日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
72 巻, 11 号
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  • AOC-tetragastrin oil suspension と insulin Novo lente の胃腺増生作用の検討
    木本 邦彦, 宮岡 孝幸, 中島 正継, 佐々木 善二, 三崎 文夫, 村上 健二, 赤坂 裕三, 川井 啓市, 酉家 進, 橋本 睦弘, ...
    1975 年 72 巻 11 号 p. 1369-1377
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    (1) AOC-tetragastrin oil suspension とinsulin Novo lente の胃腺増生作用を調べるために Schild's rat を用い胃酸分泌刺激効果を指標としてその投与量を検討し, 前者では1000γ/day, 後者では2U./day 筋注で適当な刺激効果が得られた. (2) rat に上記投与量を3週間連日投与後の 3H-thymidine による autoradiograph では両者ともに対照に比べて胃底腺粘膜における増殖細胞の分裂が亢進していた. (3) rat に上記投与量を5週間連日投与後の壁細胞•主細胞総数を算定するとAOC-tetragastrin oil suspension 群では壁細胞の著明な増加 (P<0.001) と主細胞の軽度増加傾向が認められた. insulin Novo lente 群では壁細胞の増加は認められないが, 主細胞の著明な増加 (P<0.025) を認めた. しかし, 両者併用群では単独群に比して著変はなかつた.
  • 須藤 宏, 一ノ瀬 岩夫, 下田 光紀, 小内 正幸, 武井 朗夫, 元山 誠, 荒井 泰道, 星野 林次郎, 小林 節雄
    1975 年 72 巻 11 号 p. 1378-1386
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    本研究は実験胃潰瘍の再生における, 腺底部の成熟細胞の役割を明らかにするため行なつた. ラット胃に, 一側が正常粘膜の辺縁, 他側が腺底部だけの辺縁とした潰瘍を手術的に作成し, 両辺縁の再生過程を比較検討した. 腺底部だけの辺縁では, 成熟腺細胞は2日投に未分化細胞になり, 5日後に未分化腺窩上皮, 7日後に未成熟腺窩, 14日投に成熟腺窩が見られた. 正常辺縁からの再生の底側に, 上記の形態と出現時期の酷似した再生細胞が見られた. これらは成熟腺細胞由来と考える. 正常辺縁からの再生の表側では, 1日後に未分化腺窩上皮, 3日後に未成熟腺窩, 5日後に成熟腺窩が出現した. これは腺窩や腺頚部の未分化細胞に由来すると考える.
  • 野田 剛稔
    1975 年 72 巻 11 号 p. 1387-1398
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵癌及び慢性膵炎を中心とした肝•胆, 膵, 脾疾患等100例について一元的免疫拡散法を用い, 8種類の血清糖蛋白を測定し, 次の結果をえた. 膵癌と慢性膵炎の比較では, 膵癌にα1-Antitrypsin (α1-AT), α1-Acid-Glycoprotein (α1-Acid-GP) が有意に高く, prealbumin (pre-Alb), Transferrin (TF) が有意に低いのを認めた. 膵癌, 肝癌, 胆のう, 胆道癌はともに pre-Alb, TFの減少, α1-AT α1-Acid-GP の増加という同じ動きを示した為に, 膵器特異性を思わせるような血清糖蛋白は認められなかつた. しかし, この pre-Alb, TFの減少, α1-AT, α1-Acid-GP の増加という動きは良性疾患では認められなかつた為, 悪性腫瘍に特異的な変動である事が考えられた.
    また術後経過をみると α1-AT, α1-Acid-GPは病態によく一致して変動する為, 治療効果の判定や再発の予知にその変動の検討が意義あるものと思われた.
  • 佐藤 久留士, 近藤 哲夫, 山田 哲
    1975 年 72 巻 11 号 p. 1399-1406
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Polyacrylamide ゲル電気泳動法を用いて, ヒト•胃液ペプシンの定量的分画法を開発した. この方法では, 胃液ペプシン活性は主なる4つの分画と, 活性の弱い7つの分画に分けられることを認めた. 総ペプシン活性に対する分画1, 2, 3および4の比率は, 正常対照ならびに病的対象に差異を認めない. 分画1と分画2, 3ならびに4は至適pHを異にし, 分画1はガストリクシン近縁酵素と考えられた. 胃体部粘膜ペプシノーゲンの酸性活性化によるペプシンおよびガストリン刺激前後の各分画比には著差を認めず, したがつてこれらの各分画が異なつた産生細胞から分泌される可能性については疑問のあることを推論した.
  • 鎌田 武信, 益沢 学, 明山 燿久, 柏木 徹, 阿部 裕, 森 武貞, 李 伯権, 島野 高志, 森野 英男, 菅家 徹, 菊井 正紀
    1975 年 72 巻 11 号 p. 1407-1412
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 加藤 寛幸, 中川 長雄, 成 照信, 松本 俊彦, 吉光 外宏, 西田 良夫, 宮崎 逸夫
    1975 年 72 巻 11 号 p. 1413-1418
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 溝口 靖紘, 川合 弘毅, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 浜田 稔夫, 森沢 成司
    1975 年 72 巻 11 号 p. 1419-1427
    発行日: 1975年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    薬剤アレルギー性肝炎の薬剤 carrier について, 異種ではあるが, ラット肝のミトコンドリア, ミクロゾームおよび肝特異抗原分画を分離して検討した. すなわち, 薬剤アレルギー性肝炎患者の末梢血リンパ球の薬剤によるブラスト化を微量全血培養法やリンパ球培養法で検討する際, 患者の自己血清の代りに, 分離したそれぞれの分画を加えてみた. その結果, ミクロゾーム分画および肝特異抗原分画を添加すると, 自己血清添加のときより高いブラスト化陽性率が得られた. 肝障害のないアレルギー性薬疹の場合では, 薬剤と自己血清を添加培養する方が, 肝の各分画を加えるよりブラスト化の陽性率は明らかに高かつた.
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