日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
87 巻 , 1 号
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  • 大原 正志, 浅木 茂, 豊田 隆謙
    1990 年 87 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    モルモットを用いた種々のストレス潰瘍モデルで, 血漿中にSOD様活性物質の上昇を認めた. この物質を精製する目的で, heparin-Sepharose を用いて affinity chromatography を施行すると3分画 (親和性〓A, 親和性〓B, C) に分かれた. このうち, ストレスやヘパリン投与などで特異的に分画Cの上昇が認められ, この分画 polyacrylamide gelelectrophoresis で分析すると, native な状態でMW: 135KにSOD活性をもつたバンドを有する部分があり Marklund らの報告する Extracellular SODと同一の物質と考えられた. ヘパリンに対する性質を利用した実験により, この物質は血管内皮細胞表面に局在しているものと推定された. 急性胃粘膜病変発生の際の, 血漿中におけるこの物質の上昇は, 病態生理学的に血管内皮細胞や好中球由来の free radical による血管内皮障害そのものをあらわす指標となると考えられた.
  • 吉川 敏一, 上田 茂信, 高橋 周史, 内藤 裕二, 小山田 裕一, 森田 豊, 谷川 徹, 竹村 俊樹, 杉野 成, 近藤 元治
    1990 年 87 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットの腹腔動脈を血管クリップにて狭むことにより, 胃に一時的な虚血を引き起こし, それを開放して血流再開を行うことによつて胃における虚血-再灌流モデルを作製した. 虚血-再灌流によつて胃粘膜に斑状, 線状の出血性びらんを認めた. 虚血単独に比べ虚血再灌流で胃粘膜障害の増強および胃粘膜内チオバルビツール酸 (TBA) 反応物質の増加を認めた. 虚血-再灌流による胃粘膜障害はスーパーオキシド•ディスムターゼ (SOD) 単独, カタラーゼ単独, SODとカタラーゼ併用およびアロプリノールの投与によつて阻止された. TBA反応物質の増加はSODとカタラーゼ併用群およびアロプリノールの投与で抑制された. これらの結果により, 虚血-再灌流によつて生ずる胃粘膜障害の成因としてフリーラジカルおよび脂質過酸化の密接な関与が強く示唆された. 本虚血-再灌流モデルにおけるフリーラジカルの発生源としては, ヒポキサンチン-キサンチンオキシダーゼ系がより重要であると思われた.
  • 森田 幸悦, 大和田 稔
    1990 年 87 巻 1 号 p. 16-24
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    スキルス胃癌5例, 非スキルス胃癌4例について抗ヒトI型 procollagen 抗体を用いて免疫組織学的に検討した. スキルスではいずれも癌細胞に強い染色性を認めたのに対し, 非スキルスにおけるそれは弱陽性~陰性であつた. スキルス胃癌由来細胞 (KATO III) からmRNA分画を抽出しヒトI型 procollagen α1 cDNA probe を用いて Dot blot および Northern blot analysis を行つたところ, procollagen message に相当する4.8kbおよび6.0kbに明確な signal を認めた. また抗ヒトI型 procollagen 抗体を用いたRIA法および Western blot 法により癌細胞培養上清中にヒトI型 procollagen c 末端 peptide (P-I-C) 関連抗原の存在を確認した. KATO III の procollagen mRNA は glucocorticoid により抑制されたことから, 癌細胞の collagen 合成も線維芽細胞同様 glucocorticoid による調節を受けることが明確となつた.
  • 小松 弘一
    1990 年 87 巻 1 号 p. 25-38
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    拘束ストレス潰瘍発生機構における粘膜虚血と胃酸分泌の関係, 特に壁細胞内 actin filaments 異常の関与について in vivo およひ in vitro の実験系を用い, 組織化学並びに電顕的に検討した. 全身石膏拘束ストレス潰瘍の形成時にコリン作動性神経は過剰刺激状態にあるが, 粘膜血流は減少し, 胃酸分泌の亢進はみられなかつた. 電顕的に壁細胞の多くは resting stage にあり, hypoxic vacuoles の出現, intracellular canaliculi (IC) 周囲 actin filaments の線維状形態の消失とICの拡張所見が認められた. 脱血, 低酸素, cytochalasin B処置にて同様の所見を示し, bethanechol 投与によつても胃酸分泌は亢進しなかつた. 以上より, 拘束ストレス潰瘍形成時には, 胃粘膜の虚血性変化が潰瘍形成に重要であると考えられた.
  • 為我井 芳郎
    1990 年 87 巻 1 号 p. 39-48
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃切除術後消化吸収障害, とりわけ膜消化機能障害の病態を検索する目的で小腸粘膜の形態学的, 酵素組織化学的観察を行い, 胃部分切除群 (59例), 胃全摘群 (52例) について比較検討した. その結果, 1) 胃切除術後小腸粘膜は対照群と比較して有意に絨毛萎縮の傾向にあつた. 2) 二糖類分解酵素活性値は特に胃全摘後小腸で有意の低下を示し, また酵素組織化学的に alkaline phosphatase, leucine aminopeptidase, γ-glutamyl transpeptidase 活性もほぼ同様で絨毛萎縮小腸で活性の低下, 消失を認めた. 3) 著明な膜結合酵素活性の低下および絨毛萎縮を認めた症例では小腸粘膜電顕像において microvilli の粗造化, 大小不同, さらに glycocalyx の不整, 消失を認めた. 以上の小腸粘膜の形態学的, 酵素組織化学的所見は, 胃切除術後の臨床経過を強く反映していた.
  • 児玉 治, 藤井 康史, 田中 恒夫, 中塚 博文, 市場 康之, 三浦 義夫, 土肥 雪彦
    1990 年 87 巻 1 号 p. 49-56
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸 (閉黄) 並びに胆管ドレナージ (減黄) 後の病態の一端を解明する目的で, 実験的に閉黄, 減黄ラットの肝組織血流の変動について電解式組織血流計およびFITC-dextran 法を用いて解析した. 臨床的には胆管ドレナージ後二期的手術時の肝生検所見より検討した. 閉黄2, 4週ラットの肝組織血流量は対照ラットに比較し有意に低下し類洞の拡張所見を認めた. 肝組織血流障害は閉黄2週後に減黄すると軽減したが, 閉黄4週後では減黄3日後も遷延した. 臨床的に肝組織所見で類洞の拡張所見が高度な症例では, 術前の減黄効果は不良で術後合併症も高率であつた. 閉黄例の経過不良の要因の一つとして肝組織血流障害が関与すると考察された.
  • 石垣 宏, 須藤 俊之, 佐々木 大輔, 対馬 健一, 樋口 茂樹, 馬場 滝夫, 佐野 正明, 棟方 昭博, 吉田 豊, 高木 伸也
    1990 年 87 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    原発性肝癌27例に施行した経カテーテル的肝動脈塞栓術(TAE)46回について, TAE後の胃ビラン•潰瘍の発生に関与する因子を検討した. 食道静脈瘤の合併やTAEが1回目か2回目かは胃病変の発生への関与は低かつた. TAE後に上腹部痛のある例で胃病変の発生が多かつた. TAE前の肝予備能と胃病変発生には有意の関連はなかつた. ΔAFP (AFPのTAE前の値を1とした後の値) が0.2未満の例で胃病変が高頻度であつた. 各例について各注入物質の胃への流入可能性と胃病変の発生を検討したが, 胃病変発生は予測できなかつた. ヒスタミンH2拮抗剤には胃病変発生に対する予防効果は期待できなかつた.
  • 前川 久登, 吉川 雄二, 戸田 剛太郎, 岡 博
    1990 年 87 巻 1 号 p. 62-68
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝疾患において血中組織プラスミノーゲンアクチベータ (t-PA) が上昇することが知られている. 今回, 急性肝炎 (AH: 12例), 慢性肝炎 (CH: 8例), 代償性肝硬変 (CLC: 40例), 非代償性肝硬変 (DLC: 23例), 肝細胞癌 (HCC: 35例) の各肝疾患における血漿t-PA抗原量をEIA法で測定した. t-PA高値を示す割合はAHでは発病初期に33%, CHでは25%, CLCでは45%, DLCでは91%, HCCでは60%であつた. 肝硬変症例におけるt-PAは総ビリルビンとは正相関, 蛋白合成能の指標とは負相関を示し, 肝機能の低下とともに上昇する傾向が明らかであつた. HCC症例におけるt-PA上昇の原因としては, 基礎にある肝機能低下に加え, 播種性血管内凝固症候群の関与が推定された.
  • 神田 勤, 大槻 眞, 西川 洋子, 岡林 克典, 吉田 勤, 松村 高勝, 末松 俊彦, 上松 一郎
    1990 年 87 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝硬変に合併することが知られている骨代謝障害を生化学的に検討した. 慈大式分類に基づくと, 肝硬変29例中16例が1度以上を示す骨減少症を合併していた. 骨減少症合併群では健常人並びに骨減少症非合併肝硬変に比し, 血清オステオカルシンと骨性アルカリフォスファターゼが高値を示した. その上, 骨減少症合併群では, 尿中カルシウム/クレアチニン比は非合併群に比し高値の傾向を示した. 骨減少症を伴う肝硬変では骨芽細胞の骨形成能を表わす骨性アルカリフォスファターゼ並びに血清オステオカルシンが高値を示し, 尿中カルシウム排泄も高値の傾向にあることより, 肝硬変に伴う骨減少症では高回転型骨代謝障害を呈すると考えられた.
  • 栗原 教光
    1990 年 87 巻 1 号 p. 74-82
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    各種肝胆道疾患82例および正常者18例を対象としてコンピュータを用い deconvolution analysis により99mTc-EHIDA肝胆道シンチグラフィーのデータを処理し肝平均通過時間 (MTT) を求めた. また Rutland の方法により初期伝達関数の勾配を求め, この2つのパラメータの診断的有用性について検討した. 肝固有の排泄機能を示すMTTは正常者で平均7.7分であり胆道系の閉塞性疾患, 慢性肝疾患では一般にMTTは延長した. 代償期肝硬変症では99mTc-EHIDAの血中クリアランスの低下にもかかわらずMTTは正常値を示した. また初期伝達関数の勾配は肝硬変症群およびPBC群で有意に低値を示した. 本法は肝実質の通過時間を算出する検査法であり肝機能の新しい評価法として有用である.
  • 祐森 泰郎, 越智 次郎, 三浦 賢佑, 落 義男, 森岡 淳夫, 森安 史典, 内野 治人
    1990 年 87 巻 1 号 p. 83-89
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌34例について術後新鮮試料を用いて flow cytometry (FCM) による核DNA量の測定を行ないDNA aneuploidy の頻度及び ploidy と悪性度との関係につき検討を行なつた. その結果, DNA aneuploidy の出現頻度は53%であつた. DNA ploidy とTNM stage 分類10)との関係では aneuploidy 群で有意に stage の高い症例の数が多かつた. また血管侵襲との関係では diploidy 群では門脈腫瘍栓を認めたものは16例中わずか1例 (6%) であつたのに対し, aneuploidy 群では, 18例中11例 (61%) と高頻度であつた. FCMによるDNA ploidy の検討は腫瘍マーカーとしての診断的価値に加え, 悪性度及び予後判定の指標として有用であると考えられた.
  • 岡田 周市, 大藤 正雄, 国安 芳夫, 東 靜香, 有水 昇, 植松 貞夫
    1990 年 87 巻 1 号 p. 90-99
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ポジトロンCT (PET) の網内系機能評価における有用性を検討するため, PET用肝スキャン剤である68Ga-millimicrosphered albumin を慢性肝疾患例に臨床応用し, 肝•脾の容積と放射性コロイドの集積を定量的に測定した. 慢性肝疾患の進行に伴い肝の容積は縮小し, 集積率も低下するのに対し, 脾では容積は増大し, 集積率も上昇した. さらに, Differential Absorption Ratio による解析の結果, 肝組織1g当りの集積量は慢性肝疾患の進展に伴い低下したが, 脾組織1g当りの集積量には変化が認められず, 慢性肝疾患例における脾集積率の上昇は主として脾容積の増大に基づくものであることが示唆された. 本剤によるPETは肝•脾の容積と放射性コロイド集積の定量的測定が可能であることから, 慢性肝疾患の病態解明, 特に網内系機能評価に有用と考える.
  • 卜部 健, 林 清次, 寺崎 修一, 寺田 光宏, 松下 栄紀, 金子 周一, 稲垣 豊, 米島 学, 鵜浦 雅志, 小林 健一, 服部 信
    1990 年 87 巻 1 号 p. 100-108
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌症例において, 化学療法, 経動脈的腫瘍塞栓術, 経皮的エタノール局注療法が施行された48症例, のべ治療56回を対象とし, 血清AFP値の推移を一定規格の片対数グラフ上で最小2乗法により治療前後それぞれ直線を描き, それらが交差する角度 (補角) αを指標とした治療効果判定法について検討した. 角度αは平均32±38度に分布し, 著効, 有効例は高値, 進行例は低値を示し, 臨床的評価と相関した. 効果が腫瘍縮小率として反映されず, 評価困難な例においても定量的に効果判定が可能であつた. 角度αの高値群は低値群に比し有意な生存曲線の延長が認められた. 以上より肝細胞癌の各種治療の効果判定法として本法は臨床的に極めて有用と考えられた.
  • 岩村 ゆかり, 与芝 真, 菅田 文夫
    1990 年 87 巻 1 号 p. 109-118
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    劇症肝炎及び亜急性肝炎10例で, 血漿交換と polymetyl metacrylate 膜使用の血液濾過透析を組み合わせた人工肝補助療法を施行した. 全例で意識清明となり, 長期間の肝不全をも代償し得, そのうち5例を救命した. また, B型劇症肝炎1例, 非A非B型劇症肝炎3例, 非A非B型亜急性肝炎1例にインターフェロンを投与し, 2例で良好な肝再生を認めた.
    強力な肝補助にて急性期の肝不全を代償し, 特に非A非B型劇症肝炎に対しては抗ウイルス療法としてIFNを投与することが, 劇症肝炎の有効な治療法となると考えられた.
  • 渡部 博之, 長沼 敏雄, 島 仁, 正宗 研, 上坂 佳敬, 佐藤 誠
    1990 年 87 巻 1 号 p. 119-121
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 片山 和宏, 目連 晴哉, 房本 英之, 林 紀夫, 河野 通一, 柏尾 真司, 鈴木 都男, 三田 英治, 荻原 達雄, 辻井 正彦, 川 ...
    1990 年 87 巻 1 号 p. 122-125
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 柴田 実, 上野 幸久, 石井 真理子, 吉田 直哉, 定本 貴明, 住野 泰清, 飯塚 誠一, 寺内 一三, 野中 博子, 遠藤 了一
    1990 年 87 巻 1 号 p. 126-130
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 村田 雅彦, 大窪 天三幸, 小松 眞史, 八木澤 仁, 正宗 研
    1990 年 87 巻 1 号 p. 131-135
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 島 俊英, 中嶋 俊彰, 阪本 善邦, 中島 年和, 瀬戸 良文, 加嶋 敬
    1990 年 87 巻 1 号 p. 136
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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