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十二指腸由来 luminal gastrin, その放出条件と分子型についての検討
松澤 裕一, 宮田 道夫, 吉沢 章夫, 有馬 進太郎, 金澤 暁太郎, 森岡 恭彦
1983 年 80 巻 3 号 p.
791-798
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
前回, イヌの十二指腸内腔を持続潅流し, pH 1.0~3.0の潅流液中に高濃度のガストリン (IRG) を検出した. 今回, さらに検討を進め, このIRGは, (1) 潅流の影響による十二指腸粘膜やG-細胞の破壊に由来するのでなくG-細胞から内腔に放出されたもので, (2) 各種分子量の異なるコンポーネント (G-34, G-17, G-14それにG-34より大分子量のIRG) から構成され, その割合は血中IRGと異なるが, イヌに静注すると実際に酸分泌能を有することを明らかにした. また内腔へのIRGの放出は, (3) 酸性条件下ではアセチルコリンにより刺激されること, (4) 生理的に近い試験食で十二指腸を刺激した場合, 内腔のpHが3.0以上でもかなり認められることを明らかにした.
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cimetidine と gefarnate の相互作用
荒川 哲男, 佐藤 博之, 中村 肇, 蝶野 慎治, 山田 博明, 小野 時雄, 小林 絢三
1983 年 80 巻 3 号 p.
799-803
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
抗潰瘍薬である cimetidine および gefarnate が胃粘膜に含まれる内因性 prostaglandins (PGs) や thromboxane (TX) にどのような影響を与えるかを追求する目的で, ラットを用いて, in vivo で, それぞれの薬剤を7日間投与し, 胃粘膜PGE
2, PGI
2およびTXA
2量を radioimmunoassay 法で測定した. その結果, cimetidine は胃粘膜PGE
2およびPGI
2量を減少させた. gefarnate は, 生理的な状態では, 胃粘膜PGE
2, PGI
2およびTXA
2量に影響を与えなかつたが, cimetidine による胃粘膜PGE
2およびPGI
2量の減少に対しては, これを阻止した.
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中目 千之, 赤井 裕輝, 今井 信行, 豊田 隆謙, 後藤 由夫
1983 年 80 巻 3 号 p.
804-810
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
外因性および内因性グルカゴンの胃排出能, 小腸通過時間, 血漿モチリン濃度におよぼす影響を検討した. グルカゴンおよびアルギニン投与により, 胃排出能, 小腸通過時間の有意の遅延と, 血漿モチリン濃度の有意の低下が認められた. アルギニン投与中の血漿グルカゴン濃度の増加量と胃排出能の遅延, 小腸通過時間の延長との間には高い相関が認められ, 内因性グルカゴンも胃排出能, 小腸通過時間を遅延することが示された. 血漿モチリン濃度の低下および胃排出能, 小腸通過時間の遅延における, グルカゴン, アルギニン投与中の血糖の関与の可能性は少ないものと考えられた.
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第1報 15N標識米を用いた消化吸収試験について
武宮 宗康, 藤田 芳邦, 矢島 義忠, 岡部 治弥
1983 年 80 巻 3 号 p.
811-819
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
消化吸収試験におけるトレーサーとしての重窒素 (
15N) の評価ならびに膵内分泌障害が膵性消化吸収障害をひき起こすかどうかについて
15N標識米を利用して検討した. Wistar 系雄ラットを膵管結紮群, 単開腹群, コントロール群, Streptozotocin 糖尿病群の4群に分け,
15N標識米投与後の糞便, 尿中への
15Nの排泄率および血中
15N濃度を測定した. 膵管結紮群では,
15N糞便排泄率の高値, 血中
15N濃度の低値がみられ, 消化吸収障害の存在が確認された. 従つて重窒素はトレーサーとして消化吸収試験に有用と考えられた. 糖尿病群では,
15N糞便排泄率や血中
15N濃度はコントロール群と差がなく, 従つて膵内分泌障害に由来する消化吸収障害の存在は認められなかつた.
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小畑 尚宏, 渡辺 明治, 林 正作, 竹井 信行, 坂田 達朗, 塩田 哲也, 中務 治重, 藤原 雅親, 長島 秀夫
1983 年 80 巻 3 号 p.
820-827
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
妊娠期間中あるいは分娩直後に意識障害がみられた重症肝障害8例の臨床病理学的所見について検討した. 全例初産婦で, その発症は妊娠後期に多く, その75%が死亡した. 初発症状から意識障害発現, または死亡までの日数はそれぞれ3~10日, 4~45日であつた. 肝の組織学的所見では, 急性妊娠性脂肪肝 (1例), 広汎~亜広汎性肝壊死を含む急性肝炎重症型 (5例), 中毒性脂肪肝 (2例) の3病型がみられた. わが国における劇症肝炎の新しい診断基準によると, これら8例中7例までが劇症肝炎と考えられるが, うち2例は肝組織所見から肝炎の所見に乏しく, 急性肝不全 (fulminant hepatic failure) とみなされる.
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棟久 龍夫, 中田 恵輔, 河野 健次, 室 豊吉, 佐藤 彬, 古河 隆二, 楠本 征夫, 長瀧 重信, 石井 伸子, 小路 敏彦, 拭石 ...
1983 年 80 巻 3 号 p.
828-836
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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肝癌•肝硬変死亡率が高い五島富江町の肝臓集団検診被検者1,679名中143名 (男69, 女74, 年齢23~81歳) につき栄養調査を行つた. その結果, (1) 被検者の栄養素摂取量および食品別摂取量は, 日本人1人1日当りの摂取量に比べ少なく, 肝障害群は正常群に比しさらに低値を示した. (2) 被検者の栄養素摂取量と食品別摂取量を各項目別に平均摂取量以上の群 (A群) と以下の群 (B群) に分け, 肝障害の頻度をみると, B群に肝障害者が多く, 肝硬変, 慢性肝炎がみられた. (3) HBs抗原 carrier はB群に多く, carrier でもA群では肝障害の頻度が少なかつた. 以上のごとく, 同町の無症候性慢性肝障害者では栄養不足が著しかつた.
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超音波検査およびCTによる研究
熊田 卓, 中野 哲, 北村 公男, 綿引 元, 武田 功, 太田 博郷, 杉山 恵一, 石田 明弘
1983 年 80 巻 3 号 p.
837-843
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
過去3年4カ月間に経験した肝悪性腫瘍195例でUSおよびCTにて嚢胞変性をおこした症例につき検討を加えた. 1) USで嚢胞変性を認めたのは肝細胞癌81例中1例1.2%, 胆管細胞癌20例中1例5.0%, 転移性肝癌94例中12例12.8%の計14例であり転移性肝癌に高率であつた (p<0.05). 一方CTでは各々1例, 0例, 4例の計5例にしか描出できなかつた. 2) これらの嚢胞変性は壁が厚く, 内面が不整などの鑑別点から他の良性嚢胞性疾患と区別できた. CT値はばらつきも多く診断に利用することは限界があつた. 3) これらのうち剖検もしくは手術がなされた6例の組織像との対比ではUS上無エコー部位は融解壊死部に一致していた. 肝悪性腫瘍の嚢胞変性は, 腫瘍の成長過程における一連の変化の一つと考えられ, 転移性肝癌に多く認められた. またこの変化は他の嚢胞性疾患との鑑別を必要とするため, 日常臨床上留意すべき所見と思われた.
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矢部 秀樹, 須田 都三男, 西野 晴夫, 佐藤 春喜, 林 孝祥, 衛藤 公治, 田中 照二, 堀口 正晴
1983 年 80 巻 3 号 p.
844-850
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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禁酒状態での血清 glutamic dehydrogenase (GLDH) は, 肝硬変で肝性脳症期を除き正常値であつたが, hepatocellular carcinoma (HCC) を合併すると上昇した. 癌患者で, 血清GLDHは liver metastasis (LM) が合併すると高値を示した. 肝硬変例にHCCの合併の有無や, 癌患者にLMの合併の有無を診断する上で, 血清GLDHは他の血清中の指標と比べると最も診断的価値が高かつた. HCCやLMの局所動注療法 (動注) による血清GLDHの変動を調べると, 血清GLDHは抗腫瘍効果を反映し, 動注の治療効果の判定にも有用であつた.
以上より, 禁酒状態での血清GLDHの測定は, HCCやLMの診断と治療効果を判定する上で, 有用な補助診断法であると示唆された.
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笠原 彰紀, 林 紀夫, 吉原 治正, 目連 晴哉, 井上 敦雄, 房本 英之, 佐藤 信紘, 鎌田 武信, 阿部 裕, 久保田 真司, 竹 ...
1983 年 80 巻 3 号 p.
851-856
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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アルコール性肝疾患93例 (肝硬変34例, 肝線維症38例, 慢性肝炎10例, アルコール性肝炎4例, 脂肪肝4例, 他3例) の肝機能成績を変数選択型判別分析を用いて多変量解析し, 肝組織像と比較検討した. 各病型の判別に寄与する項目は, γ-globulin, GOT/GPT比, GPT, 積算アルコール摂取量の4項目で, この4項目を用いれば, 肝硬変, アルコール性肝炎の判別はそれぞれ64%, 75%を示した. しかし肝線維症高度, 中等度, 脂肪肝の判別力は低かつた. 疾患群を限定し肝硬変症と肝線維症の判別を行なうと判別に寄与する項目は, γ-globulin, 積算アルコール摂取量, Al-Pの3項目で, これらの項目を用いれば, 肝硬変症, 肝線維症のそれぞれ76%, 79%の判別が可能であつた.
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伊藤 文憲, 炭田 正俊, 野口 武英, 永瀬 敏行, 土屋 幸浩, 大藤 正雄
1983 年 80 巻 3 号 p.
857-862
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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胆嚢蓄膿状態となつた急性化膿性胆嚢炎11例に対して, 経皮的胆管ドレナージ法に準じて超音波映像下に胆嚢内にカテーテルを挿入しドレナージを行なつた. 局所の理学的所見の改善, 臨床検査所見の正常化とともに全身状態の著明な改善が全例にみられた. なお超音波診断装置の応用により容易かつ安全な施行が可能となり, 本法に伴なう手技上の合併症はみられなかつた. 本法を施行した11症例のうち7例は臨床症状の改善後に胆嚢の摘出術をうけたが, 心不全•腎不全•肝硬変等の重篤な他臓器疾患を有する4例はドレナージ治療のみにて軽快退院した.
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膵石形成機序における酸性ムコ多糖の役割
加藤 修
1983 年 80 巻 3 号 p.
863-871
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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膵石形成における膵液中酸性ムコ多糖の役割を実験的に解明する目的で, 正常犬と膵管不完全結紮犬の膵液中ヘキソサミン, カルシウムの分泌について検討した. 正常犬では膵液中ヘキソサミン, カルシウムは pancreozymin の投与により増加し, pancreozymin に対する dose response がみられた. これに対し膵管不完全結紮犬ではヘキソサミン, カルシウムの分泌は減少し, しかも経時的に低値を示した. しかし, 膵管内に貯留したこれらの濃度は著明に上昇した. 酸性ムコ多糖は生体内ではカルシウムと親和性を有することから, 炭酸カルシウムを主成分とする膵石の形成には, 膵液うつ滞と酸性ムコ多糖, カルシウムを持続的に分泌する膵外分泌細胞の存在が不可欠と結論した.
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糖尿病の重症度と膵外分泌機能障害との相関についての検討
岡林 克典, 大槻 眞, 大木 篤, 坂本 長逸, 末広 逸夫, 山崎 富生, 前田 光雄, 尤 芳才, 神田 勤, 馬場 茂明
1983 年 80 巻 3 号 p.
872-877
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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糖尿病の重症度と膵外分泌機能異常との関連を明らかにするために, 種々の程度の糖尿病ラットを作製し, 各々の糖尿病ラット膵におけるインスリン含量とアミラーゼ含量の変動関係を検討した. 30, 45, 60mg/kg体重の streptozotocin (STZ) を投与すると, STZ投与量に対応した種々の程度の糖尿病ラットを作製できた. 糖尿病における膵アミラーゼ含量は膵インスリン含量の低下とよく相関し, 膵インスリン含量の低いほど膵アミラーゼ含量も低下した. 従つて, 同一罹病期間では, 糖尿病における膵アミラーゼ含量減少の程度は糖尿病の重症度と相関することが明らかとなつた.
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狩野 研次郎, 松野 正紀, 宮下 英士, 山内 英生
1983 年 80 巻 3 号 p.
878-886
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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ラットを用い, 4週にわたるアルコール経静脈負荷群, 経口負荷群, アルコールと等カロリーのグルコース経静脈負荷群を作成し, 膵の外分泌機能と形態学的変化を検討した. 4週アルコール経静脈および経口負荷両群は, 外分泌と電顕所見の変化が同程度にみられ, アルコールの膵障害作用に, アルコールが胃を介する必要のないこと, また高い血中濃度を必要としないことが推測された. 各負荷群はいずれも栄養障害を示したが, 4週アルコール経静脈および経口負荷両群は, 4週グルコース経静脈負荷群に比し電顕所見の変化がより高率に, より高度にみられた. さらに18カ月にわたるアルコール経口負荷群の観察では, protein plug や膵管系起始部の諸変化はみられなかつた. 以上の知見より, 慢性アルコール性膵炎の発生には, 腺細胞に対するアルコールの cytotoxic な作用と, アルコール摂取に伴う栄養障害が重要な因子であると考えられた.
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松尾 俊和, 中川 由子, 筒井 浩一郎, 隅田 〓男, 柏木 征三郎
1983 年 80 巻 3 号 p.
887-891
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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向坂 健男, 福田 一雄, 宮園 一博, 江口 敏, 周山 秀昭, 下河辺 正行, 村山 俊二, 佐々木 英, 豊永 純, 国崎 忠彦, 谷 ...
1983 年 80 巻 3 号 p.
892-896
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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関根 一郎, 滝口 健郎, 西森 一正, 扇 和之, 高原 耕, 大津留 信
1983 年 80 巻 3 号 p.
897-899
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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牧山 和也, 村上 一生, 小森 宗治, 井手 孝, 原口 増穂, 福田 博英, 森 理比古, 原 耕平, D.P. Jewell
1983 年 80 巻 3 号 p.
900
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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辻 孝夫
1983 年 80 巻 3 号 p.
901
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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武内 俊彦, 片桐 健二, 稲熊 秀樹, 早川 富博, 横地 真, 宮治 真, 伊藤 試, 鈴本 邦彦, 鈴木 敏行, 奥村 信義, 鈴本 ...
1983 年 80 巻 3 号 p.
902
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー