日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
98 巻 , 5 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 熊田 博光
    2001 年 98 巻 5 号 p. 503-511
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    我が国ではB型慢性肝炎に対してはインターフェロンの4週間投与が主体に治療されてきたが,残念ながらe抗原陰性化率は約20%であった.今回,逆転写酵素阻害剤であるラミブジンを投与することにより,1年間のHBV-DNA陰性化率は90%,血中トランスアミナーゼ正常化率も90%以上にみられ,また組織像も大部分の症例が炎症所見の改善がみられた.一方,ラミブジン1年以上投与例で,特にe抗原陽性例のHBV-DNAがTMA法で108以上の症例では半数以上にラミブジン抵抗性のYIDD,あるいはYVDDのmutantが出現し,肝炎の悪化がみられた.以上のことより,ラミブジンの投与にはe抗体陽性例やe抗原陽性例でもウイルス量が少ない症例が第一選択になると考えられる.
  • 竹原 徹郎, 林 紀夫
    2001 年 98 巻 5 号 p. 512-524
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎のインターフェロン(IFN)治療は,約3分の1の患者に根治的な疾病の改善を提供し,肝発癌の危険を低減した画期的な治療法である.しかし,一方では1型の高ウイルス群に代表されるIFN難治例が存在すること,IFN治療に奏効しなかった症例に対する再投与の成績が必ずしも良好ではないことなどの問題が残されている.リバビリンとIFNの併用療法やペグインターフェロン製剤の登場は,IFNに反応する症例の投与終了後の再発率を下げ,著効率を改善する上で有力な治療法である.今後これらのIFNを中心とした抗ウイルス療法の治療効果を予測する因子を詳細に解析し,個々の患者にとって必要かつ十分な治療法を提供することが重要である.また,約3分の1の患者にみられるIFNに反応しない無効群に対する有効な抗ウイルス療法の開発が今後に残されている大きな課題である.
  • 降籏 正, 川又 均, 大杉 理恵, 佐藤 茂秋, 窪田 敬一, 藤盛 孝博
    2001 年 98 巻 5 号 p. 525-532
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    ラット大腸発癌モデルを用い,腫瘍発生に及ぼす炎症の関与を検索した.F344ラットを発癌剤1,2-dimethylhydrazine(DMH)で処理後,炎症誘発剤Trinitrobenzene sulfonic acid(TNB)で大腸炎を誘発したところ,前癌病変と考えられているAberrant crypt foci(ACF),大腸癌ともに,炎症をおこさなかった群に比較して発生率が上昇した(p<0.01).また,ACFの発生率と腫瘍の発生率には正の相関が認められた.さらにDMH処理し,TNBで大腸炎を誘発した後に2種類の抗炎症剤(Fenbufen,PAF-RA)の投与を行ったところ,PAF-RA投与を行った群でのみ有意にACFの発生が抑えられた(p<0.05).
  • 山根 建樹, 加藤 弘之, 中村 眞, 石井 隆幸, 古谷 徹, 新谷 稔, 藤瀬 清隆, 川村 忠夫, 小林 正之, 増田 勝紀, 戸田 ...
    2001 年 98 巻 5 号 p. 533-537
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    54歳,女性が排便時出血のため来院した,注腸造影,内視鏡検査で全大腸に頂部に潰瘍をともなう粘膜下腫瘍様隆起が多発しており,原発性AL型アミロイドーシスと診断された.組織所見で粘膜下層はアミロイドの大量沈着のため著明に肥厚し,粘膜固有層は菲薄化しており,虚血および便による機械的な刺激により潰瘍が形成されたものと推察された.特異的な画像所見を呈した興味深い消化管アミロイドーシスの1例と考えられた.
  • 浦岡 正義, 浦岡 佳子, 松浦 恵美子, 今井 良久, 大森 克介, 大朏 祐治
    2001 年 98 巻 5 号 p. 538-543
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性5日間つづく嘔気・嘔吐を主訴に来院,腹部超音波検査で上部小腸の著明な拡張と先端の狭窄像を認め,経口小腸造影にて空腸に陥凹を有する全周性腫瘤を描出した.原発性小腸癌による腸閉塞と診断し手術を施行した.病変はトライツ靭帯より20cm肝門側に2.5×1.5cmの周堤を有する潰瘍性病変で,2型進行癌と診断した.さらに,十二指腸球部と回腸末端部を除く全小腸に散在性の黄色調粘膜下腫瘤を認め,小腸に限局した結節性のALアミロイドーシスと組織診断した.小腸限局性結節性アミロイドーシスは自験例を含め過去22年間に13例の報告しかなく,小腸癌の合併例はみられなかった.
  • 福田 有希子, 芹澤 宏, 矢島 知治, 渡辺 憲明, 浜田 慶城, 熊谷 直樹, 土本 寛二, 亀山 香織, 日比 紀文, 石井 裕正
    2001 年 98 巻 5 号 p. 544-548
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は24歳,女性.14歳時より潰瘍性大腸炎と診断され,再燃と寛解を繰り返し,直腸膣瘻,肛門周囲膿瘍を合併した.急性増悪期には中心静脈栄養管理とし,ステロイド増量および動注,抗生物質投与により粘膜病変や膿瘍の軽快がみられ,その後瘻孔症状は持続するもののメトロニダゾール内服,ステロイド注腸療法の追加により寛解がえられた,潰瘍性大腸炎における直腸膣瘻形成は本邦では極めてまれであり,また,瘻孔合併症例の保存的加療という点でも貴重な症例と考えられた.
  • 中村 浩之, 茂出木 成幸, 西崎 泰弘, 村松 親, 小林 文徳, 板倉 勝, 千野 修, 近藤 泰理, 渋谷 誠, 松崎 松平
    2001 年 98 巻 5 号 p. 549-552
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は69歳女性,下血を主訴に入院した.上部下部消化管には異常を認めず,小腸二重造影で回腸に結節状隆起性病変が認められた.出血性小腸腫瘍の診断で部分切除術を施行,病理組織診断はHeinrich III型の迷入膵であった.回腸迷入膵は小児の腸重積として発症することが多く,成人の消化管出血例はきわめてまれであるため文献的考察を加え報告した.
  • 猪熊 哲朗, 上尾 太郎, 柴峠 光成, 井谷 智尚, 三村 純, 小森 英司, 藤堂 彰男, 小川 栄一, 北村 浩, 松枝 重樹, 荻野 ...
    2001 年 98 巻 5 号 p. 553-558
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は46歳男性で発熱・腹痛を訴え入院した.活動性肺結核の診断で抗結核薬投与開始し,腹部症状も改善した.治療開始6カ月後に,突然誘因なく汎発性腹膜炎をきたし,緊急開腹術を受けた.当初より認めた回腸の狭窄部にて穿孔しており,回盲部を含めて病巣部を切除した.腸結核において穿孔は比較的まれな合併症であるが,過半数が治療中に発生しており,注意が必要と考え,文献的考察を加え報告した.
  • 谷村 恭子, 金沢 秀典, 吉本 均, 小泉 信人, 間宮 康貴, 長田 祐二, 黒田 肇, 坂本 長逸, 小林 正文, 下田 隆也, 新井 ...
    2001 年 98 巻 5 号 p. 559-563
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    難治性大量腹水を有するII型肝腎症候群合併肝硬変症例をTIPSにより治療した.患者の腎機能障害を考慮し造影剤としてCO2を用い安全にTIPSを行い得た.TIPS後腎機能および腹水は軽快し,15カ月後の現在まで,II型肝腎症候群の改善と日常生活動作の向上が得られている.本例の経験から,難治性腹水を主症状とするII型肝腎症候群の治療法としてTIPSが有効なことが示唆され,また,腎障害合併例におけるTIPSに際しCO2を造影剤に用いることは有用と思われた.
  • 道免 和文, 千住 恵, 西本 愛, 重松 宏尚, 山崎 文朗, 入江 康司, 石橋 大海
    2001 年 98 巻 5 号 p. 564-568
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,女性.蛋白尿,浮腫を主訴に入院した.低補体血症,高IgM血症,クリオグロブリン血症を認め,腎生検で膜性増殖性糸球体腎炎の所見が得られた.同時に肝機能障害,HCV RNA血症を認め,組織学的に慢性活動性肝炎像を示した.クリオグロブリン血症,膜性増殖性糸球体腎炎をともなった慢性C型肝炎と診断し,インターフェロン療法を施行した.HCV RNAの陰性化と共に尿蛋白の著減,クリオグロブリン血症の改善がみられた.本症例はクリオグロブリン血症,膜性増殖性糸球体腎炎,慢性C型肝炎の相互の関連性を強く示唆する貴重な症例と考えられた.
  • 稲森 正彦, 香山 秀之, 坪井 秀夫, 戸川 淳一, 遠藤 雄一, 海部 大樹, 富永 静男, 及川 秀樹, 名倉 宏, 内藤 実, 斎藤 ...
    2001 年 98 巻 5 号 p. 569-571
    発行日: 2001/05/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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