日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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74 巻, 8 号
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  • 青木 望
    1977 年 74 巻 8 号 p. 995-1005
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Peutz-Jeghers症候群と診断された15例の消化管隆起性病変を病理組織学的に検索した. 胃腸管の各区分毎にほぼ共通の所見が得られた. 胃病変では腺窩上皮の過形成が主で腺窩の延長や拡張が, 小腸では円柱吸収上皮細胞, 杯細胞とPaneth細胞がみられたが腺窩の著明な延長とPaneth細胞が腺窩深部にのみ存在し, 大腸では杯細胞の過形成などが認められた. 悪性変化は胃病変には認められず, 小腸では1例に明瞭な癌化と6例に粘膜下層以下の壁内への腺管侵入が見られ悪性化を疑われ, 大腸では癌化は認められなかつた. 本症のポリープは特異な組織像を示し, 他の消化管ポリポーシスの病変とは明確に区別されると推定された.
  • (第3報)-血中ガストリン及び胃液分泌について
    野口 正彦, 川野 淳, 平松 紘一, 益沢 学, 鎌田 武信, 阿部 裕, 房本 英之, 山戸 一晃, 杉本 侃
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1006-1012
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    頭部外傷患者54例, 熱傷患者20例及びその他の外傷患者15例の血中ガストリンをRadioimmunoassayで測定した. また頭部外傷患者では26例で内視鏡検査を施行し, 一部酸分泌を測定した. 頭部外傷患者における受傷早期の血中ガストリンは健常者に較べ有意に高く (P<0.005), 熱傷や他の外傷患者に較べても高値を示した. 消化管病変との関連性については出血性びらんを呈する多くの症例では受傷直後に一過性の高ガストリン血症を認めたが, 胃潰瘍を呈する症例ではすべて受傷直後より正常範囲内に推移した. また頭部外傷患者において約1/3の症例に酸分泌亢進を示したが急性上部消化管病変を合併する症例では酸分泌亢進はほとんど認められなかつた.
  • 辻井 正, 熨斗 秀興, 田村 雅宥, 松井 勉, 森田 倫史, 樋口 勝, 松山 義則, 藤本 隆由, 木村 一英, 西村 義明, 福井 ...
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1013-1020
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    高ブドウ糖, 不飽和脂肪酸欠乏食で飼育したハムスターの胆石形成に及ぼす胆汁酸投与の影響とレシチン添加の効果を検討した. chenodeoxycholi cacid (CDCA) 単独投与では, 投与量によつて胆石形成率は異なり, 0.05% CDCAでは, ある程度胆石形成を抑制するが, 0.1%CDCAでは抑制効果は認められず, むしろレシチン単独投与の方がCDCAよりも胆石形成抑制効果は上廻つた. CDCAにレシチンを併用投与すると, CDCA投与量の如何を問わず, CDCAおよびレシチンのそれぞれ単独投与に比べて胆石形成率は有意に低下し, 胆石形成抑制効果は明らかに増強された. また胆汁組成においてもコレステロール溶存能の改善を認め, レシチン添加の有用性が示唆された.
  • 肝組織中にHBs抗原が検出された急性アルコール性肝炎の1剖検例を中心として
    長田 敦夫, 古田 精市, 清沢 研道, 小池 ゆり子, 佐原 勍, 赤羽 賢浩, 古川 賢一, 飯島 義浩, 山村 伸吉, 小松 敬直, ...
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1021-1029
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    アルコール多飲者の肝病変を軽度変化, 脂肪肝, 肝線維症, 急性アルコール性肝炎, 肝硬変に分類し, それらの血中HBs抗原, HBs抗体, HBc抗体を同時に測定した. 肝硬変例では他の病型にくらべ明らかにHBV関連抗原・抗体系の検出される頻度が高かつた. このことからアルコール多飲者肝硬変の一部にはHBV感染によるものがあることが推定された. しかしHBV感染があつても肝の組織学的特徴からアルコール性と思われる症例も存在した. さらにまたアルコール硝子体が多数みられる典型的な急性アルコール性肝炎で, 血中にはHBs抗体のみが陽性で, 肝内にはHBs抗原が証明された興味ある剖検例について考察した.
  • 奥村 恂, 谷川 久一, 中馬 康男, 小路 敏彦, 中川 昌壮, 中村 裕一, 飯野 治彦, 山崎 晴一朗, 久次 武晴
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1030-1041
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Chenodeoxycholic acid (CDCA) の7β-OH異性体であるursodeoxycholic acid (UDCA) は, わが国では20年来利胆剤として使用されてきた薬剤である. 本剤にはCDCAとの構造上の類似性や, CDCA投与後の胆汁中UDCAの増量などより, コレステロール溶存能を高め胆石溶解作用のあることが期待される.胆石症78例にUDCA 450mg/日を1~18ヵ月投与し, 胆石溶解効果を検討した. その結果, 29/78 (37.2%) に胆石の消失ないし大きさの縮小, 数の減少などがみられた. 本剤はCDCAに比べると副作用が少なく, 症例を選べば試みる価値ある内科的療法と考えられる.
  • 第1報空腹時における基礎的血中グルカゴンならびにインスリン値とアルギニン, その他の負荷刺激時におけるそれらの変動について
    小笠原 徹也, 鬼原 彰
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1042-1048
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝疾患における膵内分泌機能, とくにα細胞機能を検討した. 諸種肝疾患の空腹時血漿グルカゴン (IRG) ならびにインスリン (IRI) は有意の上昇を示すが, G/Iモル比は肝疾患で有意の上昇を示した. インスリン低血糖刺激に対し, 肝疾患の血中IRGは有意の上昇を示し, またアルギニン負荷において血中IRGおよびIRIはいずれも有意の高反応を示した. 一方, 50gブドウ糖負荷において, 肝疾患の血中IRGは次第に減少したが, 対照に比べて有意の高値を持続した. 血中IRIは著明な高反応を呈している. 以上より, 肝疾患においては, 血中IRGは有意の上昇を示しており, また血中IRIとの相互関係が糖代謝異常と関係することが推測された.
  • 河野 邦彦, 吉田 孝宣, 武者 広隆, 小藤田 和郎, 奥田 邦雄
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1049-1055
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    過去10年間における当科及び関連諸施設での劇症肝炎35例中, 交換輸血10例と非交換輸血25例につき本療法の有効性について検討した. その結果, 交換輸血療法は, 保存的療法に比べ救命率が高く, 更に意識レベルの改善延命効果も十分期待できた. しかし, 高齢者の症例や, 肝細胞障害の程度の強い症例, 発症より交換輸血迄の期間の長い症例では救命率が悪かつた. 従つて交換輸血療法にも限界があるが, 若年者で極端に肝障害の強くない例では発症後早期に交換輸血を行なうとその有効性に期待がもてる. 交換輸血施行後, 肝細胞再生が認められたにもかかわらず合併症の為死亡した症例もあり合併症の予防が今後重要な課題となろう.
  • 額田 均, 西元寺 克礼, 新関 寛, 為近 義夫, 三井 久三, 広門 一孝, 岡部 治弥
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1056-1061
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 白木 東洋彦, 木下 俊昭, 川崎 栄明, 谷沢 義弘, 鶴崎 俊秀, 水谷 不二夫, 勝馬 芳徳, 高橋 示人, 滝野 辰郎
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1062-1068
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 木下 正博, 前田 明文, 野本 拓, 田中 智之, 木本 泓夫, 小田 冨雄
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1069-1077
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ICG試験高度停滞を示し, BSP試験正常ないし軽度停滞を示す2症例の家族調査により二家系とも家族内発生がみられた. ICGは低濃度でVLDL, LDLと結合し, 高濃度になるに従いHDL, 4S蛋白と結合してくることが判明した. Sephadex G-200による結合パターンでは慢性肝疾患群でICG第II峰が19S蛋白側に移動しているのが認められた. 本症例では19S蛋白に一致するICG第I峰の相対的増加を示すものと, ICG第II峰が19S蛋白側へ移動しているものの両者がみられた. ICG・血清蛋白結合パターンよりこの異常停滞を一元的に説明することはできないが, 停滞を来すひとつの原因となるのではないかと考えられた.
  • 近藤 元治, 鳥巣 要道, 竹村 周平, 吉川 敏一, 横江 信義, 加藤 治樹, 池崎 稔, 今西 仁, 細川 計明, 増田 正典
    1977 年 74 巻 8 号 p. 1078-1083
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    激症肝炎における血中補体の変動を, 6症例につき経時的に測定した結果, 精神症状の出現に前後して, 全例にCH50の低下がみられ, これは急速なC4の低下と緩除なC 3の減少によることが判つた. 救命し得た2例では, 臨床症状の改善と共にCH 50の回復をみた. 本症における補体の低下には, 肝における補体産生の低下以外に免疫現象, DICの合併, その他の因子が考えられるが, 補体の検索が予後の判定の示標になると考えられた.
  • 1977 年 74 巻 8 号 p. 1084-1094
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 74 巻 8 号 p. 1095-1102
    発行日: 1977/08/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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