日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
114 巻 , 4 号
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総説
  • 廣野 誠子, 山上 裕機
    2017 年 114 巻 4 号 p. 607-616
    発行日: 2017/04/05
    公開日: 2017/04/05
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    膵癌の完治可能な唯一の治療法は,外科的切除術と補助療法である.膵癌患者の生存期間を延長させるためには,癌遺残を認めないR0根治術を成し遂げ,さらに術後補助療法の早期導入が重要である.手術技術の向上により,high volume centerでは,膵切除術は安全な術式となってきた.R0手術を目指したartery-first approachや門脈合併切除,動脈合併切除を行う頻度が増加している.これらの術式が,膵癌患者の生存期間延長に本当に寄与できるのか,前向き臨床試験により証明する必要がある.また,術後補助療法を術後早期に導入するためには,術後合併症の予防を目指した術式の開発が重要である.

今月のテーマ:膵癌治療の進歩と今後の展望
  • 伊佐地 秀司
    2017 年 114 巻 4 号 p. 617-626
    発行日: 2017/04/05
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー

    日本膵臓学会(JPS)の膵癌取扱い規約第7版(2016)は,(1)ダイナミックCT所見から進展度診断ができる,(2)Stage分類と治療方針との間にひもづけができる,(3)切除可能性分類を導入することで詳細な治療方針が立てられる,(4)病理分類のWHO分類との整合性を図る,(5)術前治療が普及しつつある現状をふまえて生検診,細胞診,治療後の組織学的効果判定基準を導入すること,をコンセプトにして改訂作業が行われた結果,大幅な改訂となった.JPS第6版(2009)と第7版,UICC第7版(2009)と第8版(2017)を対比しながら,規約改訂のポイントを規約検討委員会の委員長という立場から解説した.

  • 山口 幸二
    2017 年 114 巻 4 号 p. 627-636
    発行日: 2017/04/05
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー

    膵癌診療ガイドラインは2006年に初版が出版され,2009年,2013年に改訂版が出版された.2016年10月に膵癌診療ガイドライン2016が日本膵臓学会より出版された.2016年版は世界的にガイドライン作成のツールとなっているGRADEシステムに準拠して作成されている.エビデンス重視の姿勢は変わりないが,GRADEシステムは利益や不利益,医療費など実診療にも配慮するため,今回はタイトルより“科学的根拠に基づく”を削除し,“膵癌診療ガイドライン”と変更した.2016年版の改訂過程やアルゴリズム,CQの変更点やステートメントの修正点などを中心に概説した.

  • 古瀬 純司
    2017 年 114 巻 4 号 p. 637-643
    発行日: 2017/04/05
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー

    膵癌に対する化学療法は切除不能例に対する治療と切除の術後補助療法として行われる.切除不能例に対する治療では,まずオキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム(FOLFIRINOX)療法とゲムシタビン(GEM)+ナブパクリタキセル併用療法が第一選択であり,全身状態が良好かつ主要臓器機能が保たれている場合はどちらかを実施する.これらが難しい場合は,GEM単独,GEM+エルロチニブ併用,あるいはS-1単独から適切な治療を選択する.手術の補助療法としては術後補助療法が標準治療であり,S-1単独治療が第一選択となっている.今後,有効な2次治療の開発やバイオマーカーに基づく治療法の確立が望まれる.

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