日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
101 巻, 12 号
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総説—第90回総会から—
  • 松野 正紀
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 12 号 p. 1281-1287
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    膵癌はいまだに早期発見が困難であり, 拡大切除・拡大郭清によってもその予後は改善していないのが現状である. しかし, 早期発見への努力, 化学療法・放射線療法の進歩によってStage IVaをはじめとする進行膵癌の治療成績が向上してきた. また, 分子生物学的なアプローチにより, 膵癌の生物学的特徴を形成する遺伝子が少しずつ明らかとなり, それらを標的とした個別化治療への展望がみえつつある. わが国の膵癌全国集計は貴重なデータとして世界に発信されているが, 多施設共同の無作為臨床試験によって高いレベルのエビデンスと膵癌治療ガイドラインが作成されていかなくてはならない.
今月のテーマ : 消化器疾患における FDG-PET の有用性
  • 川野 剛, 井上 登美夫
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 12 号 p. 1288-1291
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    ブドウ糖代謝を画像化できる核医学検査 (FDG-PET) は, 腫瘍イメージングとして近年有用性が認められつつある. 悪性腫瘍診断におけるFDG-PETの役割には, (1)悪性度の評価, (2)病巣の広がりと転移の評価, (3)治療効果判定や再発診断, そのほか(4)悪性腫瘍の早期発見がある. FDG-PETのみでしか得られない情報も多く, 治療方針に大きな影響を与えている. また, FDG-PETには長所以外に弱点がいくつかあり, これらを知ることにより有用性を発揮し, 質の高い情報を提供できる. 今後, ますますPETの普及が予想され, 臨床現場で活用されると思われる.
  • 加藤 広行, 宗田 真, 桑野 博行
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 12 号 p. 1292-1301
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    画像診断の進歩は著しく, なかでもポジトロン放出断層撮影 (Positron emission tomography : PET) は基礎および臨床における腫瘍診断学の進歩に欠かすことのできない核医学検査法として注目されている. 18F-fluorodeoxyglucose(FDG)を用いたPET検査は癌細胞が正常細胞に比較して, 糖代謝が亢進しブドウ糖の摂取が高い特性を利用した検査である. 消化器癌診療では, 良悪性鑑別診断, 病期診断, 治療効果の判定, 悪性度評価, さらに治療戦略の計画や再発評価など幅広く多用され, 診断から治療後までの癌診療期間のすべてにFDG-PET検査は高く評価されている.
原著
  • 佐野 望, 大原 秀一, 小池 智幸, 関根 仁, 今谷 晃, 北川 靖, 大楽 尚弘, 飯島 克則, 加藤 勝章, 下瀬川 徹
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 12 号 p. 1302-1308
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    H. pylori陰性者を対象に, 13C-散剤尿素製剤を用いた場合の口腔内, 咽頭内それぞれのウレアーゼ活性, および漱ぎの仕方による尿素呼気試験 (UBT) への影響について, 呼気を経時的に採取して検討した. その結果, 口腔内に加え咽頭内にもUBT値に影響を及ぼす可能性のあるウレアーゼ活性を認め, また尿素服用後口腔内のみ漱いだ場合には, UBT値に咽頭内ウレアーゼ活性の影響が残る可能性が示された. よって, 散剤型尿素製剤を用いたUBTによるH. pylori感染の陰性診断において, 従来行われてきた尿素服用後口腔内の漱ぎのみでは咽頭部のウレアーゼ活性の影響が生じる可能性も念頭に置く必要があると考えられた.
症例報告
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