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幸田 久平, 新津 洋司郎, 伊藤 信行, 大和田 稔, 文屋 学, 平田 健一郎, 板谷 晴隆, 高後 裕, 漆崎 一朗
1984 年 81 巻 11 号 p.
2729-2737
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ヒト線維芽細胞 (IMR 90) 培養上清I型プロコラーゲンC末端ペプチド (PIC) を抽出, そのラジオイムノアッセイ (RIA) 法を確立してスキルス胃癌患者血清中のPICを測定しその臨床的意義を検討した. また同患者血清のIII型プロコラーゲンN末端ペプチド(PIIIN)をヘキスト社製PIIIN-RIAキットを用いて測定しPICと比較した. 血中PIC値は正常人で42±19ng/mlに対してスキルス胃癌で102±56ng/ml, 陽性率(80ng/ml以上)57%と高率に高値を示し, 他の型の胃癌, 胃潰瘍では正常範囲であることからスキルス胃癌の診断的意義を有すると考えられた. スキルス胃癌4例の臨床経過によるPIC値の変動を検討したところ経過を良く反映し治療をモニターする手段として応用可能と考えられた.
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中村 孝司, 足立 千恵子, 鎌上 孝子, 岡田 貴子, 宮 仁志, 小島 昌, 糸数 憲二, 伊藤 善志通, 佐野 直代, 鳥居 正男, ...
1984 年 81 巻 11 号 p.
2738-2742
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
電極を装着した二重管を用い, ヒト小腸を灌流して, 灌流液中のNaCl濃度を変換することによつて起る potential difference (PD) の変化を記録した. この曲線よりPD変化のt1/2を計測し, Diamond の式から機能的不撹拌水層の厚さを算出した. 28例の本邦人における機能的不撹拌水層の厚さは247.9±50.6 (SD) μmであつた.
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IV. Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity に関与するK細胞に対する性ホルモンの影響
東森 俊博, 溝口 靖紘, 沢井 寛子, 筒井 ひろ子, 宮島 慶治, 新井 孝之, 池本 吉博, 阪上 吉秀, 門奈 丈之, 山本 祐夫, ...
1984 年 81 巻 11 号 p.
2743-2747
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
羊赤血球を抗体でコートし, これに末梢血単核細胞を添加してADCC反応を誘導して性ホルモンの影響を検討した. 単核細胞を一定の濃度の女性ホルモンで前処理して effector 細胞とすると, ADCC反応による溶血は有意に亢進し, 男性ホルモンはこれに拮抗した. また, 単核細胞をシリカで処理して貪食性細胞の機能を抑制してから, 性ホルモンで処理した場合も同様の影響が認められた. さらに, 過剰量の女性ホルモンで単核細胞を処理すると, effector 活性は増強しなかつたが, 低濃度の男性ホルモンを同時に添加して単核細胞を処理するとADCC反応は亢進した. これらの結果から, 性ホルモンは免疫応答を修飾するのみでなく, ADCC反応のような免疫反応にも影響を与えることが示唆された.
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森本 日出雄
1984 年 81 巻 11 号 p.
2748-2753
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性肝炎活動性 (CAH) 20例, 非活動性 (CIH) 10例について, Leu シリーズを用い, PAP法にて肝組織内浸潤リンパ球を検討した. CAHの原因別検討では, piecemeal necrosis の部分では自己免疫型, B型, 非A非B型いづれも Leu 2a 陽性細胞が多く, 3群間に明らかな差は認められなかつた. 一方, 門脈域ではB型, 非A非B型に比し自己免疫型では Leu 2a 陽性細胞は有意に少なく, 自己免疫性肝炎の成因には suppressor T cell の減少がより強く関与していると思われた. また病態別検討では, CIHに比べCAHでは Leu 4, Leu 2a 陽性細胞の割合の低下が認められ, CAHにおける killer T cell の活性化には, suppressor T cell 系が重要な役割を演じている可能性が推測された.
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西村 晃
1984 年 81 巻 11 号 p.
2754-2766
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝癌11例, 非代償期肝硬変18例, 代償期肝硬変16例, 慢性活動性肝炎18例および対照健常成人10例に, L-アラニンを負荷し, 血糖値とそれに関与すると考えられる諸因子を測定し, 慢性肝疾患時におけるアミノ酸よりの糖新生能を検討した. L-アラニン負荷後, (1)血糖値は, 前2群では負の, 後3群では正の推移を認めた. (2)前2群は後3群に比し, 膵A細胞分泌能は著明に亢進していたが, 膵B細胞分泌能は低下していた. (3)前2群では, 高アラニン血症, 高乳酸血症が顕著であり, アラニンの利用障害が考えられた. (4)以上より, 慢性肝疾患では病変の進展とともにアミノ酸とくにアラニンよりの糖新生能は低下していると考えられた.
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リニア電子スキャン•パルスドップラー複合法による定量的測定
森安 史典, 伴 信之, 兼松 雄象, 西田 修, 中村 武史, 酒井 正彦, 内野 治人, 三宅 健夫
1984 年 81 巻 11 号 p.
2767-2774
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
健康成人10例, 慢性肝炎活動性10例, 肝硬変症10例の計30例を対象として, 食事摂取後の門脈血行動態の変化を検討した. 測定には, リニア電子スキャン•パルスドップラー複合装置を用いた. 空腹時の門脈血流量は, 3群間で差を認めなかつたが, 食後1時間では, 正常者群77%, 慢性肝炎活動性群47%, 肝硬変群26%の平均増加率を示し, 3群間に有意差を認めた. 一方脾静脈血流の増加は3群間に有意差を認めなかつた. 本法による測定は, 非侵襲的で生理的条件下で体表から門脈血流を測定し得るため, 従来の方法では困難であつた, 食事負荷などの機能状態下での門脈血行動態の解析に有用と思われた.
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鈴木 博, 鈴木 通博, 秋山 新二郎, 葛西 登, 小池 淑子, 河野 誠, 岡部 和彦
1984 年 81 巻 11 号 p.
2775-2779
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
コラーゲンの架橋形成には lysyl oxidase が積極的に関与することが知られているが, 血中 lysyl oxidase 活性の測定は未だ臨床例では見当たらない. 我々は
3H-lysine-labelled collagen を基質として用い,
3H
2O release assay で活性測定を行なつた. 血漿 lysyl oxidase は正常者に対してアルコール性肝障害 (p<0.01), 原発性胆汁性肝硬変 (p<0.01) 非飲酒肝硬変 (p<0.05) で活性の上昇が認められた. アルコール性肝炎例の線維の消失過程で, 本酵素活性は肝組織線維量と平行して推移した. lysyl oxidase による架橋形成はコラーゲン生成の最終段階の反応であり, 本酵素活性の測定は線維化のパラメーターとして prolyl hydroxylase やプロコラーゲンペプチドと異なつた臨床的意義を有するものと考える.
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慢性四塩化炭素障害肝における検討
井上 敦雄, 佐藤 信紘, 目連 晴哉, 岸田 隆, 笠原 彰紀, 松村 高勝, 林 紀夫, 鎌田 武信, 阿部 裕
1984 年 81 巻 11 号 p.
2780-2785
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
組織酸素電極, 臓器反射スペクトル法を用いて慢性四塩化炭素投与ラットの肝組織酸素分圧, 肝血行動態, およびエタノール負荷の影響を検討した. 肝組織PO
2は健常群23mmHgに対し慢性肝障害群5mmHgと著しく低値であつた. 肝局所血液量の指標となるΔEr569-650, 肝局所血液の酸素化を示すSO
2, 肝局所酸素消費VO
2は慢性肝障害群においてはそれぞれ健常群の86%, 72%, 82%に低下していた. エタノール (1g/kg BW) の経口負荷により肝組織PO
2は健常群ではΔEr 569-650の増加とともに前値の1.5~2倍に上昇したのに対し, 慢性肝障害群では肝組織PO
2はほとんど上昇せず, ΔEr 569-650 の増加も健常群に比し持続が短かくその増加は不充分であつた.
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3H-thymidine autoradiography による検討
石川 治, 大東 弘明, 和田 昭, 今岡 真義, 福田 一郎, Yo SASAKI, 岩永 剛
1984 年 81 巻 11 号 p.
2786-2792
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
N-nitrosobis (2-hydroxypropyl) amine によるハムスター実験膵癌作製過程で,
3H-thymidine autoradiography を施行した. その結果, 異型の程度と標識率との間には正の相関傾向が認められた. 特に膵癌の前癌病変と考えられる重層化した異型増殖巣では, 専ら基底膜に接した一層の上皮において細胞分裂あるいは増殖が旺盛に行われていることが推察された. 一方, その他の部分 (管腔側へ隆起性に突出した部分) は, 基底膜に接した一層の細胞が上方移動してきたものに由来し, 増殖能をもつ細胞は乏しいと考えられた. また, 上方移動してきた細胞が脱落しはじめるのは10~14日目ごろと推察された.
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門野 聡
1984 年 81 巻 11 号 p.
2793-2802
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
N-nitrosobis (2-hydroxypropyl) amine によるハムスターでの実験的膵発癌を光顕, 電顕および9種のレクチン染色により, とくに小膵管様構造を中心に検討した. 小膵管様構造は実験的発癌過程で膵管上皮過形成の認められる以前から出現し, 膵管上皮過形成の出現した時期にはすでに小膵管様構造から発生したと思われる高度異型性病変を認めたことから, 小膵管様構造は前癌病変としての意義を有すると考えられた. また小膵管様構造を電顕下に観察すると, 酵素原様顆粒および粗面小胞体が減少しているが, あきらかに腺房細胞の性格を有するものがあることより, 小膵管様構造は腺房細胞の脱分化により生ずる可能性が推定された. レクチン染色の結果, 小膵管様構造は fucose に, 癌部は fucose および N-acetylgalactosamine に富み, これらの所見は腺房細胞が前癌病変となり, さらに悪性化するのに伴い獲得された細胞の糖鎖構造の表現型と思われた.
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星山 道夫, 永田 成治, 小山 芳雄, 三浦 克敏, 白澤 春之
1984 年 81 巻 11 号 p.
2803-2807
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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原田 貞美, 伊藤 翼, 久次 武晴, 藤原 博, 森 久男, 内田 康文, 木須 達郎, 山岡 宏太郎
1984 年 81 巻 11 号 p.
2808-2811
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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森岡 明, 梶村 昌良, 松田 裕子, 松本 正廣, 玉腰 勝敏, 中島 猛行, 金井 弘一, 吉見 輝也, 賀古 真
1984 年 81 巻 11 号 p.
2812-2815
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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中山 恒夫, 西岡 新吾, 松永 誠二, 奥 篤, 矢高 勲
1984 年 81 巻 11 号 p.
2816-2820
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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友田 隆, 森脇 久隆, 大西 弘生, 冨田 栄一, 高井 哲, 武藤 泰敏, 熊田 卓, 奥山 澄彦
1984 年 81 巻 11 号 p.
2821-2825
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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その血行動態の検討
西田 修, 森安 史典, 中村 武史, 伴 信之, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 内野 治人, 三宅 健夫, 熊田 馨, 森 敬一郎, 日笠 ...
1984 年 81 巻 11 号 p.
2826-2830
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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齋藤 博, 土田 成紀, 柿崎 良輔, 福士 道夫, 佐野 正明, 相沢 中, 棟方 昭博, 吉田 豊
1984 年 81 巻 11 号 p.
2831
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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スコア化による試み
神田 勤, 明山 燿久, 吉永 朋子, 南川 辰夫, 末松 俊彦, 上松 一郎
1984 年 81 巻 11 号 p.
2832
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
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板橋 司, 竹田 喜信, 佐伯 正彦, 天津 孝, 福本 健治, 多田 秀樹, 築山 順一, 黎 維明, 大浦 元孝, 藤田 亨, 馬嶋 和 ...
1984 年 81 巻 11 号 p.
2833
発行日: 1984年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー