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誉田 芳孝, 西崎 朗, 中野 修, 松田 康平, 和田 謙, 的崎 尚, 長尾 宗彦, 坂本 長逸
1991 年 88 巻 6 号 p.
1281-1287
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
エタノールによる細胞障害に対するプロスタグランジンE
2 (PGE
2) の細胞保護作用機序をモルモット胃単離主細胞を用いて検討した. PGE
2で主細胞を前処理するとPGE
2の濃度に依存してエタノールによる細胞障害が軽減した. このPGE
2前処理のpH, 温度が生理的条件であるときに細胞保護作用の最大効果が得られ, 酸性, アルカリ性または, より低温の条件下では細胞保護効果は減弱した. PGE
2は主細胞において細胞内Ca
2+濃度•初期Ca
2+流入量の上昇に影響を与えなかつた. また, PGE
2刺激により主細胞内cAMP濃度は上昇したが, forskolin などにより細胞内cAMP濃度を上昇させても細胞保護作用は観察されなかつた. これらの結果から, 単離胃主細胞においてはPGE
2はCa
2+やcAMP以外の何らかの細胞内過程を介して細胞保護作用を発揮している可能性が示唆された.
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竹田 明彦, 三好 武美, 有水 昇, 磯野 可一
1991 年 88 巻 6 号 p.
1288-1296
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ヒト胃癌株MKN-45細胞産生CEAを免疫源とする7種類のモノクローナル抗体の免疫活性, 親和性を cell binding assay にて評価し, MKN-45移植マウスにおける各抗体の腫瘍集積性と体内動態を検討した. その結果1) CEA特異的な3種類の抗体は親和力が一定で免疫活性に差を有し, CEA非特異的な抗体は前者よりも強い親和力を有していた. 2) 動物実験では, CEA特異的な抗体が非特異的な抗体より高い腫瘍集積と低い正常組織分布を生じ, 高い腫瘍/非腫瘍組織比が得られた. 3) 抗体の腫瘍集積性は抗体の持つ免疫活性により左右され, 親和力は全身からの代謝, 排泄に影響を及ぼし, 癌の免疫検出法の再現性を論ずる際これらの因子の検討が不可欠であると考えられた.
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芳金 弘昭, 塚本 純久, 丹羽 康正, 後藤 秀実, 長谷 智, 有沢 富康, 水谷 恵至, 内藤 靖夫, 三竹 正弘, Kose SEG ...
1991 年 88 巻 6 号 p.
1297-1304
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
消化管カルチノイド腫瘍15例 (胃5例, 十二指腸2例, 直腸8例) を対象に超音波内視鏡 (EUS)像と病理組織像を対比検討した. 消化管カルチノイド腫瘍は発生部位にかかわらずEUSによつて境界が明瞭で, 内部が均一な低エコーの腫瘤像として描出された. 特に82%を占めるsm病変では粘膜下層に相当する第3層に病変の主座があり, 腫瘤をおおう第2層が隆起の途中あるいは頂部で腫瘍の低エコーに接し不明瞭になつていることが特徴的であつた. 低エコーの腫瘍像と非病変部の5層構造との関係より深達度を診断した結果, 88%が正診できた. さらにEUSは, 消化管カルチノイド腫瘍の治療法の選択にも有用な検査法であると思われた.
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累積生存率•累積手術率についての検討
中原 束, 八尾 恒良, 櫻井 俊弘, 岡田 光男, 飯田 三雄, 渕上 忠彦, 田中 啓二, 岡田 安浩, 坂本 清人, 佐田 正之, 伊 ...
1991 年 88 巻 6 号 p.
1305-1312
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Crohn 病203例の長期予後について検討した. 病型は, 小腸型83例, 小腸大腸型60例, 大腸型25例, 初診時既手術例20例, その他15例で平均観察期間は4.4±3.2年 (mean±SD) であつた. 死亡例は突然死の1例のみで, 累積生存率は3年後100%, 5年後98.9%, 10年後98.9%で期待生存率と有意差はなかつた. 発症後の累積手術率は3年後9.0%, 5年後16.2%, 10年後39.1%, 診断後の累積手術率は3年後15.5%, 5年後25.9%, 10年後46.9%であつた. 本邦における Crohn 病の累積生存率. 累積手術率についての報告は今回の成績がはじめてであり, 欧米の諸報告に比べ良好な成績であつた.
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小林 清典, 勝又 伴栄, 五十嵐 正広, 三富 弘之, 西元寺 克禮, 島田 信宏
1991 年 88 巻 6 号 p.
1313-1318
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
潰瘍性大腸炎 (以下UC) と妊娠との相互関係, および治療薬剤が妊娠経過や新生児におよぼす影響につき検討した. 対象は女性UC患者118例のうち, 妊娠可能期間 (18歳から39歳) にUCを発症するか, 観察期間内に妊娠可能年齢となつた83例であり, 以下の結論を得た. (1) UCは患者の妊孕性および妊娠経過に影響をおよぼさなかつた. (2) UC発症後の妊娠は37回であり, うち36回は緩解期妊娠であつたが, 17回 (47%) でUCが再燃した. 非妊娠時の再燃率との比較で, 妊娠はUCの再燃因子と考えられた. (3) 12回で妊娠中にUCが発症し, 重症化する傾向にあつた. (4)妊娠中の salazosulfapyridine や副腎皮質ステロイドなどの投与は常用量の範囲内では安全と考えられた.
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荻原 泰, 杉本 元信
1991 年 88 巻 6 号 p.
1319-1327
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Wistar 系雄性ラットに四塩化炭素肝障害を惹起させ, 同時に安息香酸エストラジオール(0.1mg/100g) またはプロピオン酸テストステロン (5mg/100g) を週2回連続的に12週間腹腔内投与し, 両薬剤の肝に及ぼす影響について検討した. エストラジオールの同時投与では, 生化学検査では著変なく, 形態学的には線維化や脂肪化が抑制される傾向が認められたが, 8週以後肝細胞の過形成性変化が40%に出現した. フローサイトメトリーによる分析では4週で肝細胞増殖の亢進がみられた. 生存率は四塩化炭素単独投与時よりやや低い傾向がみられた. 一方テストステロンの同時投与では, 肝の組織変化は四塩化炭素単独投与の場合と同程度に起こり, 生存率は最も低かつた.
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中 英男, 瀬川 謙一, 石井 英昭, 本告 匡, 管 知也, 奥平 雅彦, 渋谷 隆明, 松本 偉男, 柴田 久雄
1991 年 88 巻 6 号 p.
1328-1335
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性B型肝炎例の生検肝組織内におけるHBe抗原を免疫組織学的に検索し, 慢性肝炎, 活動性(CAH) 33症例中11例 (33%) に, 同じく非活動性 (CIH) に8例中5例 (63%) に陽性を証明した. しかもHBeAgbはHBe抗原陽性16例中15例に陽性であつたが, HBeAgaはCAHとCIHにそれぞれ1例に証明されたにすぎなかつた. HBe抗原陽性例の肝細胞は全例が核に陽性を呈し, 細胞質は陰性であつた. HBe抗原陽性細胞の肝小葉内分布は全例が周辺帯域に確認されており, CAHの3例とCIHの1例では中間帯と中心帯に認められた. 肝組織内でHBe抗原が陽性であつた症例は全て血中のHBe抗原も陽性であつた. 逆に血中のHBe抗原が陽性であつた慢性B型肝炎ではCAHで33例中11例(33%)に, CIHでは8例中4例 (50%) に肝組織内のHBe抗原が陽性であつた.
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荒川 正博, 鹿毛 政義, 大久保 和典, 角野 通広, 井上 林太郎, 豊永 純
1991 年 88 巻 6 号 p.
1336-1340
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
下部食道に特殊な血管構築があることが知られており, これが門脈圧亢進症症例でどの様に変化するかを明らかにするため, 未治療の門脈圧亢進症剖検例30例に胃壁の胃冠状静脈からゼラチン添加バリウムを注入し, 組織学的あるいは組織計測学的に検討を行つた. 結果1) すだれ様血管走行部では門脈圧亢進症が進むにつれ, 粘膜下層域を走行する血管がふえるが, この多くは粘膜筋板の詳細な観察から粘膜固有層由来の血管であることが明らかとなつた. 2) すだれ様血管走行部では粘膜下層域を走行する血管が増え, 胃と静脈瘤部の粘膜下層の血流をつなぐ働きをし, 静脈瘤部の血管構築に近似してくるが粘膜固有層に拡張した血管が全周性に見られることが異なる. 3) すだれ様血管走行部をすだれ型と棍棒型に分けることが出来る. 棍棒型は30例中8例にみられ, 静脈瘤が高度な症例に多く, その極端な例が巨木型である.
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controlled study
金沢 秀典, 渡 淳, 松坂 聡, 多田 教彦, 宮田 邦久, 斎藤 整, 吉沢 雅史, 黒田 肇, 小林 正文
1991 年 88 巻 6 号 p.
1341-1348
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
待期的硬化療法を行つた肝硬変43例を硬化療法施行後に propranolol を経口投与する群 (propranolol 併用群, n=20) と propranolol を投与しない群 (硬化療法単独群, n=23) に分け両群の再出血率を prospective に検討した. 両群の背景因子, 肝機能, 門脈圧, 硬化療法施行回数, 硬化療法終了時内視鏡像には差を認めなかつた. 平均27カ月の追跡期間中に propranolol 併用群の3例, 硬化療法単独群の11例に再出血が見られた. Kaplan-Meier 法による両群の累積非再出血率曲線の間には有意差が見られ, propranolol 併用群の再出血率は低率であつた. 従つて, 待期的硬化療法施行後の propranolol 経口投与は再出血の予防に有用と思われた.
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齋藤 修一, 村上 正己, 木村 徹, 西島 敬之郎, 高山 尚, 山路 達雄, 安藤 哲, 都築 靖, 長嶺 竹明, 山田 昇司, 樋口 ...
1991 年 88 巻 6 号 p.
1349-1353
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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辻本 洋行, 桑田 克也, 山口 陽弘, 中村 隆一, 馬渕 非砂夫, 九嶋 亮治, 大村 光浩, 服部 隆則
1991 年 88 巻 6 号 p.
1354-1358
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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宮内 邦浩, 大島 行彦, 清水 正夫, 渡邊 龍彦, 吉田 勝明, 朝長 哲弥
1991 年 88 巻 6 号 p.
1359-1363
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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安武 晃一, 時末 充, 吉村 幸男, 西崎 朗, 前田 哲男, 増田 忠之, 増田 章吾, 大家 学, 奥村 修二
1991 年 88 巻 6 号 p.
1364-1368
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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長岡 正, 大川 伸一, 伊藤 義彦, 玉井 拙夫, 多罹尾 和郎, 杉政 征夫, 武宮 省治, 岡本 堯, 亀田 陽一, 山口 正直, 飯 ...
1991 年 88 巻 6 号 p.
1369-1374
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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須田 剛士, 大矢 実, 畠山 重秋, 阿部 惇, 斉藤 秀晁, 高木 健太郎, 小山 高宣, 関谷 政雄
1991 年 88 巻 6 号 p.
1375-1379
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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鍋島 紀滋, 伴 信之, 藤本 昌澄, 上田 誠, 兼松 雄象, 森安 史典, 大熊 稔
1991 年 88 巻 6 号 p.
1380-1383
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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渋谷 和彦, 古川 徹, 網倉 克己, 小針 雅男, 松野 正紀, 朝倉 徹, 下瀬川 徹, 小泉 勝, 高橋 徹
1991 年 88 巻 6 号 p.
1384-1387
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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道田 知樹, 福田 益樹, 篠塚 總一, 玉置 純, 大谷 伊知郎, 岡田 章, 朝川 信之, 奥田 収, 遠所 裕通, 久下 博, 吉岡 ...
1991 年 88 巻 6 号 p.
1388-1392
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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清水 正賀, 早田 哲郎, 中岡 幸一, 久原 克彦, 奥村 恂
1991 年 88 巻 6 号 p.
1393
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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九嶋 亮治, 服部 隆則
1991 年 88 巻 6 号 p.
1394
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー