日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
108 巻 , 11 号
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特別寄稿
  • 中沼 安二, 石橋 大海, 滝川 一, 坪内 博仁
    2011 年 108 巻 11 号 p. 1817-1822
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    針肝生検に応用可能な原発性胆汁性肝硬変(PBC)の新しい病期分類,活動度分類を提唱した.病期分類は,サンプリングエラーを少なくするため,肝の線維化と胆管消失を中心に,病変をスコア化し,stage 1~4に分類した.活動度分類として,胆管炎cholangitis(CA)の程度をCA0~3に,また肝炎hepatitis(HA)の程度をHA0~3に分類した.今回の活動度分類・病期分類によりPBC患者の病態,病勢が半定量的に評価でき,オーバーラップ症例の診断や薬物治療の選択および効果判定にも有用と考えられる.今後,本活動度分類,病期分類を用いた評価が臨床,研究の分野で展開することを期待している.
総説
今月のテーマ:自己免疫性肝炎診療のポイント
  • 高橋 宏樹, 銭谷 幹男
    2011 年 108 巻 11 号 p. 1837-1844
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    自己免疫性肝炎(AIH)の診断には,国際自己免疫性肝炎グループが作成した検討項目が13項目のスコアリングシステム(従来型),4項目の簡易型スコアリングシステムが汎用されている.従来型は診断感受性,簡易型は診断特異性に秀でている.簡易型は利便性が高いが,IgG値,抗核抗体価が低い症例,急性・劇症発症例,小児例などの診断は十分でなく,従来型の併用を適宜行い対応する必要がある.スコアリングシステムはあくまで診断の補助手段であることを忘れず,点数にこだわりすぎずに個々の症例の病態を十分に吟味して診断することが肝要で,診断に難渋する症例は組織所見の評価も含めて早期に専門施設にコンサルトすることが望ましい.
  • 田中 篤
    2011 年 108 巻 11 号 p. 1845-1851
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    自己免疫性肝炎(AIH)と原発性胆汁性肝硬変(PBC)の病像が同時に,あるいは異時性に同一患者に併存することがある.この病態はAIHとPBCの「オーバーラップ症候群」と呼ばれてきたが,その疾患概念は曖昧で診断基準も確定していない.2010年にAIHの専門家グループから「オーバーラップ症候群」という疾患概念は不適切であるというstatementが発表されており,このような病態はAIHないしPBCいずれかの特殊型として捉えるのが妥当と思われる.治療については2010年,厚労省研究班から,診断時にPBC診断基準および簡便化AIHスコアリングシステムをともに満たす症例では,ウルソデオキシコール酸に加えてステロイド併用投与を推奨するという指針が出されている.
  • 高橋 敦史, 阿部 和道, 横川 順子, 大平 弘正
    2011 年 108 巻 11 号 p. 1852-1857
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    自己免疫性肝炎(AIH)は一般にステロイド治療が奏功するが,漸減中に再燃をきたす症例が存在する.また,重症あるいは劇症肝炎で発症し治療に難渋する場合もある.米国肝臓学会のガイドラインでは,ステロイド抵抗性のAIHの治療に免疫抑制剤が提唱されているが,本邦では保険適応がなく,治療抵抗性や副作用でステロイドの継続が困難などの限られた症例に使用されている現状がある.AIH患者338名の調査では31名(9.2%)でアザチオプリン(AZP)が投与されており,投与群では非投与群と比較し疾患活動性が高く,再燃例が多いことが示されている.一方でステロイドやAZP無効の重症化・劇症化例に対しては,肝移植を含めた対応が必要と考えられる.
原著
  • 遠藤 克哉, 高橋 成一, 下平 陽介, 長澤 仁嗣, 諸井 林太郎, 黒羽 正剛, 荒井 壮, 金澤 義丈, 志賀 永嗣, 角田 洋一, ...
    2011 年 108 巻 11 号 p. 1858-1871
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    炎症性腸疾患(IBD)と妊娠・出産の相互関係について,本邦の患者を対象とした報告はいまだ少ない.本研究では,最近10年間に当院で経験したIBD合併妊娠54例・73回(潰瘍性大腸炎38例・49回,クローン病16例・24回)の臨床経過を解析した.解析結果から,妊娠がIBDに与える影響は少ないが,クローン病は活動性が高い状態で妊娠した場合には増悪する可能性が高いと考えられた.一方,IBDが妊娠に与える影響も少ないが,潰瘍性大腸炎活動期妊娠では「妊娠・出産異常」率が高い傾向にあった.IBDでは寛解期妊娠が望ましく,妊娠中には安全性が高い薬剤を用いた治療を継続するべきと考えられた.
  • 今井 則博, 池田 健次, 瀬古 裕也, 松本 直樹, 川村 祐介, 保坂 哲也, 小林 正宏, 斎藤 聡, 瀬崎 ひとみ, 芥田 憲夫, ...
    2011 年 108 巻 11 号 p. 1872-1878
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル フリー
    ミリプラチン投与症例より投与前の推定クレアチニン・クリアランス(以下推定Ccr)が60ml/min未満67例,60ml/min以上95例を対象とし推定Ccrの変化,副作用,有効性について検討した.慢性腎不全群における治療後2カ月の間の推定Ccr値(中央値)は治療前後の補液による上昇の他に明らかな低下を認めなかった(治療前;46ml/min,1週間後;52ml/min,1カ月後;48ml/min,2カ月後;45ml/min,P<0.0001).ミリプラチン投与による重篤な副作用は認められなかった.ミリプラチンは慢性腎不全を合併した肝細胞癌に対する白金製剤として,その安全性が示唆された.
症例報告
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