日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
97 巻 , 6 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 高森 繁, 二川 俊二
    2000 年 97 巻 6 号 p. 673-679
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    食道・胃静脈瘤に対する治療として,内視鏡下治療,バルーン下逆行性経静脈的塞栓療法,経静脈的肝内門脈静脈短絡術などの非観血的治療,および外科的治療が行われている.静脈瘤は側副血行路の途中に出現するため,門脈血行動態からみた理想的治療とは,供血路を含めた静脈瘤治療かつ排出路の温存を行うことである.非観血的治療では個々の治療法を独立して行うと,血行動態上不十分なために遺残・再発が高くなることがあり,症例によっては手術治療を含めた他治療との併用療法を行うことでより高い治療効果が期待できるものと考えられる.
  • 米村 豊, 遠藤 良夫
    2000 年 97 巻 6 号 p. 680-690
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    腹膜播種は原発巣漿膜から離脱した腹腔内遊離癌細胞が3種類の転移経路を経て形成される.遊離癌細胞の転移経路として乳斑や横隔膜にあるリンパ管基始部(小孔,stomata)から中皮下リンパ腔に進入する経リンパ行性転移,腹膜に直接接着する経腹膜転移および卵巣転移の3経路がある.経リンパ行性転移では脈管外通液路としての生理的な腹腔内液の流れにのり癌細胞がリンパ腔に達するので早期に転移が完成する.リンパ腔内に進入したあとは経腹膜転移と同じ過程で播種が形成される.経腹膜転移は多段階的に形成される.1)腹膜中皮に接着,2)サイトカインによる中皮細胞の収縮とそれにともなう基底膜の露出,3)基底膜に癌細胞が強く接着,4)中皮下間質へ浸潤,5)癌の増殖と血管,間質の誘導で播種が完成する.この過程がとどこうりなく進行するにはおのおのの過程の成立に必要な分子が多段階的に発現されなければならない.特に重要な分子として,接着因子(E-cadherin,integrin),運動因子(AMF/AMFR,HGF/MET,MTS1),マトリックス分解酵素(MMP7,MT1-MMP,urokinase,とその受容体),血管・リンパ管増殖因子(VEGF,VEGF-C)などである.このようにして完成された腹膜播種は複数の転移関連遺伝子が同時に発現している.したがって単一の分子を標的とした治療では腹膜播種を抑えることはできない.複数の転移関連遺伝子の転写因子であるc-etsを制御するような方法や,腹膜転移の最終段階である血管新生を制御することは新しい腹膜播種の治療法になる可能性がある.また制癌剤と転移関連遺伝子制御を同時に行う方法が将来行われるであろう.
  • 片倉 芳樹, 結城 豊彦, 佐藤 匡, 石田 一彦, 伊藤 啓, 小林 剛, 木村 克巳, 松永 厚生, 野村 美樹子, 菊地 達也, 内海 ...
    2000 年 97 巻 6 号 p. 691-696
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    便潜血陽性胃癌症例の臨床的病理学的特徴について検討した.免疫学的便潜血テスト(immunologic fecal occult blood test:RPHA1日法,以下IFOBT)施行後,外科的または内視鏡的切除を行った胃癌888症例のうち,IFOBTが陽性で大腸肛門病変のない,あるいはあっても5mm以下の微小ポリープのみの75症例を陽性群とし,IFOBT陰性例813症例を陰性群とした.両群において,症状,貧血の有無,部位,腫瘍最大径,深達度および肉眼型,病理組織型の各項目について検討した.1) 胃癌症例におけるIFOBT陽性率は8.4%であった.2) 血中ヘモグロビン濃度の平均値は陽性群で低く,陰性群との比較において有意差を認めた.3) 腫瘍径は陽性群において陰性群に比し,有意に大きかった.4) 陽性群で進行癌の割合が高く,type 2および3の肉眼型を呈するものが多かった.5) 症状,部位病理組織型では,両群間に差はみられなかった.6) IFOBT陽性で,かつ大腸肛門病変のない,あるいはあっても5mm以下の微小ポリープのみの場合は胃癌を含めた上部消化管疾患についての検索も考慮すべきと考えられた.
  • 木村 英明, 杉田 昭, 西山 潔, 嶋田 紘
    2000 年 97 巻 6 号 p. 697-702
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    狭窄症状をともなった十二指腸Crohn病の6症例を経験した.男性3例,女性3例,狭窄症状出現時の年齢は25~46歳(35±7歳)であった.全例に嘔気,嘔吐,4例に心窩部痛を認めた.造影検査では全例に十二指腸球部を中心とした狭窄性病変を認め,内視鏡検査では球部に挿入できた3例で敷石像を認めた.治療は全例に内視鏡下拡張術を試み,2例は有効だったが,長い線維性の狭窄と思われる4例は無効で胃空腸吻合術を施行した.術後経過はいずれも良好であった.
  • 浜本 哲郎, 大久保 美智子, 三浦 直也, 堀 立明, 鶴原 一郎, 浜副 隆一, 元井 信
    2000 年 97 巻 6 号 p. 703-707
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は51歳,女性.上部消化管内視鏡検査ならびに低緊張性十二指腸造影で,十二指腸下行脚から水平脚にかけて,表面が粗大結節状で小型のド-ム状結節が多数集簇したような形態を呈した,比較的丈の低い隆起性病変を認めた.生検では腺腫であったが,癌の存在も否定できないため,外科的にポリープ切除を行った.手術標本では最大径は5.6cmで表面は大小不同の結節の集簇から成っていた.組織学的には腺管絨毛腺腫で,癌は認めなかった.
  • 貴島 深雪, 小金井 一隆, 清水 大輔, 藤井 正一, 鬼頭 文彦, 中村 宣生, 高添 正和, 福島 恒男
    2000 年 97 巻 6 号 p. 708-713
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Crohn病の神経因性膀胱合併例を経験した.症例は38歳,男性.小腸大腸型で回盲部切除術,回腸人工肛門造設術後,保存的治療を受けていたが,排尿困難,残尿などの症状が出現した.CT,MRI上骨盤神経の走行に一致して,傍直腸脂肪織に炎症性変化を認め,Crohn病の直腸病変による骨盤内炎症が原因の神経因性膀胱と診断した、直腸切断術を施行し,術直後より,神経因性膀胱症状の著明な改善を認めた.
  • 石原 靖士, 中江 遵義, 勘野 貴之, 向林 知津, 生馬 和樹, 中沢 和之, 熊本 光孝, 岡 陽子, 谷口 友志, 清水 達也, 土 ...
    2000 年 97 巻 6 号 p. 714-718
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は59歳の肝硬変男性.飲酒時に左上下肢と躯幹を打撲,腰痛と左下肢痛のため入院.出血性ショックを合併し,腹部CTにて左後腹膜出血,左腸腰筋血腫を認めた.血管造影検査で第4腰動脈から造影剤の血管外漏出が同定され,マイクロコイルによる動脈塞栓術にて止血し症状は軽快した.腸腰筋血腫から出血性ショックをきたした肝硬変患者に対してマイクロコイルによる動脈塞栓術を行い良好な結果を得たので報告した.
  • 高橋 和弘, 坂本 典子, 岡田 正史, 為近 義夫, 石橋 大海
    2000 年 97 巻 6 号 p. 719-722
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は57歳女性,1997年12月自己免疫性肝炎と診断され,以後プレドニゾロン維持投与で経過は良好であった.1998年7月下旬より,呼吸困難出現し来院,高度の肝機能障害を認めるとともに,胸部CTで肺野の間質性陰影の増強を認めた.間質性肺炎をともなった自己免疫性肝炎の急性増悪と診断し,メチルプレドニゾロン250mgより投与を開始したところ,速やかに呼吸困難は改善し,血液ガス,肝機能も正常化し,胸部CTの間質性陰影も消失した.自己免疫性肝炎と間質性肺炎の合併はまれであり,また自己免疫性肝炎の急性増悪にともなって間質性肺炎を発症するという興味ある経過をとったので報告する.
  • 高橋 敦史, 鈴木 智浩, 宍戸 昌一郎, 東條 淳, 伊藤 理, 数田 良宏, 渡辺 浩志, 石川 秀雅, 大平 弘正, 小原 勝敏, 粕 ...
    2000 年 97 巻 6 号 p. 723-728
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例1は13歳の男性.肝機能障害と溶血性貧血で発症.血清セルロプラスミン値の低下,尿中銅排泄量の増加,Kayser-Fleischer輪からWilson病と診断されD-ぺニシラミンを投与された.しかしビリルビンの上昇と意識障害が出現し,血漿交換療法を施行され改善した.症例2は15歳の女性.黄疸と溶血性貧血で発症.血清セルロプラスミン値の低下,尿中銅排泄量の増加,Kayser-Fleischer輪からWilson病と診断され,D-ぺニシラミンの投与と血漿交換療法を施行され一時改善.しかしD-ぺニシラミンから塩酸トリエンチンへの変更にともない再び溶血性貧血が出現し,再度血漿交換療法を施行され塩酸トリエンチンの増量にて改善が得られた,溶血発作・肝不全症状で発症し内科的治療が奏功したWilson病の2例を報告した.
  • 追矢 秀人, 木岡 清英, 中井 隆志, 青木 哲哉, 川崎 靖子, 倉井 修, 根引 浩子, 大川 清孝, 岡 博子, 針原 重義, 川井 ...
    2000 年 97 巻 6 号 p. 729-734
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,男性.C型肝硬変で外来通院中,腹部超音波検査で肝S8に径12mm大と径17mm大の低工コー腫瘤を認めた.ダイナミックCTおよび造影MRI所見より横隔膜側の腫瘤は肝細胞癌を疑い,肝門部側の腫瘤より肝生検を行った.病理組織像は胆管細胞癌であった.血管造影所見も合わせて肝細胞癌および胆管細胞癌の重複癌を疑い,前区域切除術および肝十二指腸間膜内リンパ節郭清術を施行した.切除標本は,横隔膜側が肝細胞癌,肝門部側が胆管細胞癌であった.
  • 丹羽 克司, 高野 健市, 中川 浩, 磯部 和男, 石川 英樹, 志津 裕子
    2000 年 97 巻 6 号 p. 735-739
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は48歳,女性で,発熱・肝障害にて当院紹介された.無黄疸であったが,CT・エコーにて胆管拡張認め,ERCPにて乳頭部癌と診断した.乳頭周辺粘膜にも異常を認めた.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行,切除標本では腫瘤は乳頭に限局し,周辺粘膜は退色調であった.病理組織学的には乳頭より深部へ浸潤する中分化型腺癌と表層進展する高分化型腺癌を認めた.表層進展する乳頭部癌は世界でも3例しか報告がなかった.
  • 萩原 武, 藤永 明, 中馬 誠, 長川 達哉, 宮川 宏之, 須賀 俊博
    2000 年 97 巻 6 号 p. 740-744
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    副甲状腺機能亢進症による高Ca血症を原因とする膵石症を2例経験した.膵石症を合併しアルコール多飲歴がない慢性膵炎では,成因として副甲状腺機能亢進症による高Ca血症を考慮する必要があると考えられた.副甲状腺腺腫摘出術を行い高Ca血症を改善した後,ESWLを施行し膵石を除去する事により,膵内分泌機能,外分泌機能を維持することが可能であった.
  • 鈴木 千春, 和光 儀威, 細井 仁, 小笠原 隆, 星野 恵津夫, 久山 泰, 滝川 一, 三宅 和彦, 志賀 淳治
    2000 年 97 巻 6 号 p. 745-747
    発行日: 2000/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • 加藤 元嗣, 安部 潔
    2000 年 97 巻 6 号 p. 748
    発行日: 2000年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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