日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
105 巻, 2 号
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総説
  • 林 紀夫, 小瀬 嗣子, 平松 直樹
    2008 年 105 巻 2 号 p. 175-185
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/02/05
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法は,1990年代のインターフェロン単独療法の時代から,経口抗ウイルス薬であるリバビリンの併用により飛躍的な進歩を遂げている.さらにペグインターフェロンとリハビリンの併用により,難治性であるgenotype1型高ウイルス量の症例におけるウイルス排除率は50%を超えた.さらなる治療効果の向上を目指した新規抗ウイルス剤(プロテアーゼ阻害剤,ポリメラーゼ阻害剤など)の開発も進んでおり,大規模臨床試験の結果が期待される.
今月のテーマ:ウイルス性肝炎の最新治療
  • 芥田 憲夫, 熊田 博光
    2008 年 105 巻 2 号 p. 186-190
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/02/05
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎治療目標はウイルス排除·肝炎鎮静化にともなう肝発癌抑制と生命予後改善である.世界標準治療のPEG-IFN/RBV併用療法でgenotype 1·高ウイルス量の難治例の治癒率は約50%まで改善した.最新の治療ガイドラインは初回治療の高ウイルス量はRBV併用療法,低ウイルス量はIFN単独療法が第一選択であり,再治療はウイルス量によらずRBV併用療法が第一選択である.また,RBV併用療法非適応例はIFN単独長期療法を行うが,IFNα製剤は自己注射が可能となり簡便かつ成績も向上している.更に,ALT正常値でも肝組織進展例が存在することから積極的に抗ウイルス療法を導入するガイドラインが作成された.
  • 狩野 吉康, 豊田 成司
    2008 年 105 巻 2 号 p. 191-198
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/02/05
    ジャーナル フリー
    わが国のC型慢性肝炎患者は高齢化が進んでおり,65歳以上のいわゆる高齢者の割合が増加している.これらの症例では肝病変が進行している症例が多く,早急に積極的な治療介入が必要である.インターフェロン·リバビリン併用療法は現在最も強力な抗ウイルス療法であるが,高齢者では副作用が強く出現する傾向があり,併用療法の治療効果を阻害している.高齢者C型慢性肝炎ではこれらの副作用を軽減させ,治療効果を向上させるため全身クリアランスベースのリバビリン投与が望ましい.また高齢者とくに女性例ではHCV減衰が遅延する傾向があり,高齢者の特殊性を加味した治療期間の設定が必要である.
  • 四柳 宏, 小池 和彦
    2008 年 105 巻 2 号 p. 199-205
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/02/05
    ジャーナル フリー
    B型肝炎ウイルス遺伝子の変異をopen reading flame毎に概説した.preS-S領域においてはvaccine-induced escape mutant, PreS2領域の大きな欠失などが見られる.また,preC-C領域においてはHBe抗原の産生を低下させるプレコア領域および上流のbasic core promoter領域の変異が知られており,劇症肝炎や肝細胞癌との関連が示唆される.また,P領域の変異は各種核酸アナログ製剤の耐性株出現時に見られる変異である.
原著
症例報告
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