日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
74 巻 , 6 号
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  • 小野寺 紘一, 早川 勝
    1977 年 74 巻 6 号 p. 709-719
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine水溶液をラットに注腸して大腸腫瘍を発生させ, これらについてオートラジオグラムによる細胞動態学的検索を行なつた.その結果, 大腸癌と腺腫巣との間に細胞動態学的な差は認められず, 正常粘膜とは異なり細胞分裂の特定の部位はなく, 腫瘍細胞の寿命は一定ではなかつた.また, 異型は認められないが分裂部位が表層近くまで拡大しているところが発見された.以上のことより, 腫瘍の発生過程において, まずサイミジン取込み部位が腺窩底から表層近くに拡大し, 小隆起が形成され, 表層でもサイミジンの取込みがみられるようになり, 異型が出現して腫瘍が完成するものと推定された.
  • 大屋 敬彦
    1977 年 74 巻 6 号 p. 720-731
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝細胞の色素取り込み機構を解明するため, 肝臓のICG色素取り込み速さ, 類似色素が色素取り込み速さに及ぼす影響, 肝細胞と色素の結合, 肝臓或いは浮遊肝細胞を用いた同一或いは類似色素投与により, 肝臓に透過蓄積された色素の移動を検討した.その結果, 血中ICG色素は主にリポ蛋白と結合して存在する.肝臓のICG色素取り込み速さには最大値が存在し, ICG色素取り込み速さは類似色素により競合阻害をうける.肝細胞に透過蓄積された色素は, 新たに加えられた同一或いは類似色素によりexchange diffnsionが認められる.以上の結果から, 血中の色素は単純な拡散で肝細胞へ入るのではなく, 肝細胞膜を介して細胞内へ運搬輸送されると考えられる.
  • 吉川 敏一, 竹村 周平, 加藤 治樹, 横江 信義, 池崎 稔, 今西 仁, 近藤 元治, 細川 計明, 滝野 辰郎, 増田 正典
    1977 年 74 巻 6 号 p. 732-739
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝疾患では血清vitamin Eが低下すると報告されているが, その機序は不明である.肝疾患を中心に血清vitamin Eを測定した結果, 急性肝炎, 劇症肝炎, アルコール性肝炎においてvitamin Eの低値がみられ, またvitiamn Eとβ-lipoproteinの間に有意な相関がみられた.肝疾患患者に高頻度に血清と血漿との間の補体解離が存在すること, またそれがvitamin Eによりin vitroで抑制されることが近藤らにより補体のcold activation (J. Immunol., 117: 486, 1976) として報告されており, 補体系へのvitamin Eの関与が示唆されている.しかし肝疾患患老において, 補体解離とvitamin E濃度の間には, 一定の関連はみられなかつた.
  • 三木 一正, 鈴木 宏, 飯野 四郎, 丹羽 寛文, 織田 敏次
    1977 年 74 巻 6 号 p. 740-747
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    37例の胃癌, 14例の大腸癌および1例の食道癌のアルカリフォスフアターゼ (ALP) アイソエンザイムの酵素学的・免疫学的検討を行なつた.手術材料を用い, Morton変法により癌組織のALPを抽出し試料とした.胃癌組織中に前報の3つのALPアイソエンザイムに加えて, 新たに2つの明瞭な活性帯 (ALPdおよびALPe) が分離された.ALPdの酵素学的・免疫学的性質は既報のヘバトーマALP (Warnock's variant ALP) と同様で, 2例 (5%) に認められた.ALPeの電気的易動度は従来の血清中の肝性ALPよりも陽極側で, 既報の胎児小腸ALPとほぼ一致した.また, 電気的易動度を除く酵素学的・免疫学的性質は小腸ALPと同様で, 1例 (3%) に認められた.なお, 大腸癌組織中にも, このALPeが1例認められた.これらALPdおよびALPeなどのALPアイソエンザイムはALPbと同様に, 癌細胞の遺伝情報発現の異常の1つと考えられる.
  • 多羅尾 和郎, 蘇 鴻偉, 諸井 球樹, 池内 孝夫, 遠藤 修, 巣山 隆, 福島 孝吉
    1977 年 74 巻 6 号 p. 748-754
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝硬変症の有腹水群29例, 無腹水群17例, 肝性脳症群5例, 計51例につき, 血中・腹水中のEndotoxinをLimulus lysate testにて検索し, 種々の臨床所見と比較検討した.Endotoxin検出率は, 有腹水群腹水で79.3%, 血中で75.9%と高率であつたのに対し, 無腹水群では23.5%と低率であり (p<0.01), 肝性脳症群では40%であつた.高濃度検出例も, 有腹水群で高率であつた.Endotoxemiaと肝シンチグラムでは, エンドトキシン陽性例では肝が著明に萎縮し, 肝のuptakeも著明に低下しているものが多かつた.Endotoxemiaと6ヵ月以内の死亡率では, 陽性例では48.7%と, 陰性例の16.7%に比し, 有意に高く, 特に有腹水群のEndotoxin陽性例では約60%が7ヵ月以内に死亡した.同一症例のEndotoxin陽性時と陰性時における肝機能検査では, 陽性時にGOTの高い例が多かつた.
  • 岡田 武志
    1977 年 74 巻 6 号 p. 755-764
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    抗ウイルス作用のあるLysozyme (LZM) の肝炎における臨床的意義を知る目的で, 各種肝疾患98症例の血清LZM (S-LZM) 酵素活性をMicrococcus lysodejkticusを用いた比濁法により測定し, HBs抗原との関連性を検討した.その結果, 急性肝炎では, HBs抗原の有無との関連がなく, 抗体の消長と関連した症例が認められたが, 慢性肝炎, 肝硬変では, HBs抗原陽性例は陰性例に比較し低値を示した.劇症肝炎では, s-LZM値は昏睡時低下したが, 急性肝炎, 慢性肝炎, 肝硬変では, むしろ健康人より高値を示し, かつ肝細胞の変性程度, 食細胞, Kupffer星細胞反応の程度と密接に関連していた.以上のことから, s-LZM値の測定は, 肝炎の病態を知る上で重要であると考えられた.
  • 渡辺 晃, 樋渡 信夫, 山形 敞一
    1977 年 74 巻 6 号 p. 765-773
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    最近22年間に東北大学第三内科を訪れた潰瘍性大腸炎159例を厚生省特定疾患潰瘍性大腸炎調査研究班の診断基準にしたがつて直腸炎, 左側大腸炎, 全大腸炎, および区域性大腸炎に分類し, 全・左側大腸炎すなわち定型的潰瘍性大腸炎と直腸炎とも対比させながら, その頻度, 症状, 臨床検査成績, 合併症, 転帰, および予後について検討した.その結果, 初診時には直腸炎が本症の約1/3を占めていること, 経過観察中に直腸炎の18%が全・左側大腸炎に移行したこと, 直腸炎は本症の軽症型と考えられること, などの結論をえた.また, 本症の年齢別頻度は諸外国と同様に二峰性の曲線を示すことを認めた.
  • 佐藤 英司, 藤田 謦士, 稲垣 威彦, 井上 恭一, 佐々木 博, 市田 文弘
    1977 年 74 巻 6 号 p. 774-778
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ニコチン酸誘発試験を用い, Gilbert病3例と健常者5例を比較し, 血清総ビリルビン値の最大上昇量において, 前者で1.60±0.64mg/dl.後者で0.52±0.12 mg/dlと有意 (P<0.05) の差を得, その確定診断における有効性を確認した.またその意義については, 施行例での血清鉄の上昇や摘脾後の患者での血清総ビリルビン値の上昇がほとんどみられないことより, 脾を主とする骨髄, 肝での網内系の刺激でおこる溶血による内因性ビリルビン負荷によるものと考えられた.以上をもとに, 溶血性疾患, Dubin-Johnson症候群, Rotor症候群, 高間接ビリルビン血症を伴う肝硬変につき, 本試験を用い, その病態を検討した.
  • 飯田 洋三, 河村 奨, 沖田 極, 浦山 澄夫, 武波 俊彦, 中村 克衛, 竹本 忠良
    1977 年 74 巻 6 号 p. 779-789
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    十二指腸癌はきわめてまれな疾患であり, その診断, とくに早期に発見することは困難である.当教室で診断しえた原発性十二指腸癌3例および転移性十二指腸癌5例について報告し, 文献的考察を加えた.本疾患の予後はきわめて悪く, とくに転移性十二指腸癌は全て切除不能であつた.隆起型の転移を呈した2例の生検組織像において, リンパ管内に腫瘍細胞が認められ, リンパ行性転移と考えた.IIa様隆起が増大しBorr・I様に発育し, さらに表面の潰瘍形成によりBorr・II~Bor・III様へと進行する可能性も示唆された.
    本症を診断するにはx線検査でわづかでも異常がチェックできれば, 内視鏡による精密な検査が要求される.
  • 野本 修平, 北川 武志, 池袋 英一, 伊東 信, 田口 孟, 淡河 秀光, 伊藤 憲一
    1977 年 74 巻 6 号 p. 790-794
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 福島 恒男, 臼田 和正, 石黒 直樹, 堀 嘉一郎, 松下 和彦, 間宮 紀治, 松田 好雄, 竹村 浩, 土屋 周二
    1977 年 74 巻 6 号 p. 795-801
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 山口 希, 木本 征司, 大見 甫, 井上 頴樹, 青池 晟, 小川 博正, 鈴木 進吾, 池内 秀夫, 竹内 覚, 田中 多恵子, 川井 ...
    1977 年 74 巻 6 号 p. 802-808
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    47歳女性.枢気, 全身倦怠感を主訴として昭和51年3月来院.種々腎機能検査に異常を認めないのに尿amylaseは常に低値をとり, 血清amylase値は高値を持続しamylase clearanceは0.34ml/min.と著明な低値を示したことよりmacroamylasemiaを疑つた.血清の寒天ゲル電気泳動, polyacrylamide gel電気泳動によるamylase isoenzyme patternで正常とは異なる位置に幅広いamylase活性帯が認められ, 免疫電気泳動後のヨード澱粉反応ではIgA沈降線に明瞭なamylase活性が証明され, さらにSephadex G200を用いた分析ではamylase活性は7Sと19Sの中間に位置し, pH3.4 glycine-HCI処理によりこの位置のamylase活性は4S peakより分子量の小さい領域に検出される.なお, 抗IgAを用いた免疫沈降反応では沈降蛋白量の増加とともに上清のamylase活性の低下をみた.またpHを下げamylaseとの結合を解いた本患者のIgA分画はほかの正常ヒトamylaseとも結合することが判明した.
  • 1977 年 74 巻 6 号 p. 809-817
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 74 巻 6 号 p. 818-847
    発行日: 1977/06/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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