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鈴木 陽一, 大塚 幸雄
1983 年 80 巻 9 号 p.
1709-1719
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
雄 DONRYU rat より摘出した胃を homogenize し, 遠心した上清を試料液として腺性 kallikrein を測定した. 測定には合成基質 L-Prolyl-L-Phenylalanyl-L-Arginine-α-naphthylester を用い, そのesterase 活性を腺性 kallikrein 値 (BAEE U/ml) とした. 腺性 kallikrein の生理活性は試料液に人血漿より精製した low molecular weight kininogen を加えて産生される kallidin 量 (μg/bath) をMagnus 法で測定することにより検討した. 腺性 kallikrein 値と kallidin 量は正の相関関係を認めた(r=0.953). 同 rat 群に拘束水浸胃潰瘍を作成し, その発生における腺性 kallikrein 値を測定した. 負荷前9.32±1.40×10
-3 BAEE U/mlに比して, 潰瘍発生時には4.11±0.65×10
-3 BAEE U/mlと低下し, 両者の間には有意差を認めた (p<0.001).
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RIA法と酸性蛋白分解酵素活性測定法との比較を中心として
川村 武, 石森 章, 小泉 文明
1983 年 80 巻 9 号 p.
1720-1725
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
血中PG1の測定は最近 radioimmunoassay (RIA) 法により行なわれるようになつたが, 酸性蛋白分解酵素 (APE) 活性との関係は明らかでない. 本研究では両測定法を比較検討した結果, RIAによる血中PG1値はpH2.0におけるAPE活性値とよく相関し, いずれも胃底腺由来の酵素をあらわしていると考えられた. 同じことは尿中APEについても認められた. 一方pH3.5に至適pHをもつ酵素は血中ではその大部分が胃以外の体組織由来の酵素であるのに対して尿中では胃底腺由来の酵素を反映していることが認められた. 各種疾患における血中PG1値 (RIA) は一般に大部分胃底腺機能を反映しているが, 尿毒症において著明な高値が認められていることからも明らかなように場合により腎機能障害により大きな影響をうけることが示された.
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三木 一正, 一瀬 雅夫, 降旗 千恵, 景山 節, 丹羽 寛文, 岡 博, 松島 泰次郎, 高橋 健治
1983 年 80 巻 9 号 p.
1726-1730
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃潰瘍患者で内視鏡的に確診した胃潰瘍の胃内発生部位とそれぞれの症例の radioimmunoassay 法による血清 Group IおよびIIペプシノーゲン (PG IおよびPG II) 値との関係を検討した. (1) 胃潰瘍の胃内発生部位を胃角•幽門部と体部とに2分して, 両部位の症例群間の平均血清PG I値 (60例) およびPG II値 (88例) を対比すると, 体部胃潰瘍症例群の方が危険率5%以下 (PG IIは2%以下) で胃角•幽門部潰瘍症例群よりも有意に低値を示した. (2) 胃内における胃潰瘍の存在部位に関する血清学的スクリーニングとして, 血清PG IあるいはPG II値を使用しうる可能性が示唆された.
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感受性の系統差
上谷 潤二郎, 斉藤 幸夫, 武藤 徹一郎, 森岡 恭彦
1983 年 80 巻 9 号 p.
1731-1734
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Donryu, Sprague-Dawley, Fischer, Wistar の4系統のラットに1, 2-Dimethlhydrazine20mg/kg/w, 5回投与, 大腸癌を誘発させ, 系統間のDMHに対する感受性, 誘発された腫瘍の分布, 組織型の差異を検討した. 担癌ラット数は系統間に差は認められなかつたが, ラット一匹あたりの癌発生数はDonryu ラットに多く, Wistar 系で少なかつた. Spragne-Dawley 系は下部大腸に癌が多く発生する傾向を認めた. 腺腫内癌類似の病変が一病変認められ, 実験癌でも腺腫の癌化が示唆された. ラットの系統間にDMHに対する感受性に差が認められ, 実験目的に適つた系を選択する必要があると考えられる.
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土屋 雅春, 小林 研介, 相磯 貞和, 渡辺 守, 吉田 武史, 石川 真紀, 吉岡 政洋, 浜田 慶城, 朝倉 均, 安藤 幸史
1983 年 80 巻 9 号 p.
1735-1746
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
潰瘍性大腸炎に合併した toxic megacolon を7症例9回経験し, 全例内科的治療により軽快せしめた. これら9回の toxic megacolon を, 臨床像, 治療, 予後の面から検討し下記の成績をえた. 1) 臨床像では, 全例とも全結腸型で, 再燃緩解型であり, 貧血, 低蛋白血症, 非特異的炎症反応の悪化を認め, 再燃増悪時の重症な時期におこしていた. 2) 治療は, prednisolone (以下PSLと略す) の腸間膜動脈注入療法を主とした症例7例, PSL大量静注例1例, PSL大量静注+salicylazosulfapyridine 大量投与例が1例であつた. 3) 予後は, 5名が内科的治療継続により, 6カ月~7年間ほぼ緩解状態をたもつている. 以上より潰瘍性大腸炎に伴う toxic megacolon に対する内科的治療法の有用性を報告した.
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画像診断を中心に
太田 博郷, 中野 哲, 綿引 元, 武田 功, 杉山 恵一, 蜂須賀 喜多男, 山口 晃弘, 近藤 哲, 熊田 卓
1983 年 80 巻 9 号 p.
1747-1753
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胆管細胞癌23例を経験したので画像診断を中心に臨床的検討を行なつた. 胆道系酵素の異常は約90%にみられた. 肝シンチグラムでは90.0%に腫瘤状欠損が認められた. USでは76.5%に腫瘍像が描出でき, また拡張した肝内胆管が腫瘍により途絶している像が41.2%にみられ本症に特徴的な像と思われた. また halo を伴う腫瘍は15.4%と少なく, 3cm未満の腫瘍は hypoechoic や isoechoic な例が多かつた. CTでは腫瘍は低吸収域を示すことが多かつたが高吸収域の例もあつた. enhance 効果は低い例が多かつた. 腫瘍の辺縁は不鮮明な例が多かつた. 直接胆道造影ではV字型閉塞が66.7%と多くみられ, 肝動脈造影では encasement が75.0%と多くみられた.
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高橋 徳, 山村 武平, 石川 羊男
1983 年 80 巻 9 号 p.
1754-1759
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
モルモット胆のう条片において, progesterone (10
-8M~10
-6M) は carbachol (10
-6M) で惹起された収縮反応を用量依存性に減弱させた. また, 5×10
-7M の progesterone は carbachol, histamine, cholecystokinin octapeptide, prostaglandin E
2, prostaglandin F
2αで惹起された収縮反応をいずれもすべて減弱させ, その用量反応曲線を右方に移動させた. このことより, progesterone が胆のう平滑筋の収縮運動に, 直接的な抑制作用を有していることが示唆された. また, progesterone がCa-influx による収縮運動には影響をおよぼさなかつたことより, 細胞内Ca遊離機構を阻害する可能性も否定できないと考えられた.
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清島 満, 青木 泰然, 吉田 洋, 山田 昌夫, 安藤 喬, 武藤 泰敏, 高橋 善弥太
1983 年 80 巻 9 号 p.
1760-1771
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胆汁うつ滞において出現する異常リポ蛋白LP-Xは zonal ultracentrifugation により, さらにLP-X
1とLP-X
2との2分画に分離される. それらの生成機序を明らかにするため, 総胆管結紮ラットおよびα-naphtylisothiocyanate (ANIT, 200mg/kg) 経口投与ラットを用いて検討した. 総胆管結紮群では72時間後にLP-X
1がLP-X
2より優位に増加した. 一方肝内胆汁うつ滞のモデルとみなされるANIT群ではLP-X
2のみ出現した点で異なつていた. またLP-X
2にはLP-X
1には認められないApo Eが検出され, 電顕においてはいずれも連銭形成が認められた. 以上のことより, LP-X
1は胆汁成分の血中への逆流により形成され, Apo Eは肝において合成されるため肝細胞がLP-X
2の生成に少なからず関与していると考えられた.
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大村 晃一
1983 年 80 巻 9 号 p.
1772-1781
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胆石症における腸吸収上皮化生につき, 有石胆嚢70例の粘膜内二糖類分解酵素活性 (Tes-Tape 法) と活性対応部の形態学的特徴を検討した. sucrase and/or trehalase の腸性率は41%で, 両活性部位はほぼ一致し, 壁線維化との相関はなかつた. 組織学的には, 同活性と他の腸上皮化生巣との相関は明瞭でなく, また surface coat の粘液組成とも一定の相関がなかつた.
形態学的には, 同活性部粘膜で, 微絨毛の集中と glycocalyx の発達傾向を伴う spike 状の小細胞質突出を多く認めたが, 吸収上皮化生としては同定出来なかつた. 以上, 有石胆嚢粘膜の二糖類分解酵素活性部における吸収上皮化生は, 酵素学的には明瞭でも, 形態学的には不完全な状態であると推定した.
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膵石形成機序におけるγカルボキシグルタミン酸の役割
上村 卓良
1983 年 80 巻 9 号 p.
1782-1791
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
膵液中のγカルボキシグルタミン酸(Gla)の膵石形成に果す役割を解明する目的で各種膵疾患群と対照群の膵液中蛋白質に含まれるGlaを定量し比較検討した.
その結果, Gla含有値は膵石症, 膵嚢胞で明らかな高値を示した. また, 膵管拡張例の膵管内貯留膵液のGla含有値は異常高値を示したが, 膵液ドレナージ後では全例正常範囲内に復しており, 膵液のうつ滞によりGla含有蛋白質が増加するものと推察された. 一方, Gla含有値は膵実質量が19%以下の症例で著減すること, また pancreozymin 刺激でGla含有値が増量することから, Gla含有蛋白質は膵外分泌細胞より分泌されると考えられた.
Gla含有蛋白質にはカルシウム親和性があるといわれていることから, 膵管狭窄で膵液の流出障害が生じると膵液中Gla含有値が増量するために膵液中のカルシウムと結合し膵石が形成され易くなると結論した.
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井上 修二, 棟久 龍夫, 中田 恵輔, 河野 健次, 室 豊吉, 佐藤 彬, 古河 隆二, 石井 伸子, 楠本 征夫, 小路 敏彦, 長瀧 ...
1983 年 80 巻 9 号 p.
1792-1795
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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清水 淳, 吉益 均, 桜林 忍, 杉浦 玄, 滝沢 秀樹, 宮崎 浩一, 杉本 栄一, 西里 吉則, 斉藤 利彦, 芦沢 真六
1983 年 80 巻 9 号 p.
1796-1799
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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岡井 高, 森本 日出雄, 森岡 健, 若月 寿之助, 松木 伸夫, 片山 外一, 山岸 満, 永川 宅和, 登谷 大修, 田中 延善, 加 ...
1983 年 80 巻 9 号 p.
1800-1803
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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1切除例と文献的考察
小林 英司, 川口 英弘, 吉川 時弘, 内藤 万砂文, 吉田 奎介, 山際 岩雄, 椎名 真
1983 年 80 巻 9 号 p.
1804-1808
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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高橋 仁公, 山田 昇司, 新井 孝之, 竹沢 二郎, 市川 邦男, 阿部 毅彦, 佐伯 俊一, 桜井 誠司, 山田 俊彦, 長嶺 竹明, ...
1983 年 80 巻 9 号 p.
1809-1812
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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藤本 秀明, 鹿戸 福子, 大草 敏史, 西浦 政代, 別所 博子, 中村 理恵子, 宮坂 京子, 久山 泰, 林 正孝, 岡田 弘, 桃井 ...
1983 年 80 巻 9 号 p.
1813
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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剖検例と大腸ポリープにおける検討
中嶋 俊彰, 中川 義弘, 佐野 敦, 奥野 忠雄, 瀧野 辰郎, 竹田 彬一, 辻 俊三
1983 年 80 巻 9 号 p.
1814
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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胆汁酸, ビリルビンの膵内分泌への影響
三芳 端, 山川 達郎, 広沢 邦浩, 伊藤 誠二, 加藤 一富, 飯泉 成司, 川端 啓介, 宇井 義典, 杉 洋一
1983 年 80 巻 9 号 p.
1815
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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林 仁守, 小笠原 鉄郎, 佐藤 郁郎, 目黒 真哉, 山形 倫, 三田 正紀, 当麻 忠, 松代 隆
1983 年 80 巻 9 号 p.
1816
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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Glycosylated Hemoglobin (St•GHb8) の臨床応用について
丸上 善久, 尾形 佳郎, 上田 政和, 星野 忠夫
1983 年 80 巻 9 号 p.
1817
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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