山崎 国男, 元尾 南洋, 渡辺 明治
1991 年 88 巻 2 号 p.
217-221
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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目黒 敬義, 小泉 勝, 下瀬川 徹, 岩崎 隆雄, 豊田 隆謙, 小針 雅男, 松野 正紀
1991 年 88 巻 2 号 p.
222-225
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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内田 尚仁, 中津 敏明, 平林 修子, 福間 博基, 西岡 幹夫
1991 年 88 巻 2 号 p.
226
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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