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舟木 康, 飯田 章人, 下郷 彰礼, 山口 純治, 田邉 敦資, 田村 泰弘, 井澤 晋也, 小笠原 尚高, 佐々木 誠人, 春日井 邦夫
2014 年 111 巻 9 号 p.
1774-1781
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
ジャーナル
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症例は53歳,男性.食道のつかえ感,嚥下痛から食事摂取も困難となり入院.食道内圧検査にて正常の蠕動波と,非蠕動性で同期性の強収縮波を20%以上に認めた.また非蠕動の強収縮に一致した強い胸痛の訴えから,びまん性食道痙攣症と考えた.画像所見にて全周性の食道壁肥厚と血液検査で好酸球とIgEの上昇を認めたため,アレルギーの関与を考えステロイド治療を開始したところ,症状は著明に改善し食道壁肥厚も軽減した.
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寺田 修三, 松山 泰, 小野田 圭佑, 川合 耕治
2014 年 111 巻 9 号 p.
1782-1788
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
ジャーナル
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症例は69歳男性.広範な腹膜播種病変をともなうGISTに対するイマチニブ投与後に腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome;TLS)を発症したが,治療中断で回復した.ラスブリカーゼ,アロプリノール,大量輸液による予防治療とイマチニブ減量により,治療再開時にTLS再発はなく26カ月寛解を維持している.GISTにおけるTLSの報告は死亡例のみで,TLS再発を抑制しえた症例はまれと考え報告する.
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高嶋 志保, 和唐 正樹, 稲葉 知己, 水川 翔, 泉川 孝一, 石川 茂直, 三好 正嗣, 河合 公三
2014 年 111 巻 9 号 p.
1789-1797
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
ジャーナル
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症例は28歳女性,2経産婦.妊娠12週時に腹部腫瘤を主訴に当院紹介となった.腹部MRI検査で膵頭部に隔壁を有する7 cm大の嚢胞性腫瘤を認め,膵粘液性嚢胞腫瘍と診断.妊娠中期での手術を検討したが,患者は手術を拒否し妊娠の継続を強く希望した.経過中,腫瘍は13 cm大まで徐々に増大したが内部腫瘤は認めなかった.妊娠38週で女児を経膣分娩後に膵頭部核出術を施行し,病理結果は膵粘液性嚢胞腺腫であった.
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石黑 一也, 林 敏昭, 青木 由佳, 丸山 ゆみ子, 池田 博, 石田 禎夫, 篠村 恭久
2014 年 111 巻 9 号 p.
1798-1804
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
ジャーナル
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64歳女性.B型慢性肝炎で通院中の近医から肝機能悪化のため当院紹介.肝生検で肝原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断.化学療法で完全寛解(CR)となり,自家造血幹細胞移植(ASCT)を施行したが2年1カ月後に再発.救援療法でCRとなり同種骨髄移植を施行.その後1年以上CRを維持している.本症例は,ASCT後に再発した肝原発悪性リンパ腫に対して同種骨髄移植を施行し,CRを維持している貴重な症例である.
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菅 宏美, 河岡 友和, 小林 知樹, 平松 憲, 柘植 雅貴, 今村 道雄, 兵庫 秀幸, 川上 由育, 相方 浩, 茶山 一彰
2014 年 111 巻 9 号 p.
1805-1810
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
ジャーナル
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症例は80歳代女性.C型慢性肝炎の経過観察中に肝細胞癌再発を認め,シスプラチンを用いて肝動注化学塞栓術を施行した.その後不穏・見当識障害が出現.血清Na値116 mEq/Lで,血漿浸透圧低値,尿浸透圧高値であった.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群と診断し,生理食塩水投与によって4日目に意識清明となった.シスプラチンによる薬剤性に加え,輸液による電解質異常が原因と考えられた.
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井口 亮輔, 関 寿人, 川村 梨那子, 岡崎 敬, 井上 肇一, 村上 浩一, 中丸 洸, 岡崎 和一
2014 年 111 巻 9 号 p.
1811-1819
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
ジャーナル
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40歳代,女性.腹部膨満感のため当科受診.腹部CT,上部消化管内視鏡にて,肝腫大,腹水貯留,食道静脈瘤を認めたため精査加療目的に入院となる.経皮経肝肝静脈造影にて,Budd-Chiari症候群と診断し,PTAと血管内ステント留置術を施行した.しかし術後5カ月目に食道静脈瘤破裂にて緊急入院となる.肝静脈造影にてステント閉塞を認めたため,再度血管内ステント留置術を施行した.以後再閉塞は認めていない.
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吉澤 尚彦, 肱岡 範, 水野 伸匡, 原 和生, 今岡 大, 田近 正洋, 田中 努, 石原 誠, 丹羽 康正, 山雄 健次
2014 年 111 巻 9 号 p.
1820-1828
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
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60歳代女性.膵腫大を指摘され紹介.EUS-FNAにて膵神経内分泌腫瘍(G2)と診断.門脈浸潤が著明で切除困難と判断.S-1を7カ月服用後,エベロリムスが承認されたため10 mgにて開始した.4カ月目に咳嗽,発熱が出現.間質性肺炎と診断.アフィニトール
®適正使用ガイドのGrade 2と判断し,休薬およびステロイド30 mg/日を開始.症状は速やかに改善し,ステロイドを中止後,エベロリムスを再開し10 mgを服用して治療継続中である.
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樋本 尚志, 野村 貴子, 谷 丈二, 三好 久昭, 森下 朝洋, 米山 弘人, 黒河内 和貴, 串田 吉生, 渡辺 精四郎, 正木 勉
2014 年 111 巻 9 号 p.
1829-1836
発行日: 2014/09/05
公開日: 2014/09/05
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症例は55歳の女性.10年ほど前から不全型CREST症候群および慢性甲状腺炎を指摘されていたが,原因不明の急性肝炎を発症した.無治療で自然寛解した後に再度肝機能異常を認めた.血清IgG値は正常範囲内であったが,肝生検でinterface hepatitisやリンパ球,形質細胞浸潤の所見がみられ,国際診断基準によって自己免疫性肝炎と診断した.
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