日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
111 巻 , 9 号
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総説
  • 泉 並木
    2014 年 111 巻 9 号 p. 1741-1746
    発行日: 2014/09/05
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎では,インターフェロン+リバビリンに経口抗ウイルス薬を加えた3剤併用によって,初回治療例では9割の症例でウイルス排除が得られるようになった.さらに経口抗ウイルス薬のみによるウイルス排除が期待されるようになったが,経口薬のみの場合には治療前に存在する薬剤耐性変異が効果に大きく影響し,ウイルス排除が不成功になった場合には多剤耐性になるリスクがある.個々の症例の肝発癌リスクなどの治療要求度と,それぞれの薬剤の効果を予測して,治療時期とどの薬剤を選択するのかが重要な課題である.また,ウイルス排除が得られた後も肝発癌をきたす症例があることに十分留意すべきである.
今月のテーマ:C型肝炎治療の新時代を迎えて
  • 今村 道雄, 茶山 一彰
    2014 年 111 巻 9 号 p. 1747-1753
    発行日: 2014/09/05
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    DAA(direct-acting antiviral agent)の登場によりC型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法の治療成績は飛躍的に向上した.プロテアーゼ阻害薬+ペグインターフェロン(PEG-IFN) +リバビリン併用療法により,難治性であるgenotype 1b型高ウイルス量の症例に対しても80%以上のウイルス排除率が得られる.さらに近い将来,IFNを使用しないDAA併用療法が使用可能となる予定である.どのような時期にどのような治療を行うべきか,その判断には,個々の症例において肝発癌のリスク,IFNに対する反応性および認容性,さらには薬剤耐性変異の有無などから総合的に考慮することが重要である.
  • 八橋 弘
    2014 年 111 巻 9 号 p. 1754-1764
    発行日: 2014/09/05
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    HCV感染の自然経過,病期の進展に影響を及ぼす因子,IFN治療による発癌抑止効果について概説した.今後,IFNを用いずにHCVに特異的な抗ウイルス剤であるDirect-Acting Antivirals(DAAs)を用いることで新規のHCV感染関連肝癌患者数のさらなる減少が期待される.しかし,その一方で,高齢者や肝硬変患者でのウイルス駆除成功例の絶対数が増加することから,ウイルス駆除後の発癌例の絶対数は今後増加することが予想される.現時点では,高齢,肝線維化進展例,治療後AFP非低下例は,HCV排除後も依然として発癌リスクが高いことを前提に患者の経過観察を行うべきであろう.
  • 吉治 仁志, 福井 博
    2014 年 111 巻 9 号 p. 1765-1773
    発行日: 2014/09/05
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス療法の進歩は目覚ましいものがあり,今後多くの症例においてウイルス排除が可能となると考えられる.しかし,ウイルス排除が全例で可能とはならないことや,わが国のC型肝炎患者が今後ますます高齢化することを考えた場合,肝硬変への進展抑制および肝発癌予防といった肝病態進展抑制法の開発はC型肝炎患者の予後改善における重要な治療ターゲットと考えられる.新規薬剤の開発とともに,インスリン抵抗性やレニン・アンジオテンシン系などC型肝炎の病態に関連する既存薬剤を組み合わせて投与する「カクテル療法」による治療が試みられており,一定の成果が報告されている.
症例報告
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