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cimetidineによる影響
荒川 哲男, 中村 肇, 小林 絢三
1981 年 78 巻 3 号 p.
647-652
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ラット胃粘膜prostaglandin E
2 (PGE
2)量に対するcimetidineの影響を検討した.対照群の胃体部粘膜PGE2量は1.049±0.227μg/g,幽門部では2.526±0.442μg/gであつたが,cimetidine投与により,それぞれ0.298±0.083,0.414±0.129μg/gと著明に低下した.粘膜cyclic AMP (cAMP)量もcimetidine投与により,体部は1,060±38から774±56pmol/g,幽門部は1,060±88から737±83pmol/gへと,それぞれ,PGE2量の低下と平行して低下した.外因性HCl惹起性胃粘膜病変はcimetidine前処置で増悪し,これはPGE
2投与で抑制された.以上より,cimetidineは,胃において粘膜PGE2量を低下させることにより,粘膜抵抗の減弱をきたすと考えられた.
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III. 抗線溶剤注腸による潰瘍性大腸炎の治療
近藤 元治, 福本 圭志, 吉川 敏一, 竹村 周平, 堀田 忠弘, 杉原 みどり, 古川 泰正, 松浦 史良, 夏 清志
1981 年 78 巻 3 号 p.
653-657
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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潰瘍性大腸炎患者の病変粘膜を生検し,そのplasminogen activatorによる局所線溶が亢進している例では,抗線溶剤t-AMCHAの注腸1回5g,1日1~2回を5~17ヵ月施行することで,ステロイドやサラゾピリンを併用することなく,完全寛解に導入し得ることが明らかになつた.しかも,局所線溶の亢進していない例では効果がみられなかつたことから,本疾患で病変増悪に局所線溶が関与していると考えられる症例では,病変粘膜と高濃度の抗線溶剤が,直接しかも長期間接触する注腸療法が有効であると考えられた.
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第2編 急性および慢性肝不全患者に対する特殊組成アミノ酸投与の臨床効果と血漿アミノ酸組成の変化
村上 広子
1981 年 78 巻 3 号 p.
658-666
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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肝性脳症を伴う肝疾患7例にFischerの特殊組成アミノ酸液(GO-80,アミノ酸量40g)を1回投与したところ,BCAA/AAAの正常化は全例にみられたが,明らかな脳症の改善は3例のみに認められ,脳症改善はBCAA/AAAの正常化の程度や持続時間とは関係がなかつた.肝硬変17例(脳症合併3例)にGO-80を投与すると,BCAA/AAAの一過性の正常化がみられ,それは有意な[BCAA]の上昇と[AAA]の低下によることが判明した.この[AAA]の低下は,GO-80にブドウ糖を併用することによつてさらに増強し,血漿IRI濃度の上昇と平行していた.また,脳症合併例では,GO-80とブドウ糖を併用投与することにより,尿素生成の増加が認められた.
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特に反覆肝生検所見と臨床所見の関連性について
小坂 義種, 為田 靱彦, 西村 晃, 高瀬 幸次郎, 藤本 昌雄, 村山 卓, 伊藤 敏秋, 田川 新生, 明田 昌三, 中桐 俊次, 近 ...
1981 年 78 巻 3 号 p.
667-676
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
過去13年間に経験した97例の慢性肝炎の組織所見による予後と,予後に及ぼす因子の検討を行なつた.初回生検時の組織型と肝硬変化率は慢性非活動性肝炎が0%,慢性活動性肝炎が10.3%,亜小葉壊死を伴う慢性活動性肝炎が27.8%,小葉改築傾向を伴う慢性活動性肝炎が52.2%であつた.40歳以上の症例や,飲酒歴を有する症例では肝硬変化率は高かつたが,観察期間中の副腎皮質ホルモン剤投与の有無と予後とには一定の関係はみられなかつた.初回肝生検時,クモ状血管腫や手掌紅斑がみられた症例や,GOT/GPTが1.0以上,γ-glob 2.0g/dl以上,R
15ICG 20.0%以上,ChE 0.6ΔpH未満の症例は肝硬変化率が高かつた.
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奥田 健治, 香川 恵造, 北村 収, 冨増 寛夫, 高橋 示人, 瀧野 辰郎, 芦原 司
1981 年 78 巻 3 号 p.
677-684
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
発癌物質であるDietylnitrosamineをラットに投与し,発癌過程で出現する大型肝細胞集団の細胞増殖動態及び部分肝切除後の反応性増殖活性を
3H-thymidine autoradiographyによつて検索し,正常肝細胞及び肝癌細胞の増殖活性と対比しながら解析した.大型肝細胞集団は,組織学的に小結節を形成する大型肝細胞結節と,小結節を形成しない大型肝細胞領域の2つのタイプに分けられ,これらの細胞増殖活性は,正常肝細胞に較べ,前者では低く,後者では高い結果を得た.術後の反応性増殖活性の亢進は,肝癌では全く認められなかつたのに対し,大型肝細胞結節及び大型肝細胞領域では正常肝細胞と同様に認められた.したがつてこれらの両者では細胞の増殖制御機構は保たれている点で肝癌とは明確に一線を画すると結論した.
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長田 芳子
1981 年 78 巻 3 号 p.
685-692
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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過去6年間に診断された5cm以下の細小肝癌は15例であり,これらの症例における各検査の診断能は超音波検査15例中14例(93.3%),血管造影法14例中7例(50.0%),シンチグラフィー11例中4例(36.4%),AFP 20ng/ml以上15例中13例(86.7%)であつた.肝硬変合併細小肝癌の超音波所見を次の4型に分類した.I型は非癌部より減弱し内部エコーが乏しい,II型は減弱しているが内部エコーが多いまたは非癌部と同程度,III型は非癌部より増強している,IV型は減弱部と増強部の混合型である.I型(50.0%)とII型(25.0%)が多く,病理学的には腫瘍内に線維がないまたは少しみられた.III型(12.5%)は肉眼的に多数の隔壁または病理学的に多くの線維がみられ,IV型(12.5%)は広範囲な融解壊死部がみられた.
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筋肉型Aldolaseによる消化器癌の診断を中心として
浅香 正博, 長瀬 清, 斎藤 雅雄, 高橋 建二, 森岡 正信, 宮崎 保, 白石 忠雄
1981 年 78 巻 3 号 p.
693-700
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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Aldolaseのisoenzymeの一つである筋肉型ALD (M-ALD)を直接定量し得るradioimmunoassay法を開発し,諸種消化器疾患患者血清について測定を行なつた.正常域は健常人41名の平均値±2SDより,130-210ng/mlとして検討を行なつた.非癌性消化器疾患102例ではその99%が正常値を示した.これに対して消化器癌患者121例ではその82%に血清M-ALD値の上昇がみられた.胃癌ではstage Iで29%,stage IIで61%,stage IIIで93%,stage IVでは100%の異常率を示した.血清M-ALD値は癌疾患において,血清ALD活性と相関を示したが,異常率はほぼ2倍であつた.肝疾患においては血清ALD活性の上昇にかかわらず血清M-ALD値は正常値を示した.LDH, CEA値との比較では癌患老における異常率はほぼ2倍であつた.血清M-ALD値は癌化学療法によりAFP, CEAなどに比し早期に下降する傾向がみられた.開腹手術後1~7日間は血清M-ALD値は良悪性疾患を問わず上昇し,これは手術による筋肉への侵襲のため筋肉組織より血中に放出されたものと思われた.
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(その1)基礎的検討
川口 新一郎
1981 年 78 巻 3 号 p.
701-707
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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99mTC標識肝•胆道系放射性診断薬の肝摂取および胆道排泄に関する機序の一端を知る目的で,ラットを用いBSP 2.0g/100g体重を薬剤と同時に静注した効果を対照ラットと比較した.対照ラット群の30分間腸管排泄はBIDAとPIPIDA(投与量の70-75%)が,EHIDA, HIDAやPI (50-60%)より多く,尿路系排泄は前者(5-7%)が後者(10-20%)より少なかつた.BSP負荷の影響は,試みた全薬剤に認められ,血漿クリアランスはBIDAやEHIDAで著明に遅延を示した.腸管排泄の減少,尿路系排泄,屍体残存の増加はBIDA, PIPIDAおよびEHIDAで著明に認められた.これらの薬剤は胆道系の臨床診断上有用であるのみならず生理学的検討にも寄与するものと考えられた.
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宮下 英士, 松野 正紀, 本田 毅彦, 能登 陞
1981 年 78 巻 3 号 p.
708-718
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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慢性膵痩犬において,上部空腸を用いたThiry's fistula内に高張ブドウ糖,アミノ酸およびオレイン酸,膵消化酵素を注入してパンクレオザイミン•セクレチン刺激下の膵内外分泌の変動を検討し,次のような成績を得た.(1) アミノ酸,オレイン酸およびアミラーゼの注入は膵外分泌を有意に刺激しなかつた.(2)膵消化酵素剤の注入によつて膵液量及び重炭酸イオン排出量に有意の抑制をみた.(3) 高張ブドウ糖及びトリプシン注入時には膵液量及び重炭酸イオン排出量に有意の充進を認め,セクレチンあるいはセクレチン様物質の放出が示唆された.(4) 末梢静脈血中IRGはいずれの物質を注入しても変動を示さず,IRIは高張ブドウ糖及びアミノ酸注入時に上昇する傾向を示したが,本実験の投与量及び投与方法では膵内分泌に有意の影響は及ぼさないものと考えられた.
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吉川 高志, 白鳥 常男, 八木 正躬, 金泉 年郁, 大石 元, 丸山 博司, 小西 陽一
1981 年 78 巻 3 号 p.
719-723
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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島崎 英樹, 上野 敏男, 竹田 亮裕, 車谷 宏, 中川 正昭
1981 年 78 巻 3 号 p.
724-727
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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川瀬 恭平, 三浦 馥, 近藤 成彦, 岩瀬 克己, 宮川 秀一, 伊左治 秀孝, 倉橋 真人, 蔡 垂昇, 福慶 逸郎, 八谷 有生, 堀 ...
1981 年 78 巻 3 号 p.
728-732
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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山本 誠, 藤田 博明, 小竹 要, 土井下 建治
1981 年 78 巻 3 号 p.
733-738
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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松本 利彦, 松本 淳, 水野 孝子, 塩崎 安子, 鮫島 美子, 菅谷 純子, 斎藤 国彦
1981 年 78 巻 3 号 p.
739
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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山本 博, 大西 良男, 丸山 宜之, 松井 洋勝, 辻村 大次郎, 羽白 清, 山本 俊夫
1981 年 78 巻 3 号 p.
740
発行日: 1981/03/05
公開日: 2007/12/26
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