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黄疸及び cimetidine 投与の影響について
大橋 広文, 日野 輝夫, 土屋 十次, 伊藤 善朗, 野々村 修, 林 幸貴, 坂田 一記
1984 年 81 巻 4 号 p.
979-986
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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1) 拘束ストレス下, ラット胃嚢内の各電解質の net flux に黄疸と cimetidine 投与が与える影響を検討した. 2) 黄疸は各電解質の net flux に影響を与えなかつた. 3) cimetidine を投与した場合, 39.9%から65.3%のH
+分泌抑制がみられた. 4) 黄疸, cimetidine 投与の有無にかかわりなく, cations (H
+, Na
+, K
+) の net flux の合計と anion (Cl
-) の net flux の間には有意の経時的連関性が認められた. 5) これを Hollander's two component hypothesis に従つて展開すると, ラット胃嚢内電解質分泌においては, parietal の (cation-anion) output の値を nonparietal の (anion-cation) output の値にほぼ等しくする autoregulation の法則が働いているものと推定された.
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工藤 猛
1984 年 81 巻 4 号 p.
987-995
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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水素クリアランス法を用いて慢性的にラット胃粘膜下血流量を測定し, stress 潰瘍発生における自律神経ならびに catecholamines の影響を胃血流の面から検討した. stress 負荷後の胃血流量は50%減少するが, 外科的ならびに薬物的迷走神経切離および epinephrine (E)0.25μg/kg/minの持続注入により抑制され, 外科的交感神経切離 (S.Sp) および副腎摘出 (Ad) により増強された. しかしS.Sp群およびAd群で見られた著明な血流減少は, Eの持続投与により抑制された. 血流量と潰瘍係数の間には有意の負の相関関係が認められた. 以上の結果より, 交感神経-副腎系はE放出を介した胃血流量減少を抑制する事により, 潰瘍発生に防御的に作用する事がわかつた.
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三澤 正
1984 年 81 巻 4 号 p.
996-1004
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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Cholera 症における下痢の病態を解明する目的で cholera toxin (CT) 経口投与マウスにおける血中 cyclic nucleotides および各種消化管ホルモンの動態を検討した. CT経口投与マウスでは著明な腸内の液体貯留を認め, Htの上昇を示した. 血中c-AMP (Ht補正値) は有意の上昇を示したが, c-GMPには有意の変動を認めえなかつた. また血中 secretin, GIおよびVIPには有意の変動を認めなかつたが, gastrin は上昇傾向を認めた. 一方 gut GLI (enteroglucagon) および substance Pはいづれも有意の上昇を認めた. 血中 gastrin の上昇傾向は過剰分泌された腸液による胃内pHの上昇の結果であり, また gut GLIの上昇は下痢による二次的代償反応と推定される. 一方 substance Pは腸管 adenylate cyclase 刺激効果以外の機序を介して cholera の下痢発現に重要な役割を演じている可能性が示唆された.
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森川 俊洋
1984 年 81 巻 4 号 p.
1005-1011
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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アルコール性肝障害24例, 非アルコール性肝疾患14例を対象とし, 血漿遊離アミノ酸組成, 血漿 α-amino-
n-butyric acid (AANB), AANB/Leu 比, transferrin (Tf) の microheterogeneity について比較検討した. 血漿遊離アミノ酸のパターンにはアルコール性肝障害に特異的な変化はなく, 禁酒後にも明らかな変動はなかつた. AANBおよびAANB/Leu 比は禁酒後に下降するものが多かつたが, 両者とも高値を示す頻度は比較的低く, アルコール性と非アルコール性肝疾患でほぼ同率であつた. 一方, Tfの microheterogeneity はアルコール性肝障害で79%と高率に出現しており, 常習飲酒者の生化学的マーカーとしてはAANB/Leu 比よりもTfの microheterogeneity の方がより有用と思われた.
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荻野 昌昭, 沖田 極, 名和田 浩, 安永 満, 新開 泰司, 門 裕二, 小田 正隆, 江崎 隆郎, 松田 彰史, 安藤 啓次郎, 野田 ...
1984 年 81 巻 4 号 p.
1012-1018
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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正常ラット肝 cytosol 分画より, 新しい glutathione S-transferase の1分子種を精製した. 1-chloro-2, 4-dinitrobenzene, 1, 2-dichloro-4-nitrobenzene, bromosulfophthalein などの基質についての specific activity は, 従来より報告されているAA, A, B, C, E, ligandin などの分子種とは明らかに異つていた. SDSポリアクリルアミドスラブゲル電気泳動では, 最小分子量24,300を示し, 特異抗血清を用いた蛍光抗体法では, 肝発癌過程で上昇することが示唆された.
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鎌田 武信, 佐藤 信紘, 目連 晴哉, 井上 敦雄, 笠原 彰紀, 吉原 治正, 佐々木 裕, 林 紀夫, 房本 英之, 阿部 裕, 岸田 ...
1984 年 81 巻 4 号 p.
1019-1023
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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Lieber らの方法に準じて作成したラットの脂肪肝を用い肝組織PO
2, 肝局所血行動態を組織酸素電極, 臓器反射スペクトル法にて解析した. エタノール群の肝組織PO
2は7.1±2.9mmHgと対照群の16.6±8.8mmHgに比し有意に低く, 肝局所血液量はエタノール群で対照群の80.4%に低下していた. エタノール急性経口負荷により対照群では肝局所血液量は代償的に8.4%増加し, 肝組織PO
2は1.5~2倍に増加したが, エタノール群では肝局所血液量の増加は4.9%と少なく, 肝組織PO
2は一過性に低下した後上昇したがその程度は低かつた. 慢性エタノール投与ラットでは脂肪肝の段階で肝はすでに hypoxia に陥つており, エタノール急性経口負荷による肝血流の代償的増加は不充分であつた.
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隈本 俊男
1984 年 81 巻 4 号 p.
1024-1033
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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サスタジェンをテストミールとして併用したPFD (TM-PFD) が, 真に膵外分泌機能を反映しているか否かを検討する目的で, 動物実験を行つた.
PFD単独法で異常を示さなかつた70%膵切除ラットにて, TM-PFD法では有意に (p<0.001) sham ope. ラットに比べて低値を示し, 膵液を採取して検討した膵外分泌機能も有意の低下を認めた.
またPFD, TM-PFDと膵液中キモトリプシンとの間には, 良好な相関を認めた.
TM-PFDはPFDに比べて, より高感度に膵外分泌機能を反映しており, 臨床上有用と考えられた.
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栗本 組子
1984 年 81 巻 4 号 p.
1034-1043
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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膵管造影における分枝拡張像 (単純拡張, 不整拡張, 嚢胞状拡張) と組織像の対比, 検討を行い, 次の結果を得た.
1. 単純拡張群では拡張分枝に膵管上皮杯細胞増生と膵管壁弾力線維の断裂•消失を, ドレナージ小葉に腺房細胞の萎縮•消失と線維化及び小膵管集簇•増生を軽度に認め, 慢性膵炎のみならずその他の疾患もその原因となりうると考えられた 2. 不整拡張群では上述の所見の他に炎症性細胞浸潤及び拡張膵管壁周囲線維化, 脂肪置換を中等度以上に認め, 慢性膵炎の組織所見に一致していた 3. 嚢胞状拡張群では不整拡張群の所見に加えてプラッグ様物質を認め慢性膵炎の組織所見に一致していた 4. 膵管像読影において分枝の不整拡張と嚢胞状拡張は慢性膵炎の所見として注目すべきである.
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末広 逸夫, 大槻 眞, 岡 徹, 岡林 克典, 大木 篤, 神田 勤, 尤 芳才, 前田 光雄, 山崎 富生, 馬場 茂明
1984 年 81 巻 4 号 p.
1044-1049
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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膵疾患々者で, radioimmunoassay 法により測定した血清膵分泌性トリプシンインヒビター (pancreatic secretory trypsin inhibitor: PSTI) 値とアミラーゼ活性を比較した. 健常人25例の空腹時血清PSTI値は, 10.7±2.7ng/ml (mean±SD) であつたが, 急性膵炎患者は全て高値を示し (平均: 701.3± 473.4ng/ml), アミラーゼ活性が正常値レベルに低下後も高値が持続した. セクレチン刺激に対する血清酵素誘発陽性例では, 血清PSTI値もアミラーゼ活性と一致して上昇したが, アミラーゼ活性より早期に正常レベルにまで低下した. 従つて, 血清PSTI値は, 急性膵炎の重症度と一致すると考えられた. しかし, 慢性膵炎の血清PSTI値は, 健常人と差がなく, 膵外分泌機能不全の指標とはならなかつた.
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斎藤 達也, 建部 高明, 大山 公三
1984 年 81 巻 4 号 p.
1050-1061
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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われわれは慢性膵炎およびその疑診例 (計59例) に caerulein secretin test と endoscopic retrograde pancreatography (ERCP) を施行し, 膵外分泌機能と膵管像の関連性を検討した. 対象はERCPにおいて主膵管に中等度以上の不整拡張のあるA群 (n=15), 膵管分枝に限局した不整拡張のあるB群 (n=12), 正常膵管像のC群 (n=32) に大別された. 各分泌因子についてAまたはC群に対する sensitivity, C群に対する specificity, 全体の efficiency を求めると, bicarbonate output と volume の efficiency はもつとも高率 (83%) であり, また amylase, lipase, trypsin, chymotrypsin の efficiency は70~75%と同等であつた. bicarbonate output から個々の症例がA, B, C群のいずれかに属するかを推定すると, AおよびC群と推定した一致率はそれぞれ88%および80%であつたが, B群と推定した一致率は29%に過ぎず, 全体としては64%の一致率であつた.
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真武 弓子, 谷口 友章, 飯塚 文瑛, 屋代 庫人, 田辺 誠, 長谷川 かをり, 長廻 紘, 小幡 裕
1984 年 81 巻 4 号 p.
1062-1065
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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荒井 博義, 田中 昌宏, 酒井 秀朗, 木村 健, 阿久津 正之, 宮田 道夫, 金沢 暁太郎, 見元 弘一郎, 斉藤 建
1984 年 81 巻 4 号 p.
1066-1069
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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森田 雅範, 西原 利治, 中澤 慶彦, 宮尾 昌宏, 岡崎 和一, 大西 三朗, 山本 泰朗, 山本 泰猛, 伊藤 憲一
1984 年 81 巻 4 号 p.
1070-1075
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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楢崎 健次郎, 横田 昌樹, 船越 顕博, 三沢 正, 井林 博, 井上 孝利
1984 年 81 巻 4 号 p.
1076-1082
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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本田 孝也, 吉岡 政洋, 中村 正彦, 小林 研介, 石井 裕正, 土屋 雅春, 都築 俊治, 田代 征夫, 細田 泰弘, 加野 象次郎, ...
1984 年 81 巻 4 号 p.
1083-1088
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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半田 哲朗, 沖田 極, 松田 彰史, 小西 知己, 安永 満, 門 祐二, 名和田 浩, 荻野 昌昭, 新開 泰司, 福本 陽平, 竹本 ...
1984 年 81 巻 4 号 p.
1089-1093
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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堀池 重夫, 奥野 忠雄, 羽淵 義純, 片岡 慶正, 岡上 武, 瀧野 辰郎, 伏木 信次
1984 年 81 巻 4 号 p.
1094-1098
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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青池 晟, 本井 重博, 細川 友秀, 山口 希, 川井 啓市, 宮永 実, 木本 邦彦, 池内 秀夫
1984 年 81 巻 4 号 p.
1099
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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