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田丸 隆二, 清水 哲, 黄 八成, 山本 昌弘, 佐野 宏一, 岸本 真也, 梶山 悟朗, 三好 秋馬
1983 年 80 巻 4 号 p.
945-953
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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新生児期に胸腺を摘出したマウス胃粘膜に発生する胃炎を電子顕微鏡的, 粘液組織学的に発生初期より経過を追つて観察し, その発生機序を明らかにし, 完成された胃炎の特殊性について考察した. 胃粘膜病変は, 生後2カ月ころ粘膜深層への細胞浸潤と, 腺を構成する壁細胞, 主細胞の変性, 破壊ではじまる. 3カ月目の胃炎では, 腺は未分化細胞, 粘液含有細胞がほとんどを占め, 両細胞は分裂像もしばしば観察される (完成された胃炎). また壁細胞, 主細胞は数少なく, しかも幼若な細胞が多い. 粘液分泌細胞は, 副細胞に類似するが, PAS-Alcian Blue 染色に対して種々の染色性を示し, 正常マウスの副細胞と異なる.
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福田 博英, 井手 孝, 市村 経敏, 原口 増穂, 森 理比古, 村上 一生, 牧山 和也, 斉藤 厚, 原 耕平
1983 年 80 巻 4 号 p.
954-962
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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各種疾患患者の糞便から C. difficile とそのtoxin の検出を試み, 63検体中16検体25.4%, 45例中13例28.9%に陽性に検出された. 抗生剤投与後に発症する偽膜性腸炎は, 毒素産生能を有する C. difficile が関与していると考えられた. 症例によつては偽膜を形成せず, びらん, 浮腫, 出血などの所見の場合もみられた. 潰瘍性大腸炎症例でも毒素産生性の C. difficile が検出され, その疾患の再燃や悪化に本菌の toxin が関与している可能性が示唆された. また Metronidazole は本菌の除菌ならびに症状改善に有効であつた.
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血小板の影響について
渡辺 勇四郎, 志沢 喜久, 岩渕 省吾, 河野 誠, 前山 史朗, 藤井 守, 水口 明洋, 清水 昭一, 岡部 和彦
1983 年 80 巻 4 号 p.
963-969
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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sialyltransferase 活性は血液凝固時に血清中で上昇し, その上昇は主とし血小板に由来する. したがつて本酵素の測定に際しては, 採血から遠心までの時間および末梢血小板数によりその値が大きく影響されることを考慮しなければならない.
各種肝疾患で血清酵素活性を測定すると, 肝硬変で明らかに低値で, 肝癌で著明な高値を示す. 肝硬変患者の循環血漿中では本酵素活性は健常者と差はないが, 血清中では健常者に比べ明らかに低値となる. この原因は肝硬変における血小板減少にある. 一方肝細胞癌や転移性肝癌患者では本酵素が循環血漿中で高値を示し, さらに血液凝固時の上昇が加わり著明な高値となる.
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坂田 徹悟, 松木 一雅
1983 年 80 巻 4 号 p.
970-973
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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各種肝疾患患者を対象に血清 Angiotensin Converting Enzyme (以下ACEと略す) 活性を測定した. ACE活性は急性肝炎極期, 慢性肝炎, 肝硬変症で上昇を認めたがとくに肝硬変症でのACE活性の上昇が著しかつた. 一方, 脂肪肝では正常範囲内にあり, 閉塞性黄疸ではむしろ低下傾向を示した. このACE活性の上昇機序は肝細胞障害に伴うACE分解能の障害によるものが第一に考えられ, 蛋白異化能の障害を反映する肝障害の指標としての臨床的応用がACE活性を測定することにより可能と思われる.
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荒川 泰行, 勝原 徳道, 天木 秀一, 松尾 裕, 本田 利男, 神田 靖男, 雨宮 洋一, 志方 俊夫, 須藤 祐司
1983 年 80 巻 4 号 p.
974-982
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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厚生省B型肝炎ワクチン開発協議会により開発されたHBワクチンを用いて, 病院職員51名 (第一相試験が6名, 第二相試験が45名) を対象にして臨床試験を実施した. HBワクチンは蛋白量として16μgないし40μgを皮下注射し, 初回接種後4週と24週目にそれぞれ同量を追加注射した. 第一相試験では, HBV感染の既往のある4名に anamnestic な, またHBV感染の既往のない2名に primary の HBs 抗体反応が認められた. 第二相試験では, 接種前に HBc 抗体が陽性の8名中6名に anamnestic な, また他の2名に primary の HBs 抗体反応がみられた. HBV感染の既往のない37名では, 32週後の HBs 抗体陽転率が89.2% (女性94.7%, 男性83.3%)で, 男性は女性より, また高年者は若年者より HBs 抗体反応の弱いことが示唆された. 特別の副作用もなく, 本ワクチンの有効性と安全性が確認された.
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鬼塚 俊夫, 中沢 三郎
1983 年 80 巻 4 号 p.
983-993
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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ハムスターを対照群(I群), 胆石形成食単独投与群(II群), Diisopropanolnitrosamine (DIPN) 単独投与群 (III群), 胆石形成食およびDIPN併用群 (IV群) の4群に分け, 胆嚢結石の胆嚢癌発生におよぼす影響を検討した. 20週以上生存した49匹中, 胆嚢に腫瘍性病変を認めたのは, I, II群にはなく, III群では11%, IV群で40%であつた. IV群ではIII群と比較して腫瘍性変化が好発する傾向がみられた. 走査型電子顕微鏡による観察ではII群において胆嚢粘膜の破壊, 再生を示す所見がみられ, またIV群では著しい増殖性変化がみられた. 以上の検討から, 他の発癌因子が存在する場合, 胆石が胆嚢の腫瘍性変化の発生, ひいては発癌に大きく関与することを明らかにした.
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第2編: Pancreozymin-secretin 試験時の十二指腸液中の ribonuclease, amylase 活性および immunoreactive trypsin の分泌動態について
河合 公三
1983 年 80 巻 4 号 p.
994-1000
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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膵疾患患者において, Pancreozymin-secretin (PS) 試験時に得られた十二指腸液中の ribonuclease (RNase), amylase および, immunoreactive trypsin (IRT) を測定し, それらの分泌パターンを検討した.
膵癌群での RNase の分泌パターンは, 非膵疾患群および, 疑診慢性膵炎群に比し全般に低値であつたが, 膵癌に特異的な分泌パターンは認められなかつた. secretin 投与後の3酵素間の相関に関する限り, 膵癌の80%が RNase 50~180単位/mlおよび amylase 40,000~70,000 Somogyi 単位/dlの範囲にあり, 膵癌の診断の一助として有用である.
非膵疾患群では, RNase と amylase の分泌パターンは parallel であつたが, 病態の差により酵素がそれぞれ独自の分泌パターンを呈した. 以上の結果から, 膵酵素の分泌パターンは non parallel であることが示唆される.
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渡辺 伸一郎, 白鳥 敬子, 大井 至, 神津 忠彦, 竹内 正
1983 年 80 巻 4 号 p.
1001-1006
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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血清 Elastase-1の臨床的意義について, 確定診断された膵疾患63例を中心に, 同一検体におけるAmylase と対比検討した. Elastase-1の測定は RIA-kit (Dainabot 社製) を用いた. 異常値出現頻度はElastase-1が66.7%で, Amylase の41.3%に比してより高率に認められた. 一方, 急性発作を起こした膵炎9例の経過観察における Elastase-1の経日的変動をみると正常化までに要した平均日数は25±15日と, Amylase の7±5日に比し数週間正常化の遷延が認められた. また, これは臨床像と良く一致した.
従つて, Elastase-1は Amylase に比して膵疾患のスクリーニング検査法としてより鋭敏であり, 膵炎の経過観察において治療や治癒判定の有力な指標となるものと考えられた.
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斎藤 雅雄, 高橋 建二, 浅香 正博, 小野 英夫, 長瀬 清, 桜田 恵右, 宮崎 保
1983 年 80 巻 4 号 p.
1007-1010
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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前田 正人, 野内 俊彦, 坂本 龍, 三浦 薄太郎, 金山 正明
1983 年 80 巻 4 号 p.
1011-1015
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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小森 宗治, 津野 至孝, 井手 秀水, 谷岡 一, 村上 一生, 川本 充, 田中 義人, 中村 憲章, 牧山 和也, 原 耕平, 森 宣 ...
1983 年 80 巻 4 号 p.
1016-1020
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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橋本 直明, 梅田 典嗣, 下條 ゑみ, 松枝 啓, 坂上 隆一, 高添 正和, 大網 弘
1983 年 80 巻 4 号 p.
1021-1025
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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外山 久太郎, 石田 秀夫, 木田 光広, 一原 亮, 小泉 和三郎, 大高 英雄, 増田 弘毅
1983 年 80 巻 4 号 p.
1026-1030
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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村上 隼夫, 土屋 潔, 西村 治男, 牛首 文隆, 渥美 清, 関 真理, 岡本 亮彌, 渕上 哲, 矢後 修, Takehiro KAJ ...
1983 年 80 巻 4 号 p.
1031-1035
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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中目 千之, 小泉 勝, 藤谷 浩, 赤井 裕輝, 豊田 隆謙, 後藤 由夫, 亀山 仁一, 宮川 菊雄, 羽二生 邦彦, 山口 建, 亀谷 ...
1983 年 80 巻 4 号 p.
1036-1041
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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吉矢 健一, 田港 朝彦, 北野 則和, 清野 裕, 桜井 英雄, 山村 武平, 高橋 徳, 石川 羊男
1983 年 80 巻 4 号 p.
1042
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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