日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
111 巻 , 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
総説
  • 神澤 輝実, 来間 佐和子, 田畑 拓久, 千葉 和朗, 岩崎 将
    2014 年 111 巻 4 号 p. 681-689
    発行日: 2014/04/05
    公開日: 2014/04/25
    ジャーナル フリー
    膵・胆管合流異常は,解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常である.合流異常には,胆管に拡張を認める例(先天性胆道拡張症)と拡張を認めない例がある.合流異常は,乳頭部括約筋の作用が膵胆管の合流部に及ばないため膵液と胆汁の相互逆流がおこり,胆道癌や膵炎などを引きおこすので,胆道の発癌予防の手術が推奨される.診断基準2013では,MRCP, 3D-DIC-CT, EUSやMD-CTのMPR像などにより合流異常の診断が可能となったが,非典型例ではERCPによる確定診断が必要である.比較的長い共通管を有する症例(膵胆管高位合流)では,合流異常と類似する病態を呈することがある.
今月のテーマ:膵・胆管合流異常の最前線
  • 真口 宏介, 小山内 学, 潟沼 朗生, 矢根 圭, 高橋 邦幸
    2014 年 111 巻 4 号 p. 690-698
    発行日: 2014/04/05
    公開日: 2014/04/25
    ジャーナル フリー
    膵・胆管合流異常は,膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常であり,先天性胆道拡張症と胆管非拡張型に分けられる.本病態は胆道癌の高危険群であり,発癌前での診断が求められる.膵・胆管合流異常の診断には確定診断と拾い上げの両面で考える必要がある.近年の画像診断法の進歩とともに診断基準も変更され,低侵襲性の観点からMRCPとMDCTが有力な確定診断法に位置し,次にEUSを行うことで多くは診断可能である.一方,拾い上げ診断にはUSによる胆嚢壁の内側低エコー層の肥厚が最も重要な所見であり,このほか胆管拡張,胆嚢腺筋腫症や小児の胆石,胆管結石を認めた場合には膵・胆管合流異常の存在を疑って精査を行う必要がある.
  • 森根 裕二, 島田 光生, 石橋 広樹
    2014 年 111 巻 4 号 p. 699-705
    発行日: 2014/04/05
    公開日: 2014/04/25
    ジャーナル フリー
    本稿では膵・胆管合流異常の疫学と臨床的特徴に関して,日本膵・胆管合流異常研究会の全国集計(2561例)のデータを中心に概説する.ほとんどの症例が有症状で,胆道癌の合併は成人では胆管拡張型21.6%,非拡張型42.4%と通常の1000~3000倍の高危険率となっている.外科治療において小児では胆管拡張の有無に関係なく分流手術が選択され,成人における癌非合併非拡張型症例においても3割以上に分流手術が選択されていた.本疾患は不明な点が多く,成人・非拡張型における分流手術の是非に関してもcontroversialである.今後,追跡調査を含めたさらなる病態解明の努力が必要である.
  • 洞口 淳, 藤田 直孝, 野田 裕, 小林 剛, 伊藤 啓, 越田 真介, 菅野 良秀, 小川 貴央, 枡 かおり, 路川 陽介
    2014 年 111 巻 4 号 p. 706-711
    発行日: 2014/04/05
    公開日: 2014/04/25
    ジャーナル フリー
    膵液胆道内逆流現象は膵・胆管合流異常(PBM)でみられ,胆道内に逆流した膵液が胆汁と混和し,胆道粘膜を障害することによって胆道癌の発生を促す病態とされている.一方,正常膵胆管合流例においても膵液胆道内逆流が生じ,一部の症例ではPBM同様胆道癌の発生に関与しているとの報告が散見される.正常膵胆管合流例における膵液胆道内逆流はさまざまな病態でみられるが,特に比較的長い共通管を有する症例では高率に認められ,さらに胆汁中アミラーゼ異常高値例の胆嚢では,病理組織学的にもPBM類似の変化が観察される.正常膵胆管合流例における膵液胆道内逆流と胆道癌の発生について,さらなる病態解明が必要である.
  • 安藤 久實
    2014 年 111 巻 4 号 p. 712-717
    発行日: 2014/04/05
    公開日: 2014/04/25
    ジャーナル フリー
    胆管拡張型膵・胆管合流異常に対する標準術式としての分流手術にはいくつかの問題がある.第1は術後肝内結石で,戸谷IV-A型に発生しやすい.肝門部狭窄に対する処置が重要であるが,その対応には施設間で差がある.第2に分流手術後の癌発生で,戸谷IV-A型に対する治療法の見直しが必要となるかも知れない.第3に胆管非拡張型合流異常に対して肝外胆管切除を行うか否かであるが,胆管癌合併率は4.0%と高率で,胆管温存例に胆管癌が発症したとの報告がみられる.今後とも術後の胆管癌発生の有無,腹痛などの諸症状の経過,胆管炎や肝内結石などの合併症発生の有無などについて,注意深く長期間経過をみていくことが重要である.
座談会
原著
症例報告
feedback
Top