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渡部 洋三, 近藤 慶一郎, 金沢 寛, 若林 厚夫, 津村 秀憲, 小島 一雄, 川島 利信, 工藤 猛, 滝本 隆治, 西崎 弘之, 城 ...
1981 年 78 巻 1 号 p.
1-8
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
われわれは,セクレチン皮内反応(エーザイセクレチン40単位を生食0.1mlに溶解し前腕皮内に注射)を十二指腸潰瘍24例;胃潰瘍2例,吻合部潰瘍4例および対照例8例に行い,皮内反応と胃内外分泌ならびに血清IgE値との相関について検討した.その結果十二指腸潰瘍症例は,セクレチン皮内反応陽性率および発赤の面積が胃潰瘍や対照例に比し有意の高値を示しており,十二指腸潰瘍発生の要因として,内因性セクレチンの免疫学的不活性化機序の存在が考えられた.またセクレチン皮内反応陽性例は,T-IGR, BAO, MAOともに皮内反応陰性例よりも高値を示し,セクレチンのlong feedback機構を介しての胃内外分泌抑制作用の障害が示唆された.
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斧山 英二
1981 年 78 巻 1 号 p.
9-19
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃潰瘍が胃活動に及ぼす影響を知るため,cinchophenによる実験的胃潰瘍をイヌにつくり,潰瘍形成前後における24時間の胃活動を,無麻酔,無拘束下で比較観察した.潰瘍の発生部位は胃角部と幽門近傍で胃運動のひずみの生じる部位であつた.潰瘍発生後の収縮曲線は空腹期パターンの違いから3型に分類された.また潰瘍発生後,対照でみられたBER(basic electric rhythm)間隔の日内リズムが変化し,24時間の経過が平坦化した.BERの伝導速度が潰瘍発生後遅延したことは,胃排泄遅延の一因と考えられた.筋層に達する深い潰瘍近傍の電極から導出されたBERの形態に変化がみられたことから,潰瘍近傍における縦走筋の興奮異常が示唆された.
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(第3報)HCIによる影響
荒川 哲男, 中村 肇, 蝶野 慎治, 山田 博明, 小林 絢三
1981 年 78 巻 1 号 p.
20-23
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
HCIによる胃粘膜刺激の胃粘膜prostaglandin E
2 (PGE
2)量に及ぼす影響を検討する目的で,ラットの胃内に0.25 NのHCIを投与し,15分後に胃粘膜PGE
2量を測定した.その結果,胃粘膜PGE
2量は,対照群(胃体部1.18±0.16μg/g,幽門部2.20±0.28μg/g)に比し,0.25N HCI投与群では高値を示した(それぞれ,2.16±0.66μg/gおよび4.19±0.84μg/g).さらに,0.6N HCI惹起性胃粘膜病変に対して,0.25N HCIで前処置した群では,対照群に比し病変の抑制が認められた(潰瘍係数;対照群65.6±14.4,0.25N HCI投与群22.0±4.2).
これらの結果より,mildなHCI刺激は胃粘膜PGE
2量を増加させることにより胃粘膜防御機能を高め,粘膜病変の発生を抑制すると考えられた.
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寺田 昭, 平松 紘一, 鎌田 武信, 阿部 裕
1981 年 78 巻 1 号 p.
24-30
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
炭酸ガスの水和あるいはその逆反応である炭酸の脱水の両反応を蝕媒する炭酸脱水酵素が人および犬の胃表層上皮内に存在することを,組織化学的(Hanssonのcobalt-phosphate法)に証明した.
人および犬において,本酵素は主に胃表層上皮内の胃内腔に面する部位に局在し,そめ酵素活性は胃壁細胞のそれと組織化学的にはほぼ同程度であった.
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とくに補体解離現象を中心に
菱谷 好高, 茂在 敏司, 加納 正
1981 年 78 巻 1 号 p.
31-38
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性肝疾患118例において補体系の異常を検討した.慢性肝疾患にみられる補体の低下は,(1) 補体の産生低下による場合(例えぼ肝硬変症での血清CH50, C3, C4の減少)と,(2) 補体の異化充進(immune complexによる活性化,消費)による場合とがあつた.また慢性肝疾患に特徴的にみられる血清と血漿の補体解離現象は後者の機序,すなわちcryoglobulinによる補体の活性化,消費によることを明らかにした.実際,補体解離現象を示した12例中11例にimmune complexと考えられるIgM+IgG型mixed cryoglobulinが証明された.また正常人血清に解離現象陽性例のcryoglobulinを添加したところCH50は激減したが,解離現象陰性例のcryoglobulin添加によつてはCH 50の減少をきたさなかつた.
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青木 泰然, 安藤 喬, 清島 満, 小木曽 和夫, 白木 硬, 藤岡 均, 本堂 克, 吉田 洋, 山田 昌夫, 武藤 泰敏, 高橋 善弥 ...
1981 年 78 巻 1 号 p.
39-46
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胆汁うつ滞症例にみられる異常リポ蛋白(Lp-X)をZonal centrifugationを用い細分画するとともに胆汁よりin vitroで形成されるLp-X類似リポ蛋白(Lp-Xs), Intralipid投与時に出現するLp-X類似リポ蛋白(Lp-Xi)と比較検討しLp-xの出現機序を考察した.
Zonal centrifugationを用いLp-Xを細分画するとLp-X
1, Lp-X
2の2つの亜分画に分かれた.その出現は病態により差が認められ肝外胆汁うつ滞では早期にはLp-X
2分画が出現し胆汁うつ滞の増強とともにLp-X
1分画の出現,増加がみられた.
これに対し肝内胆汁うつ滞ではLp-X
2,分画がはるかに優位であつた.
Lp-Xs, Lp-XiはZonal centrifugationによる分離ではLp-X
1分画のみに溶出された.
このことからLp-Xを構成するLp-X
1, Lp-X
2分画には異つた出現機序が存在することが示された.
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小坂 義種, 爲田 靱彦, 萩原 正芳, 高瀬 幸次郎, 藤本 昌雄, 村山 卓, 藤田 光次, 加藤 憲司, 田中 健二, 塚本 久和, ...
1981 年 78 巻 1 号 p.
47-55
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Halothane麻酔後に惹起された10例の急性肝不全例について,その臨床像を報告する.症例は22歳から65歳までの男子5例と女子5例である.Halothane麻酔の回数は,1回のものが3例,2回のものが6例,3回のものが1例であつたが,2回以上の麻酔例では,その間隔は9日から68日までの間であつた.麻酔回数と発熱,発黄との関係は,1回のものでは9~12日目に38°C以上の発熱がみられ,発黄は14~16日目であつた.2回以上のものでは,麻酔後1~2日目に全例38°C以上の発熱があり,発黄は2~10日目に出現した.肝組織像は死亡した6例は亜広範~広範壊死に陥り,生存した4例はいずれも巣状~帯状壊死程度の所見にすぎなかつた.
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木南 義男, 宮崎 逸夫, 杉井 衛, 村 俊成
1981 年 78 巻 1 号 p.
56-64
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
急性膵炎時にみられる膵内分泌障害の解明は,病態のみならず治療的観点においても重要な意義を有する.著者らはBlockの方法によるラットの実験的急性膵炎を用い,インスリンおよびグルカゴンを中心とした膵内分泌細胞の機能を検討した.膵組織内インスリンおよびグルカゴンは膵炎作製後に漸次低下した.Collagenase法による分離Langerhans氏島(以下,ラ島)の蛋白合成能は経時的に低下を示した.また,分離ラ島のインスリン分泌能は膵炎作製72時間目に,グルカゴン分泌能は6時間以後に低下を示し,β細胞障害とα細胞障害との間に時間的差を認めた.以上の所見は,急性膵炎時のラ島の機能障害を表わすとともに膵内分泌障害の治療に示唆を与えた.
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河合 公三, 有馬 暉勝, 洲脇 謹一郎, 長島 秀夫, 松本 緑郎, 大屋 崇
1981 年 78 巻 1 号 p.
65-70
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
正常膵の1例および機能低下膵の1例で純粋膵液中の蛋白,重炭酸塩,amylase, ribonuclease(RNase)およびimmunoreactive trypsin (IRT)を測定した.膵液は,secretin漸増投与時およびpancreozymin secretin(PS)試験時に膵外痩より採取された.膵外痩は膵頭部の1/3部分切除後に設置された.機能低下膵では,蛋白および3酵素濃度は低値であつた.機能低下膵での重炭酸塩および3酵素排泄量は,高単位のsecretin刺激にて軽度上昇したが,正常膵の1例に較べると低値であつた.正常膵,機能低下膵の各1例どちらにおいても,蛋白,amylase, IRTの間に軽度のパラレリズムを認めたが,残りの間には認められなかつた.
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稲田 安昭, 加嶋 敬, 衣笠 勝彦, 堀居 雄二, 森永 理, 瀧野 辰郎
1981 年 78 巻 1 号 p.
71-80
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
PFDは一般に中等度以上の膵外分泌機能障害で明らかに異常を示すが,膵疾患以外の疾患(n=55)でも24%に異常が認められ,特に腎機能障害および肝機能障害では,健常者に比べて有意に低値を示した.健常者でも70歳以上では明らかに低下した.一方,PFDにPABA吸収試験を併用し,その比(PFDIPABA)でみると健常群に比べて膵外分泌機能障害群だけが有意に低下し,他の疾患群では有意の差はなくなり,各年代においても有意の差は認めなくなつた.それゆえ,PFDにPABA吸収試験を併用することにより,膵外分泌機能障害以外の影響因子を除外できる.すなわち,PFDの膵外分泌機能検査としての特異性を高めることにより診断能を向上させることができる.
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金子 芳夫
1981 年 78 巻 1 号 p.
81-90
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
成犬を用いて胆汁逆流性膵炎を作成し,以下の結果を得た.実験Iでは脂肪乳剤併用高Cal輸液(IVHF)が,急性膵炎時に及ぼす脂質代謝,糖質代謝,蛋白質代謝および血清電解質を中心に調べた.IVHFはそのいつれにおいても効果的であつた.実験皿ではIVHFの血清トリプシン,ガストリン,アミラーゼに及ぼす影響を調べた.その結果,IVHFはトリプシン活性を抑制した.実験IIIではIVHFを膵動脈に直接注入し,その安全性を調べたが,危険ではなかつた.以上より,IVHFは急性膵炎の有力な治療手段となり得ることが実証された.
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森瀬 公友, 大舘 俊二, 林 伸行, 西川 久和, 加藤 義昭, 水野 直樹, 桑原 敏真, 石井 正大, 花輪 健郎
1981 年 78 巻 1 号 p.
91-95
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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本橋 豊, 武井 朗夫, 山田 昇司, 稲沢 正士, 西岡 利夫, 市川 邦男, 関口 利和, 小林 功, 小林 節雄
1981 年 78 巻 1 号 p.
96-100
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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押領司 行人, 赤木 公博, 村井 宏一郎, 渕上 忠彦, 尾前 照雄, 村上 学, 山中 正義
1981 年 78 巻 1 号 p.
101-105
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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木村 寿成, 李 源台, 今村 浩一郎, 三島 修一, 杉本 英克, 松本 雅裕, 井林 博, 麻生 宣則
1981 年 78 巻 1 号 p.
106-111
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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矢田貝 凱, 大沢 二郎, 滝 吉郎, 細谷 亮, 大塩 学而, 篠田 正昭
1981 年 78 巻 1 号 p.
112-115
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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近藤 孝晴, 早川 哲夫, 野田 愛司, 飯沼 幸雄, 奥村 信義, 榊原 啓, 成瀬 達, 片田 直幸
1981 年 78 巻 1 号 p.
116-120
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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久山 泰, 林 正孝, 玉城 信明, 別所 博子, 中村 理恵子, 宮坂 京子, 岡田 弘, 岡本 真郎, 桃井 宏直
1981 年 78 巻 1 号 p.
121
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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山本 晋一郎, 武元 良整, 山下 佐知子, 大橋 勝彦, 平野 寛
1981 年 78 巻 1 号 p.
122
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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小木曽 和夫, 寺倉 俊勝, 吉田 洋, 山田 昌夫, 安藤 喬, 武藤 泰敏, 高橋 善弥太
1981 年 78 巻 1 号 p.
123
発行日: 1981/01/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー