日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
76 巻 , 10 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 三木 一正, 鈴木 宏, 丹羽 寛文, 飯野 四郎, 宮崎 純, 織田 敏次
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1921-1928
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    83μ9/ml濃度のMNNGによるラット実験的腸上皮化生および実験的胃癌組織アルカリフォスファターゼ(ALP)アイソザイムの検出を行い,その酵素学的•免疫学的性質を検討した.胃粘膜ALPザイモグラムの検討できた13匹中10匹ではneuraminidase(N)感受性を有さず,抗ラット小腸ALP抗体と反応した.これは胃癌組織ALPをN処理後に認められる2本の活性帯(AおよびB)のうちの腸極側のB(Rf=32%)と同一の性質であり,小腸性ALPであつた.他の3匹ではN感受性を示し,抗体とは反応せず,胃癌組織中のA (Rf=19%)と同一の性質であり,非小腸性ALPであつた.胃癌組織ALP比活性値は周囲胃粘膜より100倍高値を示し,胃癌細胞はALPを産生している可能性が示唆された.
  • 近藤 慶一郎
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1929-1941
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    対象は消化性潰瘍症例121例(十二指腸潰瘍59例,胃潰瘍62例)であり,MAOが20mEq未満のものをnormosecretor,20mEq以上のものをhypersecretorに分けた.研究方法は,全症例に対して,ヒスタローグ刺激,insulin刺激による胃液分泌検査および肉汁エキス刺激,insulin刺激による血清gastrin値の測定を行つた.形態学的変化の検討としては,幽門洞粘膜内gastrin量の測定,幽門腺領域の面積の計測,さらには幽門腺領域における胃炎の検索を行つた.その結果,十二指腸潰瘍と胃潰瘍との間に次のような異同が明らかにされた.hypersecretorの十二指腸潰瘍は,functioning Parietal cell mass(以下FPCM)およびfunctioning G cell mass(以下FGCM)が多く,vagal capacityが大きく,hypersecretorの胃潰瘍はFPCMが多く,FGCMはやや多くvagal capacityが大きいことが証明された.一方,normosecretorの十二指腸潰瘍では,FPCMは少なく,FGCMが多く,vagal capacityが大きく,normosecretorの胃潰瘍はFPCMおよびFGCMともに少なく,vagal capacityが少ないことが証明された.十二指腸潰瘍は,normosecretor, hypersecretorともにvagal capacityが大きく,胃潰瘍は従来,低酸あるいは正酸という概念があつたが,MAOが20mEq以上のhypersecretorが約3割位あり,その性格が十二指腸潰瘍と相似してvagal capacityが大きいことがわかつた.したがつて胃潰瘍のhypersecretorはnormosecretorとは区別して治療にあたるべきである.
  • 堀江 良秋
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1942-1954
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    阻血性腸病変の発症に関して腸壁内微小血管閉塞の重要性が示唆されてきた.この病態の解明のために実験的にmicrobariumを腸壁内血管に注入して腸阻血病変を作成し,注入量に応じて生ずる病変を経時的に観察した.注入量が少量の場合は浮腫,びらん,出血,表層性壊死などがみられ,1~2週以内に正常に回復し,この経過は内視鏡的にも観察された.大量注入による全層壊死,穿孔をまぬがれた場合は,潰瘍形成さらに2週項には強い線維化をともなう狭窄形成に至つた.また上皮細胞における電顕的変化は阻血直後よりみとめられた.微小血管閉塞が発症機転の面で重要な位置をしめること,さらに阻血性病変は出血,潰瘍,壊死など多彩な病像を呈するが,阻血程度に応じて一連の変化として把握できることを明らかにした.
  • 神坂 和明, 都留 正展, 平野 正憲, 稲垣 徹, 岡野 健一, 寺野 彰, 松本 和則, 加藤 善久, 本木 達也, 上井 一男, 村尾 ...
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1955-1959
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患での肝組織および血清中のリガンディン濃度とZ蛋白濃度をラジオイムノアッセイ法で測定し,比較を試みた.正常例での肝内濃度はほぼ同じであるが,血清ではリガディンにくらべZ蛋白が約8倍の高濃度で存在した.各種肝疾患での血清リガンディン値,Z蛋白値の測定では,リガンディン値はほぼ全例で上昇がみられたが,Z蛋白値は特に慢性肝炎,肝硬変症で低下を示す症例がかなり認められた.両蛋白の血清値の相関係数は,急性肝炎0.35,慢性肝炎0.19,肝硬変症0.56で,肝硬変症でのみ有意の相関が認められた.体質性黄疸ではリガンディン値は正常ないし軽度上昇を,Z蛋白値は全例で低下を認みた.各種肝疾患での肝組織内濃度は正常にくらべ,いずれも低下していたが,肝硬変症,慢性肝炎では比較的ばらつきが多く,急性肝炎,体質性黄疸では一定して低値を示した.
  • 森実 敏夫, 土本 寛二, 渡辺 哲, 大塚 秋二郎, 栗田 健, 土屋 雅春
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1960-1969
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性活動性肝炎患者末梢血リンパ球はChang肝細胞に対して有意に高い細胞障害性を示す.そのeffectorはT cell depleted populationに属し,E rosetteを形成しない細胞と思われた.in vitroでChang肝細胞障害過程にあるリンパ球は蛍光抗体法でFc receptor陽性,surface Ig陰性であり,主に"K cell"が関与していると考えられた.慢性活動性肝炎患者血清添加により健常人リンパ球はChang肝細胞を強く障害し,そのeffectorはT cell depleted populationに属し,Fc receptor陽性,surface Ig陰性で"Kcell"によるAntibody dependent cell mediated cytotoxicity (ADCC)と考えられた.ヒト肝癌細胞株(LiC-1)に対する細胞障害性は健常人でも強く認められた.そのeffectorは肝細胞癌患者でも健常人でもT cell deplet-ed populationに属しFc receptor陽性で,surface Ig陽性細胞の参与も認められ,主に"N K cell"と考えられた.
  • 中沼 安二, 太田 五六
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1970-1978
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    1歳以下の乳児171剖検例を検索したところ,11例に嚢胞腎を,6例に発生異常に基づく肝内胆管病変を認めた.そこで,これら相互の合併を検討してみると,Potter I型嚢胞腎3例全例と,Potter II型嚢胞腎5例中2例に発生異常に基づく肝内胆管病変を認めた.また,発生異常に基づく胆管病変を認めた6例中5例に嚢胞腎の合併がみられた.乳児では,これらの胆管病変と嚢胞腎の発生の間にかなりの関連性が示唆された.
    Potter I型嚢胞腎3例では,拡張した肝内胆管の増加•屈曲が特徴であるが,Potter II型2例の肝内胆管は増加•屈曲を示すが拡張に乏しく,むしろ多くの胆管は索状構造を示した.これらの所見およびその他の肝病変の差異より,Potter I型およびPotter II型の嚢胞腎に合併する肝内胆管病変には,形態像および形態発生に関して差異のあることが示唆された.
  • 長 益悦
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1979-1992
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    コレステロール(コ)含有量80%以上の胆石の溶解現象を走査電顕(SEM)で検討した.胆石はビーグル犬(犬)胆汁中でincubateした対照群(3例)とCDCA投与群(11例)の2群に分けた.胆石の重量はincubation後に16.5~39.4%減少した.SEM所見を比較したところ,incubation後の最も著明な変化は微小結晶の減少であつた.板状結晶の切子面は波打ち,辺縁は不整になり,角は丸味を帯びた.さらにincubation前は薄い板状結晶が密に重積しているが,incubation後はこの結晶に間隙が生じた.これらの変化は表面 とcoreの両方にみられ,犬胆汁によるコ結晶の溶解によると考えられた.CDCA投与群胆石においても対照群と同様のSEM所見を示し,これはコ胆石のCDCAによる溶解過程を示唆している.
  • 稲垣 豊, 田中 康之, 高村 太郎, 榊原 健治, 温田 信夫, 奥田 宣男, 加納 英行
    1979 年 76 巻 10 号 p. 1993-2003
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    われわれは,一年間に5例の急性膵炎と4例の再発性膵炎を経験し,CPKを測定したところ,急性膵炎の内4例,再発性膵炎の内2例に上昇例を認めた.膵臓にはCPKは,ほとんど存在せず,又CPK isozymeではMM型が大部分であり,心電図でも硬塞パターンは認められなかつたので,CPK由来は,骨格筋特に後腹膜下の筋肉及び横隔膜と推察される.われわれの症例では,CPKのmaximum値及び上昇期間は,重症度に相関するデータを得た.膵炎におけるCPK上昇の機序は,膵液による筋肉の直接融解壊死の他,血液凝固異常,炎症及びそれによる筋膜及び細胞膜の透過性亢進が関与していると思われる.
  • 木村 寿成
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2004-2016
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Pancreozymin Secretin test(PS試験)時の十二指腸液中elastolytic activity(elastase活性)をN-benzoyl-L-alanine-methyl ester (BAME)およびN-succinyl-(L-alanine)3-P-nitroanilide (Suc-(Ala)3-NA)の各特異的合成基質を用いその基礎的検討を加え,次いで血清elastase 1のradioimmunoassayを追試検討し,これらelastaseの膵疾患診断における臨床的有用性について検索した.Suc-(Ala)3-NAを用いる方法は十二指腸液中elastase活性測定において簡便で感度,再現性に富み,また現行の3因子を指標とするPS試験で異常所見を認めない慢性膵炎疑診例中42%(6/14)にelastase排出量の低下を認め,慢性膵炎軽症例の診断上秀れた臨床的有用性を確認した.一方,各種膵疾患および高アミラーゼ血症を伴う疾患について血清elastase1を測定し,amylaseと比較検討した結果,本法はamylaseに比し膵特異性が高く,適確に膵病態を反映し,膵疾患の診断の指標として極めて有用である所見をえた.
  • 遠藤 克博, 小泉 勝, 金沢 義彦, 金沢 義彦, 吉田 新, 三浦 守正, 菅野 孝, 小泉 文明, 後藤 由夫
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2017-2023
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    十二指腸液を吸引しつつ,十二指腸下部へ注腸を行えるよう新しく開発した四重管を用い,正常者,糖尿病,慢性膵炎患者に0.1N HCl 50ml,1.2%PHP 50mlを注入し,膵外分泌反応と血中immunoreactive secretin(IRS)の変動を観察した.
    1) 正常群では,注腸後,膵液量,膵HCO-3濃度は前値の約2倍に増加し,血中IRSの上昇も認められた.糖尿病群でも同様の傾向が認められた.
    2) 慢性膵炎群では,注腸後,膵外分泌反応は変動せず,又,正常群,糖尿病群に比し,液量,HCO3-濃度の有意の低下をみた.
    3) 基礎分泌と注腸後の膵外分泌反応をPHPとHClで比較すると,PHP注腸後はアミラーゼ分泌量の増加は認められず,PHPはHClより特異的なセクレチン遊離物質である事が推定された.
  • 山中 桓夫, 吉田 行雄, 木村 健
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2024-2030
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    リニア電子走査型穿刺用探触子による生検は,目的部位や穿刺針の刺入経路を実時間で動的に観察しながら施行することができるため,安全性•確実性に優れている.特に,穿刺•生検部位の呼吸性移動が大きな場合には有用と考えられた.また,手技的にも容易であつた.従来よりの手動走査型穿刺用探触子を用いる方法は,解像能に優れているため穿刺•生検対象が小さな場合には有用であるが,呼吸などによる穿刺•生検部位の移動が大きい場合は不向である.
    呼吸性移動の少ない膵生検の際には,両者の優劣はつけ難く,膵腫瘤の大きさ,被検者の状態など種々の条件により両者を使い分けることが現在のところ合理的と考えられた.
  • 森近 茂, 永田 耕一, 谷川 高, 今井 正信, 神内 仁, 有馬 暉勝, 長島 秀夫
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2031-2037
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 大西 弘生, 清水 勝, 高井 輝雄, 川出 靖彦, 天野 和雄, 坂東 哲郎, 松井 園生, 青木 泰然, 塩岡 誠, 藤岡 均, 斉藤 ...
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2038-2043
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Fulminant hepatitis due to the massive hepatic necrosis is the most serious syndrome in hepatic inflammations, exhibiting various complications such as cerebral edema, renal dysfunction and impaired blood coagulation system. It is usually difficult to examine the liver histologically during hepatic coma. In this paper, the histological changes in the liver both during and after recovery from fulminant hepatitis were described in a 59 years old woman. On the liver specimen obtained at the initial phase of coma, normal hepatic structure was diffusely destroyed, showing hepatic cell necrosis, degeneration, bleeding and inflammatory cell infiltration. Chronic hepatitis i.e. destruction of the limiting plates, and inflammatory cell infiltration was revealed on two liver biopsy specimens obtained after two and six months, respectively.
  • 内山 正三, 水野 孝子, 鮫島 美子, 田中 孝也, 馬殿 芳郎, 新宅 雅幸
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2044-2051
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    The report was made on a case of 33 year-old man with multi-hormone producing insulinoma. One of his sisters had a case of WDHA syndrome which could suggested his insulinoma to be a hereditary type.
    The tumor found in the pancreatic tail using abdominal ultrasound, ERCP and angiography was diagnosed as an insulinoma according to Whipple's Triad as well as with giucagon test.
    Mesurement of many hormones such as insulin, glucagon, VIP, ACTH, andβ-MSH in the tumor verified it as multi-hormone producing APUDoma.
    Additional concepts concerning the central nervous disturbance induced by hypoglycemia were discussed in ad hoc literatures.
  • 中沢 修, 丸山 裕, 川島 真人, 平田 健一郎, 斉藤 甲斐之助, 福田 守道
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2052
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 庵 政志, 大江 毅, 上野 哲彦, 川嶌 隆, 杉田 敏夫, 前原 操, 菅谷 仁, 吉次 通泰, 加藤 善久, 久内 徹, 原田 尚
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2053
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 永田 和之, 渡辺 嘉久, 足立 穣一, 渡辺 正敏, 野原 秋男, 山本 亘, 中田 正久, 宮本 滋, 村井 俊介, 阿部 正和
    1979 年 76 巻 10 号 p. 2054
    発行日: 1979/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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