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西村 昌憲, 曽和 融生, 鄭 容錫, 芳野 裕明, 加藤 保之, 久保 俊彰, 前川 仁, 梅山 馨
1989 年 86 巻 4 号 p.
843-850
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃癌168例を対象に癌細胞核DNAヒストグラムと糖鎖抗原発現について検討を加えた. DNAヒストグラムの分析ではII型を示すものに脈管侵襲陽性率が高く, 肝転移例が多かつた. また Stage II の短期再発死亡群でII•III型が多くみられた. DNA ploidy pattern と糖鎖抗原発現の関係ではII•III型に陽性率が高く, 局在様式では C-type, S-type が多かつた. 以上のことから DNA ploidy pattern でII型を示すものは最も悪性度が高いと考えられ, 核DNA量測定は胃癌の予後の推測に有用であると考えられた. また DNA ploidy pattern と糖鎖抗原発現に関連がみられたことから, これら糖鎖の発現の有無, 局在様式も悪性度を表わす一指標になると考えられた.
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春間 賢, 隅井 浩治, 森川 章彦, 上村 直実, 忌部 明, 木村 学, 徳毛 健治, 吉原 正治, 豊島 仁, 井上 和彦, 松原 秀 ...
1989 年 86 巻 4 号 p.
851-857
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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胃底腺性過形成性ポリープ (胃底腺ポリープ) の胃酸分泌, 血清ガストリン値および血清ペプシノーゲン1 (PG1) 値について, 健常者と腺窩上皮性過形成性ポリープ (腺窩上皮ポリープ) の値と比較検討した. 胃酸分泌と血清PG1値は健常者と胃底腺ポリープでは差がなく, 腺窩上皮ポリープでは著しい低値を示した. 一方, 血清ガストリン値は, 健常者と比較すると, 胃底腺ポリープではやや低値を, 腺窩上皮ポリープでは著しい高値を示した. さらに, 組織学的な検討とあわせ, 胃底腺ポリープは過形成性ポリープの一つに分類されるが, 胃底腺に高度の萎縮をともなう腺窩上皮ポリープとは異なり, 萎縮のない胃底腺粘膜に発生していることを明らかとした.
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吉川 敏一, 吉田 憲正, 安田 光徳, 市川 寛, 高野 裕久, 高橋 周史, 田崎 直宏, 安藤 貴志, 内藤 裕二, 上田 茂信, 小 ...
1989 年 86 巻 4 号 p.
858-864
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ラットに血小板活性化因子 (PAF) を投与すると, 胃粘膜に出血びらんを生じるが, 投与10分後で既に胃壁血流量は低下し, 粘膜内 thiobarbituric acid (TBA) 反応物質は増加していた. superoxide dismutase と catalase は粘膜障害, TBA反応物質の増加を抑制したが, 胃壁血流量には影響を与えなかつた. In vitro で, PAFの刺激によりラット多形核白血球より濃度依存性にO
-2の産生が認められ, 多形核白血球減少ラットでは粘膜障害, TBA反応物質の増加, 胃壁血流量の低下とも抑制された. 以上より, PAFによる胃粘膜障害の形成には, 胃壁血流量の低下とともに, PAFにより活性化される多形核白血球及びそれに由来する活性酸素, 脂質過酸化が重要な役割を果たしていると考えられた.
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小畑 寛純, 馬場 忠雄, 細田 四郎
1989 年 86 巻 4 号 p.
865-875
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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オリゴペプチド成分栄養剤 (SP) とアミノ酸混合成分栄養剤 (AA) でラットを4週間飼育し, その小腸粘膜から刷子縁膜小胞を精製して, D-グルコース, L-ロイシン, L-ロイシルグリシンの取り込み実験を行なつた. その結果, L-ロイシンの取り込みのKmは両群間に差がなかつたが, JmaxはSP群がAA群に比べ1.7倍有意に大きかつた. またL-ロイシルグリシンのKmも両群間に差はなかつたが, JmaxはSP群がAA群に比べ約2倍有意に大きかつた. しかし, D-グルコースのKmとJmaxには両群間に差がなかつた. 以上より, SP飼育ラットの小腸刷子縁膜ではL-ロイシンとL-ロイシルグリシンの輸送担体の数がAA飼育ラットに比べ有意に増加していることが明かとなつた.
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Flow cytometry を用いた解析
武田 正, 西口 修平, 黒木 哲夫, 市場 圭子, 清水 豊, 仲島 信也, 塩見 進, 小林 絢三
1989 年 86 巻 4 号 p.
876-881
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
インターフェロン (IFN) の細胞増殖抑制効果をヒト肝癌由来細胞株を対象として Flow cytometry を用い細胞回転 (cell cycle) の面から検討した. IFN-α及びβはIFN-γに比し強力な細胞増殖抑制作用を示した. また, その作用はIFN-αとβを併用した時, 増強されなかつたが, IFN-αあるいは, βとIFN-γを併用した時, 単独時に比べ強く発現された. IFN は cell cycle に対してS期からG
2期への移行を抑制しS期細胞に集積させ, 増殖を抑制する事が示唆された. その効果は, IFN-γではIFN-α, βに比べ弱かつた. また, IFN-γとIFN-αあるいは, βを併用した場合増強されたが, IFN-αとβを併用時, 増強されなかつた.
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第二報 ラット肝癌組織血流の測定
本橋 修, 草野 正一, 太田 顕成, 中山 茂信
1989 年 86 巻 4 号 p.
882-888
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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血管作動物質を発癌ラットの腹腔動脈本幹から持続注入し, 肝癌及び癌周囲非癌部の組織血流量と平均血圧の変化を測定した. 血管収縮物質である Prostaglandin F2 alpha (PGF) と Angiotensin II (AT) 各々1.0μg/kg/minの注入は, 両者とも癌周囲非癌部の組織血流量には有意な変化を示さないが, 肝癌組織血流に関して, 前者では有意な減少を示し, 後者では血圧上昇と相挨つて増加した. Dibutyryl cyclic AMP (DBcAMP) (2.0mg/kg/hr) の注入は, 癌部, 非癌部とも組織血流量を増加させ, DBcAMP の投与後, PGF (1.0μg/kg/min) の追加注入で, 両者の組織血流はさらに増加した.
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多変量解析による検討
井上 恭一, 佐々木 博, 康山 俊学, 樋口 清博, 成瀬 優知, 松原 勇, 岡 博, 戸田 剛太郎
1989 年 86 巻 4 号 p.
889-896
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
原発性胆汁性肝硬変 (PBC) 患者の予後と経過の予測をPBC全国調査453症例を対象に多変量解析により行つた. 3年および5年生存に有効に働く因子としては, 初診時の血清ビリルビン値1.5mg/dl未満, アルブミン値3.5mg/dl以上, 食道静脈瘤なし, 男性患者, 診断時の年齢50才以上, 抗糸粒体抗体(anti-mitochondrial antibody AMA) 陰性などで3年生存および5年生存の判別率は良好であつた. 肝疾患に由来する症状を示さない無症候性PBC (asymptomatic PBC a-PBC) から皮膚掻痒感あるいは黄疸などを伴う症候性PBC (symptomatic PBC s-PBC) への移行の予測の判別率は悪く, これはa-PBCとs
1-PBC (s-PBC の中で皮膚掻痒感のみの例) が類似しているためと考えられた. a-PBC, s
1-PBCの発黄予測についてはビリルビン値1.5mg/dl以上が大きな要因となり, この値を越えると発黄が近いことを予測させたが, 判別率は100%には至らなかつた.
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熊谷 直樹, 土本 寛二, 後藤 暢二, 戸田 京子, 日比 紀文, 村岡 松生, 高橋 隆, 河村 栄二, 森実 敏夫, 土屋 雅春
1989 年 86 巻 4 号 p.
897-904
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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B型肝炎ワクチンに対する個体の反応 (抗HBs抗体の獲得) の多様性は, 一部ワクチンの免疫原性と個体の免疫応答性の相違によると考えられた. より効率良く抗原提示とそれに引き続く免疫反応が惹起されるように, HBs抗原と抗HBs抗体の同時投与の抗体産生誘導に及ぼす作用について検討した. 血清HBs抗体陽性者の末梢血リンパ球の in vitro における抗体産生能の検討よりHBs抗原/抗体の同時添加がHBs抗原単独よりも抗体産生誘導の有効な stimulant であることが判明した. 同ワクチン無反応者7例に実際にワクチンと抗HBsグロブリンを同時投与した結果, 3例に能動免疫の成立が示唆された.
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血清N末端プロコラーゲンペプチド値と血清ラミニン値測定の有用性の検討
平田 りえ
1989 年 86 巻 4 号 p.
905-912
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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慢性肝炎の予後を予測する臨床的指標を検索する目的で, 免疫学的指標として血中肝細胞膜抗体(LMA), 肝線維化の指標として血清N末端III型プロコラーゲンペプチド (P III P) とラミニン値を2回以上肝生検施行例 (32例) の生検時に測定し, 肝組織像の推移との関係を検討した. 肝組織像が悪化した16例の初回肝生検時血清 P III P 値は, 非悪化例 (16例) のそれより高値であつた (p<0.05). 一方, 血清ラミニン値は, 肝線維化の程度と相関したが, 悪化群と非悪化群との間には差はなかつた. LMA陽性率にも差はなかつた. 以上より, 慢性肝炎における血清 P III P 高値は肝炎の進展を示唆すること, 血清ラミニン値は測定時の肝線維化の程度の把握に有用と考えられた.
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真神 易, 東 健, 佐々木 善二, 井口 秀人, 青池 晟, 川井 啓市, 河合 隆, 関 知之, 原田 容治, 斉藤 利彦, 芦沢 真六
1989 年 86 巻 4 号 p.
913-915
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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個体発生の段階において膵内にガストリン細胞が存在することは知られている. この幼若期膵内ガストリン細胞の局在および自己増殖能の成長に伴う経時的変化を酵素抗体法,
3H-thymidine オートラジオグラフィー (ARG) を用いて検討した. 膵内ガストリン細胞はランゲルハンス島辺縁と外分泌腺領域に認められ, ランゲルハンス島では出生当日より生後2週前後まで, 外分泌腺領域では出生当日より生後4週前後まで存在した.
3H-thymidine オートラジオグラフィーによる検討では膵内ガストリン細胞は生後約10日間自己増殖能を保持していることが示された.
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岡本 聡子, 大野 仁, 酒井 良典, 田川 博之, 椿 浩司, 阿部 政直, 岩崎 有良, 松尾 裕, 須田 清美, 八ツ橋 輝海, 田中 ...
1989 年 86 巻 4 号 p.
916-920
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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前田 宜包, 関川 敬義, 野口 明宏, 在原 文夫, 小河原 忠彦, 本田 盛宏, 茂垣 雅俊, 菅原 克彦, 小山 敏雄, 須田 耕一
1989 年 86 巻 4 号 p.
921-925
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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坂 充, 小野 重明, 平原 美孝, 黒沢 正喜, 金子 隆一, 飯塚 美伸, 橘 文紀
1989 年 86 巻 4 号 p.
926-930
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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田中 信治, 堂園 孝史, 石田 敬幸, 今田 学, 竹原 佳彦, 橋場 寿美恵, 平昭 浩司, 加藤 尚志, 春間 賢, 徳毛 健治, 隅 ...
1989 年 86 巻 4 号 p.
931-936
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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石岡 達司, 森下 亮二, 三浦 寛人, 篠井 格, 瀬崎 達雄, 長田 高寿
1989 年 86 巻 4 号 p.
937-940
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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森浦 滋明, 二村 雄次, 早川 直和, 神谷 順一, 前田 正司, 近藤 哲
1989 年 86 巻 4 号 p.
941-944
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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森 孝宏, 辻 博, 渡辺 英則, 村井 宏一郎, 布井 清秀, 赤木 公博, 藤島 正敏, 渋谷 恒文, 安森 弘太郎
1989 年 86 巻 4 号 p.
945-949
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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森岡 健, 松下 栄紀, 野ツ俣 和夫, 稲垣 豊, 米島 学, 鵜浦 雅志, 田中 延善, 小林 健一, 服部 信, 大井 章史, 寺田 ...
1989 年 86 巻 4 号 p.
950-954
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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山田 正道, 大谷 雪路, 東 威, 天川 勉
1989 年 86 巻 4 号 p.
955-959
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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柴田 時宗, 早川 哲夫, 近藤 孝晴, 北川 元二, 大野 秀樹, 酒井 雄三, 桐山 勢生, 二村 雄次, 早川 直和, 神谷 順一, ...
1989 年 86 巻 4 号 p.
960-964
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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吉田 威, 上埜友 志光, 宮崎 敦子, 杉江 広紀, 吉田 許男, 加納 隆之, 大島 厚, 江端 英隆
1989 年 86 巻 4 号 p.
965
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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大原 信, 原 歩, 戸田 京子, 渡辺 憲明, 熊谷 直樹, 土本 寛二, 日比 紀文, 村岡 松生, 小宮山 一雄, 茂呂 周, 土屋 ...
1989 年 86 巻 4 号 p.
966
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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