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(2) 直腸癌•結腸癌の背景因子に関する症例•対照研究
渡辺 能行, 多田 正大, 川本 一祚, 魚住 玄通, 梶原 譲, 林 恭平, 山口 勝通, 村上 健二, 三崎 文夫, 赤坂 裕三, 川井 ...
1984 年 81 巻 2 号 p.
185-193
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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大腸癌の発生要因を解明するため, 病院, 性, 年齢でマッチさせた直腸癌患者とその対照のペア65組, 結腸癌患者とその対照のペア138組を対象として症例•対照研究を行なつた. 既往歴と血液型では大腸癌と有意に関連しているものはなかつた. 癌の家族歴では胃癌が直腸癌の危険を高めている可能性が示唆されたが他には有意なものはなかつた. 食餌•嗜好品では豆腐を含む豆類と紅茶が直腸癌の危険を下げている可能性が示唆された. また, タバコ喫煙が結腸癌の危険を下げる因子として検出されたが対照選定上の bias による可能性も否定できなかつた.
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赤保内 良和, 川上 康博, 阿部 敬, 谷内 昭
1984 年 81 巻 2 号 p.
194-200
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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大腸腺腫および大腸癌における糖蛋白抗原 (M
1, M
2およびM
3) の出現を免疫組織学的に検討し, 胎児大腸粘膜と対比•検討した. 大腸腺腫はすべての例でM
3陽性を示し, このうち30%にM
1の共存を認めた. 一方, 大腸癌の40%にはいずれの糖蛋白抗原も認められなかつたが, 残りの症例は腺癌の腺腔面にM
3が認められ, 22%にM
1の共存が認められた. また大腸周囲粘膜にもM
1の出現がみられた. 胎児中期の大腸粘膜にはM
3およびM
1陽性細胞が認められるが, 分化•成熟に従つてM
1を失い, 胎児後期にはM
3が主体を占めた. 以上の成績よりこれらの糖蛋白抗原は消化管粘膜における分化抗原としての意義を有すると考えられる.
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樟本 賢首, 秦 温信, 佐藤 裕二, 葛西 洋一, 伊藤 和夫
1984 年 81 巻 2 号 p.
201-207
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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肝シンチグラムを computer で解析し肝体積と肝血流指標測定を簡略化しその臨床的意義について検討した. 肝血流指標はTc-Sn Colloid 静注後50~96秒までのカウント曲線をもとに算出した. 肝体積は肝を楕円体と仮定して算出した. 全肝血流指標Aは硬変肝で有意に低値でありICG R
15, KICGと相関した. さらにAと全肝体積Vの積は血清 cholinesterase 値と相関した. 手術の対象となる限局性肝疾患症例においては全肝のVおよびAに誤差が生ずるため, 頻度の高い肝右側の切除において最小限残存すべき肝外側区の体積VLと血流指標ALを測定し両者の積ALVLを検討したところ, 術後肝不全を合併した症例で低値となりALVLは肝予備能を表現しうる有用な方法と考えられた.
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食道静脈瘤による肝血行動態の変化に関する検討
林 紀夫, 笠原 彰紀, 斎藤 光則, 佐々木 裕, 目連 晴哉, 房本 英之, 佐藤 信紘, 鎌田 武信, 阿部 裕
1984 年 81 巻 2 号 p.
208-212
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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臓器反射スペクトル解析装置を腹腔鏡施行時に用い, 肝硬変における血流動態および酸素需給動態の食道静脈瘤出現による変化を検討した. 肝局所血液量ΔEr569-650, 肝局所Hb酸素飽和率SO
2, 肝局所 in vivo 酸素消費VO
2は食道静脈瘤を有する肝硬変で有意に低下し, ΔEr569-650とSO
2およびΔEr569-650とVO
2の間には有意の正の相関関係が認められた. 一方, 一般肝機能検査では食道静脈瘤を有する肝硬変で血清アルブミン値の低下を認めたが, 他の肝機能検査には有意差を認めなかつた. 以上, 肝硬変においては食道静脈瘤による肝血流の低下に対し, O
2 extraction の増大では完全に代償できず, 肝局所 in vivo 酸素消費は低下するものと考えられた.
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溝口 靖紘, 沢井 寛子, 筒井 ひろ子, 宮島 慶治, 池本 吉博, 新井 孝之, 阪上 吉秀, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 森沢 成司
1984 年 81 巻 2 号 p.
213-220
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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肝内胆汁うつ滞を示す薬物アレルギー性肝炎患者の末梢血単核細胞を in vitro で起因薬物および肝可溶性分画 (キャリアー) とともに培養する際, インターロイキン-2 (IL-2) を添加すると, 催胆汁うつ滞因子の産生が増幅された. また, 抗原およびキャリアーで患者末梢血単核細胞を刺激する場合, 5-ブロモー2-デオキシウリジン (BrDU) を添加して培養し, ついで可視光線で照射してBrDUをとりこんだ細胞を障害しても, 催胆汁うつ滞因子の産生は抑制されなかつた. さらに, このような催胆汁うつ滞因子産生細胞は, 起因薬物, キャリアーおよびIL-2を含む培養液を週2回交換することによつて, 活性因子産生の能力を保持したまま長期にわたつた培養維持することができた.
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池本 吉博, 溝口 靖紘, 沢井 寛子, 筒井 ひろ子, 新井 孝之, 宮島 慶治, 宋 健二, 山本 祐夫, 森沢 成司
1984 年 81 巻 2 号 p.
221-226
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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健常ヒト, B型慢性活動性肝炎患者および無症候性HBVキャリアの末梢血単核細胞をそれぞれ分離して, pokeweed mitogen (PWM) で刺激すると, いずれも抗TNP-SRBC抗体産生が有意に誘導され, 抗体産生細胞の誘導には, この三者間で有意差は認められなかつた. しかし, エストロゲンをPWMと同時に添加すると, 健常ヒトおよびB型慢性活動性肝炎患者の場合は, 抗体産生やリンパ球のDNA合成が増幅されるのに反して, 無症候HBVキャリアの場合は, エストロゲンによるこれらの増幅が認められなかつた. これらの結果から, 無症候性HBVキャリアの成因の少くとも一部に女性ホルモンに対する応答の差で示されるような免疫学的要因が関与していると考えられた.
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実質性肝障害との比較検討
河合 秀子, 小島 孝雄, 加納 隆, 武藤 泰敏
1984 年 81 巻 2 号 p.
227-237
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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黄疸を伴う各種肝胆道疾患69例に glucagon 負荷試験を施行した. 総ビリルビン値20mg/dl以上の高度黄疸例における glucagon 負荷後15分の血漿c-AMP増加量 (Δc-AMP15) は, 肝内胆汁うつ滞症では高反応を, 閉塞性黄疸 (OJ) では中等度低下を, 実質性肝障害では高度低下を示し, これら各疾患の鑑別に有用である. さらに, OJにおける経皮経肝的胆道ドレナージ (PTBD) 後の減黄率は, Δc-AMP15高反応群では良好で, その生存日数に延長が認められた. 一方, 低反応群では減黄効果は極めて悪く, その予後も不良であつた. なお, Δc-AMP15と減黄率b値との間には有意な相関 (p<0.05) が認められた. glucagon 負荷試験は, OJにおけるPTBD後の減黄効果の予測及び予後の推定に有用である.
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高森 成之, 本永 貴郎, 乾 増幸, 宮崎 忠顕, 古木 武司, 岩井 眞樹, 奥野 忠雄, 瀧野 辰郎
1984 年 81 巻 2 号 p.
238-248
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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Gilbert 症候群を中心に各肝疾患にニコチン酸負荷試験を行い, ニコチン酸負荷後120分での血清間接ビリルビンの増加量は Gilbert 症候群1mg/dl以上, 正常0.6mg/dl以下と明らかな差を得た. しかも本試験と低カロリー試験での血清間接ビリルビンの増加量の間に正の相関を得た. また, 本試験後血清鉄と血清間接ビリルビンの増加量の間に正の相関を認め, 更に肝硬変症で脾腫例は非脾腫例に比べ本試験後血清間接ビリルビンの有意な増加を示し, 摘脾例では血清間接ビリルビンの増加を殆んど認めなかつた. 以上より本試験は Gilbert 症候群の診断に有用であり, 本試験での血清間接ビリルビンの上昇機序は脾を主とした網内系の刺激による溶血の関与が示唆された.
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池田 健次, 小宅 映士, 熊田 博光, 竹内 和男, 中島 正男, 吉場 朗, 煎本 正博
1984 年 81 巻 2 号 p.
249-253
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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過去3年間に, 非代償期肝硬変症18例を含む肝硬変合併肝癌50例に対して, 動脈塞栓術を施行した. 50例の予後は, 6カ月生存率84.6%(39例中33例), 1年生存率70.4%(27例中19例)と高率であつた.
動脈塞栓術による治療効果の判定を, CT所見により5段階に分類した. このうち, 初回の動脈塞栓術で, 肝癌の部の contrast enhancement が全く消失する「著効」は10例 (20%), 肝癌の明らかな壊死を認めるが contrast enhancement の残存する「有効」は36例 (72%) であつた. しかし,「著効」の得られなかつた群に対して動脈塞栓術の追加を行つたところ,「著効」群は23例 (46%) に増加し, 複数回の動脈塞栓術を行うことの重要性が示された.
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II. 実験的イヌ膵石症におけるX線学的追跡
野田 愛司, 柴田 時宗, 早川 哲夫, 近藤 孝晴, 永井 賢司, 浜野 博次
1984 年 81 巻 2 号 p.
254-262
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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Dimethadione (DMO)のイヌ膵石溶解作用を検索するため, 膵石生成手術後3カ月より腹部単純X線撮影を行い, 石灰化像陽性例にDMOの前駆物質である Trimethadione (TMD) を経口投与した. 石灰化像陽性の7頭中2頭は, TMD投与後2および1カ月に石灰化像は完全に消失した. うち1頭ではTMD投与中止後に石灰化像が再出現し, 再投与によつて完全に消失した. 他の1頭ではTMD投与中止後7カ月に石灰化像が再出現した. 他の5頭中1頭を除き, 石灰化像はほぼ完全にあるいは部分的に消失した. すなわち, 部分溶解を含めた膵石溶解率は86%であつた. DMOの前駆物質であるTMDは, ヒト膵石症における有望な経口溶解剤となりうると考えられる.
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中沼 安二, 太田 五六, 坂田 則昭, 佐久間 寛, 新谷 寿久
1984 年 81 巻 2 号 p.
263-266
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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住野 泰清, 菊池 和義, 保坂 公夫, 古河 一男, 額田 久子, 福島 保善, 安部井 徹, 海老原 善郎
1984 年 81 巻 2 号 p.
267-271
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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神谷 知至, 木崎 昌弘, 赤岩 康文, 増田 孝, 鈴木 修, 大川 日出夫, 桐生 恭好, 安村 和彦, 角本 陽一郎, 中川 自夫, ...
1984 年 81 巻 2 号 p.
272-276
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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小堀 鴎一郎, 昌子 正実, 森岡 恭彦, O. Wiestler, P. Kleihues
1984 年 81 巻 2 号 p.
277
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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浅野 武秀, 山田 昇, 落合 武徳, 佐藤 博, 深尾 立
1984 年 81 巻 2 号 p.
278
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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