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清田 啓介
1992 年 89 巻 9 号 p.
1973-1981
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
本邦におけるNUDの実態につき検討したので報告した. 1990年2月から1年間に当院消化器科を初診で訪れた患者を母集団とし, AGAの定義に従い問診上NUDが疑われた106例に対し, 内視鏡, 腹部US等を施行し, 器質的疾患の有無について検討した. 胃潰瘍, 十二指腸潰瘍19例, 胃炎性の変化16例, 悪性疾患7例, その他8例の計50例では器質的疾患が認められ, NUDと考えられた例は56例 (53%) であつた. NUD群は若年者に多く, 特に40歳以下の女性に多い傾向がみられた. NUDと器質的疾患群は症状において有意差はみられなかつたが, 喫煙歴, 重度上腹部痛は潰瘍に多く, 腹部膨満感はNUDに多い傾向があつた.
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秋本 真寿美
1992 年 89 巻 9 号 p.
1982-1989
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
水浸拘束ストレス潰瘍ラットを作製し, 血中及び胃組織中の Endothelin (以下ET) 濃度を測定し, 胃粘膜血流量•Prostaglandins (以下PGs)•胃粘膜病変との関連性を検討した. 胃粘膜血流量は30分後より有意に低下し, 胃粘膜病変は1時間後より出現したPGE
2は30分後に軽度上昇後, 低下した. PGI
2は低下傾向を示したが, 有意差はなかつた. 血中ETは, 1時間後に上昇傾向を示し, 2時間後に有意に最高値となつた. 胃組織中ETは, 2時間後に著明に増加し, 有意に最高値となつた. 水浸拘束ストレス時に, 血中及び胃組織中の内因性ETが著明に増加することを確認した.
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貝瀬 満, 住友 秀孝, 橋本 国男, 高橋 勇三, 松井 淳, 田中 重之, 小林 義隆, 西村 誠
1992 年 89 巻 9 号 p.
1990-1995
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
バセドウ病 (BD) 35例を対象にBDに伴う高ガストリン血症およびA型胃炎について検討を行つた. その結果, (1)BDでは有意な高ガストリン血症を呈すること, (2)無酸症を除外すると血清ガストリンは甲状腺ホルモンと有意な正の相関を示すこと, (3)有酸症例では甲状腺機能正常化によつて血清ガストリンも正常化するが, 無酸症例では高ガストリン血症が持続すること, (4)BDではA型胃炎によつて無酸症がもたらされ, 特に60歳以上のBDで高率にA型胃炎を認めること, が明らかになつた. これらの結果から, 1) 甲状腺ホルモンによるガストリン分泌刺激およびA型胃炎がBDに伴う高ガストリン血症の原因であること, 2) 橋本氏病のみならずBDにおいても thyrogastric syndrome という概念が成立しうること, 3) A型胃炎を高率に合併する高齢発症BDでは胃癌•胃カルチノイドの発生に注意する必要があること, が示された.
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米原 亨
1992 年 89 巻 9 号 p.
1996-2006
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃粘膜の防御能について, 食用蛙摘出胃幽門部粘膜を用い,
in vitroでpH電極法とpH stat 法で研究を行つた. 血液酸塩基変動の影響を調べるために血流側のHCO
3-濃度とCO
2濃度を増減し, 電極法で表層上皮細胞内pHを, またpH stat 法でHCO
3-分泌量を測定した. 細胞内HCO
3-濃度とHCO
3-分泌量は, 外因性の血流側HCO
3-濃度に依存し, 代謝性アルカローシス時には粘膜の緩衝能は高まつた. 軽度の呼吸性アシドーシス時には細胞内HCO
3-濃度が上昇し, HCO
3-分泌量も増加した. これはCO
2からの内因性HCO
3-合成により緩衝力が高まつたものと考えられる. 本研究では酸塩基変動, 特にHCO
3-濃度の細胞内変動が表層上皮細胞の防御能に重要であることが明らかとなつた.
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肝組織所見との比較検討
佐藤 重信
1992 年 89 巻 9 号 p.
2007-2015
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝生検を施行した慢性肝疾患患者90例 {脂肪肝 (FL), 慢性非活動性肝炎 (CIH), 慢性活動性肝炎 (CAH), 肝硬変 (LC)} および正常者の血清で四種類の肝線維化マーカー {N-terminal peptide of Type III procollagen (P III P), Laminin P1 (ラミニン), Type IV collagen (Type IV-C), 7S domain (7S)}を測定し, 肝組織の変化と対比検討した. 各マーカー値はCAH群, LC群で正常者より有意に高く, 線維化の指標になりうると考えられた. 肝組織所見と各マーカー値との対比検討により, PIIIPは線維化と共に壊死炎症を, ラミニン, Type IV-C, 7Sは進展した線維化を反映していた. 特に7Sは肝硬変の診断に有用なマーカーであると考えられた.
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松崎 豊, 湯浅 圭一朗, 新井 孝之, 竹原 健, 森口 真理子, 齋藤 修一, 桜井 誠司, 竹沢 二郎, 長嶺 竹明, 山田 昇司, ...
1992 年 89 巻 9 号 p.
2016-2021
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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コリンエステラーゼ単量体, 二量体 (以下小活性), 四量体 (以下大活性) に対するモノクローナル抗体を用いて酵素免疫測定法により各種肝疾患患者における血清コリンエステラーゼの大活性と小活性を分別測定し, 次の結果を得た. 肝硬変患者では健常対照, 脂肪肝患者, 慢性肝炎患者と比較して, 血清コリンエステラーゼ大活性, 小活性共に有意に低下していたが小活性/大活性比も有意に低下していた. また, 脂肪肝では大活性, 小活性とも健常対照, 慢性肝炎と有意差はなかつたが小活性/大活性比は有意に増加していた. 以上, 血清コリンエステラーゼ小活性, 大活性の分別測定は主に脂質代謝, 蛋白合成を反映し, 各種肝疾患の病態を把握する上で有用な方法であると思われ, また, 脂肪肝の血清学的診断の一助となることも期待された.
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ノイラミニダーゼ処理LAK細胞による検討
立本 昭彦
1992 年 89 巻 9 号 p.
2022-2029
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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経静脈的に移入した Lymphokine Activated Killer (LAK) 細胞および neuraminidase treatedLAK (N-LAK) 細胞の, 肝部分切除後の肝再生に与える影響を検討した. 肝部分切除後に, LAK細胞を5×10
7, 1×10
8個経静脈移入すると肝再生は投与量依存性に抑制された. LAK細胞を neuraminidase 処理すると移入後の肝への集積は著しく増加した. そこで, LAK細胞およびN-LAK細胞を5×10
7個投与すると, 肝再生は, 各々, 16.5%, 53.8%抑制された. すなわち, LAK細胞による肝再生の抑制は, その移入量と肝への集積率の増加に応じて強くなつた. 以上より, LAK細胞は肝局所において, 肝再生を抑制する能力を有するものと推定された.
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高原 理, 市川 正章, 久永 康宏, 清水 深雪, 鬼塚 俊夫, 市川 和男
1992 年 89 巻 9 号 p.
2030-2036
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
過去6年7カ月間にPTCDを206例施行し胆道出血を14例, 6.8%に認めた. 治療は胆管洗浄によるもの3例, 太径カテーテルによる圧迫止血7例, TAEを施行した4例で, 全例止血に成功した. TAEを施行した4例はいずれも太径カテーテルによる圧迫止血の効果が認められなかつた. 塞栓物質は steel coil または spongel を使用し, 塞栓部位は右肝動脈を選択的に塞栓した1例に再出血を認めたため, 同症例を含め, 門脈血流および肝予備能が正常であれば, 基本的に全ての肝動脈を塞栓することとし良好な止血効果を得た. なお, 胆道出血をきたしたPTCDルートは再出血の可能性を考慮し, TAE施行後は速やかに抜去し, 新たにPTCDルートを追加した.
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特に組織内過酸化脂質濃度およびラジカル消去系との関連について
西岡 隆見, 山本 泰朗, 山本 泰猛
1992 年 89 巻 9 号 p.
2037-2046
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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慢性膵炎における過酸化脂質の病因的意義を解明する目的で, Wistar 系雄性ラットを用い2, 2'-Azobis-(2-amidinopropane) Dihydrochloride (AAPH) と Linoleic Acid (LA) を3~6カ月間腹腔内投与した. 膵組織中過酸化脂質は, LA単独およびAAPH, LA併用群で有意な上昇を認めた. 膵組織像は, LA単独群の一部と併用群全例に, 主膵管レベルの膵管上皮過形成, 末梢の膵管上皮の空胞変性や好中球浸潤, 膵管周囲の単核球浸潤や線維増生を認めた. また, LA単独群の一部と併用群の大部分例に, 一部の小葉における腺房細胞の変性脱落, 好中球浸潤, 小葉内膵管の増生を認めた. これらの過酸化脂質産生物質投与による障害は腺房細胞より膵管に顕著に認められた.
一方, 膵組織中の過酸化脂質消去系は, ビタミンEは全例で減少し, Glutathione Peroxidase (GSH-Px) 活性は併用群にのみ有意な活性の上昇を認めた. これらの成績より膵過酸化脂質濃度が増加していない負荷量で既にビタミンEは消費され, 併用群における過酸化脂質の消去には, GSH-Pxが中心的役割を果たす事が示唆された.
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久保 俊彰, 鄭 容錫, 小野田 尚佳, 中西 一夫, 澤田 鉄二, 加藤 保之, 曽和 融生
1992 年 89 巻 9 号 p.
2047-2051
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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西 律, 曽我部 俊大, 丸川 治, 秋元 寛, 北川 友朗, 李 喬遠, 水谷 均, 清水 勉, 前田 正明
1992 年 89 巻 9 号 p.
2052-2055
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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小市 勝之, 小川 滋彦, 増永 高晴, 竹田 康男, 上野 敏男, 竹田 亮祐, 疋島 寛, 大村 健二, 川浦 幸光, 渡辺 洋宇
1992 年 89 巻 9 号 p.
2056-2062
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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山近 貴輔, 松浦 昭, 白井 正人, 柏木 昭人, 小林 世美, 玉田 康彦, 原 一夫
1992 年 89 巻 9 号 p.
2063-2067
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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岩川 和秀, 兼光 望, 中西 護, 植田 規史, 小林 展章, 福西 亮
1992 年 89 巻 9 号 p.
2068-2072
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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内原 正勝, 前川 伸哉, 小林 竜也, 福間 淑子, 酒井 英樹, 社浦 康三, 佐藤 千史, 丸茂 文昭
1992 年 89 巻 9 号 p.
2073-2076
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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石山 業弘, 片山 和彦, 石見 法邦, 高橋 信一, 五十嵐 秀之, 中島 洋, 斎藤 昌三, 青柳 利雄, 塚田 啓樹, 安藤 崇男, ...
1992 年 89 巻 9 号 p.
2077
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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伊吹 康良, 三村 純, 岡部 純弘, 樫田 博史, 平佐 昌弘, 工藤 正俊, 冨田 周介, 小森 英司, 織野 彬雄, 藤堂 彰男
1992 年 89 巻 9 号 p.
2078
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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