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平澤 頼久, 浅木 茂, 本郷 道夫, 大原 秀一, 渋谷 大助, 山口 典男, 松田 恵三郎, 豊田 隆謙
1991 年 88 巻 4 号 p.
1043-1050
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
唾液EGFと消化性潰瘍 (PUD) との関連について検討を行つた. 健常者129名とPUD患者232名の唾液中EGF分泌量を求めた結果, PUD患者の分泌量は, 胃潰瘍, 併存潰瘍で健常者と比して有意に高値を示した. 胃潰瘍においては難治群より易治群で分泌量が有意に高値を示し, 易治群のうちでも8週未満の早期治癒群で有意に高い値を示した. また, 非再発群では再発群に比し分泌量は有意に高値を示した. 唾液EGFは潰瘍治癒促進作用を有するばかりでなく, 再発に関連する因子の一つであることが示唆された. 同一患者においては活動期より治癒過程期で有意に分泌量が増加しており, 自己防御的作用が働き, 唾液EGF分泌量が高値を示したものと考える.
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鈴木 公孝, 武藤 徹一郎, 阿川 千一郎, 森岡 恭彦
1991 年 88 巻 4 号 p.
1051-1059
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
1979年より1989年までに潰瘍性大腸炎 (UC) 84例に対しsurveillance colonoscopy (SCF) を行つた. そのうち全大腸炎型60例から, carcinoma 3, dysplasia: high-grade 2, low-grade 4, indefinite 8, 左側型24例から, low-grade 1, indefinite 1例が見いだされた. 全大腸炎型より発見される dysplasia の割合は indefinite を含めて28%であり, 欧米からの報告とほぼ一致した. Dysplasia 14症例のSCFによる経過追跡で, 低異型度の症例は高異型度に進展したものと逆に消退したものがあつた. 以上の結果よりUCに合併する癌, dysplasia の早期発見にSCFは有用と考えられた.
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角田 明良, 渋沢 三喜, 吉沢 太人, 中尾 健太郎, 保田 尚邦, 築野 和男, 小池 正
1991 年 88 巻 4 号 p.
1060-1065
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
1,2-Dimethylhydrazine (DMH) 誘発実験大腸癌をラットに作製し, 癌および粘膜中の Polyamine 含有量を測定した. 癌はもとより担癌ラットの大腸粘膜に含まれる各 Polyamine 分画 (Putrescine, Spermidine, Spermine) は対照ラットの大腸粘膜より有意に高値を示した. この結果はDMH誘発ラット大腸癌の非癌粘膜の生化学的変化として興味深く, 粘膜中 Polyamine 値が前癌状態のパラメーターになる可能性が示唆された. 大腸癌の発育速度と癌組織中の各 Polyamine 分画の間には, 有意の相関は認められなかつた.
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鈴木 卓爾, 川瀬 建夫, 原田 尚
1991 年 88 巻 4 号 p.
1066-1073
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性肝障害59例 [慢性肝炎 (CH) 群27例, 肝硬変 (LC) 群32例] におけるビタミンE (VitE) の栄養状態を血漿α-toc/総脂質, 赤血球α-tocで評価した. LC群では, 対照群に比し赤血球α-tocと血漿α-toc/総脂質は有意に低く, 赤血球α-tocと血漿α-toc/総脂質は良い相関を示した. VitE 低下症例はCH 3例 (11.1%), LC 12例 (37.5%) とLC群で高頻度であつた. 血清βリポ蛋白 (β-L) 濃度は VitE低下群と VitE 正常群で差はなく, 血漿α-toc/β-Lは VitE 低下群で有意に低かつた. LC群の VitE 低下群とE正常群の間に臨床所見, 肝機能検査, 胆汁うつ滞, 蛋白合成能に有意な差を認めなかつた. LC群での VitE 低下の原因として, 胆汁うつ滞や輸送蛋白の合成障害以外の因子の関与が考えられた.
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滝川 康裕
1991 年 88 巻 4 号 p.
1074-1082
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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急性肝不全における血漿異常プロトロンビンは, latex 凝集法により劇症肝炎82%, 亜急性肝炎100%に陽性を示し, 急性肝炎の33%に比し有意に高かつた. また, 高値例は, ヘパプラスチンテスト, プロトロンビン時間の極めて低下している例が多く, 急性肝障害の重症度判定に有用であつた. この異常プロトロンビンは, Protein induced by vitamin K absence, antagonist-prothrombin (PIVKA-II) に特異的なEIA法では検出されず, また二次元免疫電気泳動法においてもPIVKA-IIとは移動度が異なり, むしろDICにおける異常プロトロンビンと類似していた. 急性肝不全の凝固線溶動態を解明するうえで, この異常プロトロンビンの同定が重要と考えられた.
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田妻 進, 水野 重樹, 佐々木 晴敏, 佐川 広, 初鹿 寿美恵, 峠 誠司, 山下 郡司, 相原 直樹, 梶山 梧朗, 山本 正夫
1991 年 88 巻 4 号 p.
1083-1088
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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ヒト胆嚢胆汁中におけるコレステロール結晶析出 (nucleation) に対して, 抑制的に働くアポ蛋白A-1の作用機序を明らかにする目的で, ヒト胆嚢胆汁中脂質粒子をカラムクロマトグラフィー法にて分画採取し, アポ蛋白A-1の共存した分画を, 経時的に透過型電子顕微鏡にて観察した. アポ蛋白A-1は非ミセル分画中の, 直径200~600Åの形態に多様性を有する disc 様粒子画分に局在し, そのrouleau formtionの巨大化や multilamellar formation を介した microcrystal の析出を抑制した. 以上, アポ蛋白A-1による nucleation の抑制は, disc 様粒子を作用点とし, その安定化により発現することが推察された.
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吉岡 浩, 小山 研二, 佐藤 泰彦, 田中 淳一, 松代 隆, 山崎 匡
1991 年 88 巻 4 号 p.
1089-1096
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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膵管胆道合流異常 (以下, 合流異常) と胆嚢癌の因果関係解明のために, 対照9例, 合流異常26例 (a型21例, b型4例), 胆嚢癌非癌部21例, 胆嚢m癌10例の胆嚢上皮核DNA量を顕微蛍光光度計で測定した. 細胞回転の指標として設定したDNA score の平均値は対照12.1, 合流異常a型27.2, 合流異常b型13.3, 胆嚢癌非癌部14.8, 胆嚢m癌77.2と合流異常a型は胆嚢m癌に次いで有意に高値を示した. 細胞回転の亢進から合流異常a型は前癌状態としての特性を持つものと考えられたが, 細胞回転の亢進していない合流異常b型を勘案すると, 細胞回転だけから癌の発生を論ずることは困難と思われ, 今後細胞回転に影響する因子について詳細な検討が必要である.
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蔡 元奎, 馬場 信雄, 西村 一郎, 真辺 忠夫, 戸部 隆吉
1991 年 88 巻 4 号 p.
1097-1104
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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CCK拮抗剤であるCR1505 (loxiglumide) のCCK-8の膵栄養効果にたいする影響について syriangolden hamster を用いて検討し, さらに, CR1505単独投与による正常膵の成育に対する影響についても検討した.
CCK-8 (50ng/100g体重•用量) による膵栄養効果はCR1505を50mg/kg体重, 100mg/kg体重の用量にて5日間投与することにより用量依存的に抑制され, 100mg/kg体重の用量では完全に抑制された. CR1505を25mg/kg, 50mg/kg, 100mg/kg, 200mg/kg体重の用量をそれぞれ単独投与したところ, 25~100mg/kgの投与量では対照群に比し, 有意な変化を認めなかつたが, 200mg/kg体重の用量の投与では5日間投与後に膵萎縮現象を引き起こした.
以上の結果より, CR1505がCCK-8の膵栄養効果を抑制し, CCK拮抗作用を有することが明らかとなつた. さらに, CR1505投与にて膵萎縮現象をもたらしたことから, CCKが正常膵の成育に必要である可能性が示唆された.
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平岡 俊仁, 小金丸 茂喜, 沖田 道子, 岡田 宏, 曽根 慶久
1991 年 88 巻 4 号 p.
1105-1109
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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佐々木 泰史, 日野田 裕治, 高山 義一, 仲川 尚明, 今井 浩三, 矢花 剛, 谷内 昭, 榎本 克彦
1991 年 88 巻 4 号 p.
1110-1115
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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荻野 英朗, 河合 博志, 小栗 光, 太田 肇, 松下 栄紀, 卜部 健, 金子 周一, 稲垣 豊, 鵜浦 雅志, 小林 健一, 渡辺 秀 ...
1991 年 88 巻 4 号 p.
1116-1120
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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笠原 彰紀, 河野 通一, 萩原 秀紀, 柏尾 真司, 金子 晃, 尾下 正秀, 平松 直樹, 道田 知樹, 篠山 喜昭, 林 紀夫, 房本 ...
1991 年 88 巻 4 号 p.
1121-1124
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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坂本 芳也, 松本 浩利, 嶋崎 玲子, 森田 雅範, 豊永 真智, 鍵山 惣一, 山崎 一明, 高橋 佳伸, 西森 功, 西岡 隆見, 壽 ...
1991 年 88 巻 4 号 p.
1125-1129
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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福嶋 伸良, 道免 和文, 山野 裕二郎, 岩切 龍一, 長野 政則, 岩田 康, 石橋 大海
1991 年 88 巻 4 号 p.
1130-1135
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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高橋 淳, 岩崎 正彦
1991 年 88 巻 4 号 p.
1136-1139
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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とくに pure groove pancreatitis との類似性について
尾関 豊, 鬼束 惇義, 林 勝知, 日野 晃紹, 山田 卓也, 下川 邦泰, 広瀬 一
1991 年 88 巻 4 号 p.
1140-1144
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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有田 正秀, 本村 明, 櫻井 俊弘, 松井 敏幸, 八尾 恒良, 岡田 光男
1991 年 88 巻 4 号 p.
1145
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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永井 賢司, 山本 幹夫, 安東 治英, 松永 勇人
1991 年 88 巻 4 号 p.
1146
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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宮坂 京子, 船越 顕博
1991 年 88 巻 4 号 p.
1147
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
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