日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
97 巻 , 8 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 松本 主之, 飯田 三雄
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1007-1016
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    遺伝性消化管ポリポーシスの遺伝子異常について概説した.家族性大腸腺腫症(FAP)はAPC遺伝子に起因することが確立されて以来,APC蛋白および関連蛋白の機能や,APC遺伝子変異とFAPの多彩な臨床徴候との関係が検討されている.また,APC遺伝子の同定により,本症の亜型であるattenuated FAPの存在も明らかとなった.一方,FAPとは独立した疾患と考えられてきたTurcot症候群は,APC遺伝子ないしミスマッチ修復遺伝子の変異に起因する2つの病態が含まれていることが示唆されている.過誤腫性ポリポーシスの遺伝子に関する研究は1995年以降に飛躍的に進歩し,Cowden病,Peutz-Jeghers症候群および若年性ポリポーシスの原因遺伝子として,PTEN,LKB1,SMAD4などが明らかとなっており,いずれの遺伝子も細胞増殖のシグナル系に関与する腫瘍抑制遺伝子として注目されている.
  • 馬場 正三
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1017-1024
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)は常染色体優性遺伝性疾患で大腸癌発癌ハイリスクの疾患である.1993年に原因遺伝子がミスマッチ修復遺伝子であることが明らかにされ,以後,現在までにhMSH2,hMLH1,hPMS1,hPMS2,hMSH6遺伝子の生殖細胞変異が証明されている.従来Amsterdam criteriaなど色々な診断基準により診断されてきたが,原因遺伝子が同定されたことにより色々新しい展開がみられる.本症に合併する腫瘍は高頻度にmicrosatellite instabilityをみとめ腫瘍の生物学的特性も異なるため日常臨床上問題となる.診断,サベイランス,治療,予防などの要点についてのべる.
  • 住吉 信一, 中村 俊文, 北川 陸生, 竹平 安則, 山田 正美, 岩岡 泰志, 木田 栄郎, 小澤 享史, 安見 和彦, 杉本 光繁, ...
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1025-1030
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    胃に穿破したアメーバ性肝膿瘍の1例を経験したので報告する.症例は49歳の男性で,発熱と腹痛を主訴に来院した.画像上,肝左葉に直径10cmの巨大膿瘍と多数の小膿瘍を認めた.経皮経肝的膿瘍ドレナージを施行し,チューブからの造影検査で胃前庭部前壁への穿破と診断した.上部消化管内視鏡検査では,穿破部位に巨大な潰瘍を形成し,生検でアメーバ虫体を検出した.metronidazoleとdehydroemetineによる治療を開始し,炎症所見は改善したが瘻孔閉鎖には至らず,胃部分切除術,肝左葉切除術を施行した.術後再発なく,外来で経過観察中である.
  • 白子 順子, 吉川 武志, 大西 隆哉, 中井 実, 浅野 寿夫, 川上 剛, 棚橋 忍, 亀谷 正明, 岡本 清尚
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1031-1037
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は発症当時60歳,女性.主訴は筋力低下にともなう歩行困難.1992年多発性筋炎と強皮症のoverlap症候群と診断された.プレドニゾロンによる治療で筋力低下などは改善されるも,1992年12月頃より腹部膨満感,嘔気,嘔吐が出現した.腹部単純X線検査にて,麻痺性イレウス,腸管嚢腫様気腫,気腹を認め,諸検査にてoverlap症候群の消化管合併症と診断した.在宅中心静脈栄養法などを含めた治療を行っていたが,患者は1997年4月に死亡した,剖検では,小腸は粘膜下層の結合織性硬化と固有筋の萎縮が主体で,腸管嚢腫様気腫も確認できた.
  • 志村 純一, 浮田 雄生, 井上 博和, 石黒 淳, 小川 聡, 佐藤 正弘, 前谷 容, 五十嵐 良典, 酒井 義浩
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1038-1042
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は66歳男性.多発性腎嚢胞による腎不全で血液透析が行われていた.全身倦怠感,胆道系酵素の上昇が出現し,入院した.内視鏡的逆行性膵胆管造影と胆管内超音波検査にて,左右肝管は多発性肝嚢胞による圧排,狭窄像を示した.右肝管に経鼻的胆管ドレナージ留置したところ,胆道系酵素は低下した.体外式超音波検査で経鼻的胆管ドレナージ・チューブ近傍に右肝管を圧排する肝嚢胞が存在したため,上記肝嚢胞に塩酸ミノサイクリンを注入した.治療後の経鼻的胆管ドレナージ造影で狭窄部は解除されていた.経鼻的胆管ドレナージ・チューブを抜去後も胆道系酵素の再上昇はなく,経過良好で退院した.多発性肝嚢胞による胆管圧排性狭窄を軽減しえた1例を経験したので報告した.
  • 田村 俊明, 鈴木 史朗, 大和 明子, 須藤 一郎, 原田 容治, 望月 衛
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1043-1047
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は39歳女性,皮膚黄染を主訴に入院となり肝機能障害とIgMHA抗体陽性を認め,急性A型肝炎と診断された.40日で軽快退院したが,退院後17日目に再度肝機能が増悪し再入院となった.抗核抗体陽性,高ガンマグロブリン血症を認め,肝生検では慢性活動性肝炎像を呈し自己免疫性肝炎と考えた.プレドニゾロン投与が著効し経過良好で現在も外来通院中である.急性A型肝炎を契機に診断した自己免疫性肝炎の報告例は少なく,我々は国際診断基準を含め自己免疫性肝炎の診断について若干の文献的考察を加え報告した.
  • 山内 希美, 尾関 豊, 角 泰廣, 山田 卓也
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1048-1052
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    胆嚢結石症をともなったAlonso-Lej II型胆管拡張症で,憩室様拡張部に胆嚢管が合流した症例を経験した.症例は45歳,女性.1996年に胆石を指摘され,1998年9月頃から,右上腹部痛の出現頻度が増加したため当院を受診した.腹部超音波検査で胆嚢内に径5mmの音響陰影をともなう高エコー像を認め,総胆管の1部に20mm径の嚢胞状拡張を認めた.CTで膵頭部に18×13mm大の低吸収域を認め,ERCPで膵管胆道合流異常を認めず,三管合流部付近に嚢胞状の構造を認めた.経皮経肝胆嚢造影で三管合流部に径22mmの憩室様拡張を認め,胆嚢管は同部に合流していた.Alonso-Lej II型胆管拡張症に胆嚢結石症を合併し,憩室様胆管拡張部に胆嚢管が合流したものと判断した.胆管拡張部を部分切除,形成してRTBDチューブを留置した.病理組織学的に拡張部胆管の粘膜に過形成と筋層の菲薄化を認めた.Alonso-Lej II型はきわめてまれで,本邦報告6例目である.
  • 桜井 万弓, 林 勝男, 根本 聴, 山内 学
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1053-1056
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸にて発症し,減黄術にて経過観察中にシェーグレン症候群の合併が明らかになった限局性膵炎を経験した.ステロイド投与にて膵頭部腫瘤の縮小を認めたため,自己免疫機構による限局性腫瘤と思われた.ステロイドが著効した自己免疫膵炎としての限局性膵炎の報告は少なく,まれな症例と思われたので報告する.
  • 福枝 幹雄, 浜田 信男, 海江田 衛, 門野 潤, 中村 登, 石崎 直樹
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1057-1061
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は51歳の男性.左側腹部痛,発熱を主訴に紹介入院となった.精査にて,肝内胆管の拡張をともなう肝内結石と門脈臍部内の血栓を指摘された.左葉切除術を施行したところ肝内結石はコレステロール結石であった.病理組織学的検査では拡張胆管に付属器腺の増殖と異所性膵組織を認めた.肝内コレステロール結石症で胆管の慢性増殖性変化を呈する症例はまれで,また,肝内異所性膵併存の報告はなく自験例は興味深い症例と考えられた.
  • 藤本 武利, 加藤 洋, 藤崎 滋, 福澤 正洋, 川村 典夫, 荒川 泰行, 生沼 利倫, 根本 則道
    2000 年 97 巻 8 号 p. 1062-1063
    発行日: 2000/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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