日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
110 巻 , 8 号
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特別寄稿
総説
  • 若井 俊文
    2013 年 110 巻 8 号 p. 1392-1399
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
    ゲノム薬理が進歩した現代においても胆嚢癌の治療に関して最も効率よく根治性が得られる治療手段は外科的切除である.胆嚢癌に対する外科的治療は進展範囲に応じた積極的な拡大手術が行われ,その結果,術後合併症の軽減,遠隔成績向上の両面で一定の成果をあげてきた.画像診断法が進歩向上してきたものの相変わらず進行した段階で診断されることが多いため,手術の安全性の向上や抗癌剤の進歩にもかかわらず予後の改善がいまだ難しい癌種の1つである.胆嚢癌の治療成績向上のためには局所進展範囲を正確に診断することや化学療法の治療反応性の評価により,個別的かつゲノム薬理的な胆嚢癌治療戦略が確立されていくことが期待される.
今月のテーマ:胆嚢癌の診断と治療
  • 菅野 敦, 正宗 淳, 林 洋毅, 海野 倫明, 下瀬川 徹
    2013 年 110 巻 8 号 p. 1400-1407
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
    胆嚢は壁構造の特異性から,癌が周囲臓器に浸潤しやすい.胆嚢癌の予後は,胆嚢周囲進展度とリンパ節転移に規定される.腹部超音波や超音波内視鏡は,胆嚢内腔を詳細に観察することが可能であり,胆嚢癌の壁深達度診断に有用である.ERCPは,肝十二指腸間膜浸潤の診断や胆汁細胞診に有用である.CTは,客観性のある画像を得ることができるため,胆嚢癌の進行度診断には必須である.MRIは拡散強調画像や肝細胞特異的造影剤の開発から,その有用性が増している.FDG-PETはリンパ節転移など遠隔転移の診断に有用である.各々の画像診断の特徴を理解し,組み合わせて総合的に胆嚢癌の進行度を診断することが重要である.
  • 遠藤 格, 松山 隆生, 森 隆太郎, 田中 邦哉
    2013 年 110 巻 8 号 p. 1408-1414
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌の治療成績は壁深達度に大きく依存する.pT1(m,mp)は外科的切除でほぼ救命できる癌であり,胆嚢管断端の癌遺残や術中の胆嚢穿孔による不用意な癌細胞の散布防止に最大の注意を払うべきである.pT2の約半数は良性疾患の術後標本で偶然発見され,二期的根治術が推奨される.肝切除範囲を拡大しても胆嚢床切除を越える成績は得られず,リンパ節郭清のための総胆管切除にも予後改善効果は乏しい.pT3/4ではR0切除であっても,長期生存の可能性は限定されているうえ高い在院死亡率が報告されているため手術適応は慎重に吟味すべきである.今後は集学的治療法の開発や予後良好因子の検索などによる個別化が必須と思われる.
  • 奥坂 拓志, 森実 千種, 池田 公史
    2013 年 110 巻 8 号 p. 1415-1427
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌は診断時にすでに切除不能であったり,切除可能であっても早期に再発する症例が多い.このような例に対しては,多くの場合化学療法が適応されてきたが,これまで十分な効果を有する治療は確立していなかった.最近,胆嚢癌を含む胆道癌切除不能例を対象にランダム化試験が実施され,ゲムシタビン+シスプラチン併用療法が延命効果を示したため,標準治療と考えられるようになっている.さらに有効な治療法の確立を目指して,分子標的治療薬などの新しい薬剤を用いた治療法の開発が進められており,また術後補助化学療法についても大規模な臨床試験が開始されており,今後の展開が注目されている.
原著
症例報告
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