疫学的には, 飲酒と急性および慢性膵炎の間には強い因果関係が認められるが, 何故工タノールが膵障害をもたらすか, その機序については不明な点が多い. Flow-reflux説, Obstruction hypersecretion説, Toxic metabolic説などが唱えられてきた
1). 一方, アルコール性慢性膵炎は, このような機序により急性膵炎が繰り返して生ずるとするNecrosis-fibrosis説や小膵管内に蛋白栓が形成されることを病因とするDuctal-plug説などが提唱されている
2). この総説では, 工タノールによる膵障害の機序が現在どのように考えられているのか, また, 工タノールによる膵障害の個人差はなぜ生じるのかについてまとめた.
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