日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
101 巻 , 2 号
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総説—第89回総会から—
今月のテーマ : 免疫と消化器疾患
  • 石原 俊治, 木下 芳一
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    高等生物の免疫機構は自然免疫とそれに連携する獲得免疫によって担われ, 多種多様な外来抗原の認識に対応するとともに宿主の合目的な応答を可能にしている. 自然免疫は生体防御の最前線で機能する免疫システムであり, 微生物の構成成分に共通の分子パターン (pathogen-associated-molecular patterns ; PAMPs) を認識することによって効率的な宿主応答をもたらしている. 近年PAMPsを認識するtoll-like receptorファミリーが発見され, 自然免疫研究が急速な進歩を遂げている. 消化管疾患では潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患やH. pylori 感染の病態に自然免疫が密接に関与することが示唆されている.
  • 若月 芳雄
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 135-145
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    消化管には多数の獲得免疫担当細胞が存在し, 恒常的に夥しい量の微生物性・食餌性抗原と上皮を隔てて接している. これらの細胞は管腔内抗原により, 活性化・増殖刺激を受けながらも, 制御調節機序の存在により免疫学的ホメオスターシスを保ち, 組織障害をおこさない. 本稿では, 消化管における獲得免疫機構を概観し, 主に, H. pylori 胃炎と炎症性腸疾患を例にとり, 局所における獲得免疫担当細胞の病態形成における役割を, 最近の知見と併せて報告する.
  • 恩地 森一
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 146-154
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    肝はlymphoid liverと呼ばれるほど, 免疫担当細胞が豊富である. 肝類洞では血流速度はおそく流入抗原と類洞に存在する免疫担当細胞が接触可能な構造となっている. 自然免疫と獲得免疫ともに作動している. 肝で抗原処理が行われ, 免疫応答と免疫寛容の機構が成立している. 特に, 免疫寛容に優位な臓器としての特徴がある. これらの特性が特徴ある肝免疫と肝疾患の成立に寄与している.
原著
症例報告
  • 田澤 秀樹, 中村 眞一, 足立 吉數, 菅井 有, 村田 望, 小野寺 誠, 折居 正之, 兼田 紀美子, 高橋 司, 鈴木 一幸
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 162-167
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例は47歳男性. 主訴は便潜血陽性. 血液検査で炎症反応はなく, 梅毒反応陰性で, 免疫能は正常. 便の細菌培養検査では下痢起因菌は検出されなかった. CFの通常観察では炎症所見は指摘できず, 拡大すると点状の発赤が散在しているところが認められた. 盲腸から直腸まで無作為な生検で大腸上皮の表層部にHE染色でヘマトキシリン好性のけば立ちがみられたが, 腸管には炎症性細胞浸潤は顕著でなかった. 電子顕微鏡像では, 大腸陰窩上皮の表層にスピロヘータが縦方向に密集し, 粘膜表面を覆っていた. 生検材料を用い分離培養に成功し, 遺伝子解析を行い, B. aalborgi によるIntestinal spirochaetosisと診断した. ベンジルペニシリンベンザチン120万単位を経口投与し除菌に成功した.
  • 春里 暁人, 内藤 裕二, 服部 武司, 吉田 憲正, 萩原 明於, 岡上 武, 吉川 敏一
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 168-172
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例は29歳女性. 腹痛を自覚し当院外来を受診, 腹部超音波検査にて腹腔内に低エコーな径約6cmの腫瘤を認め精査加療のため入院となった. 上部消化管内視鏡検査では胃体部に壁外からの圧排所見を認め, 腹部CT・MRI検査, 血管造影検査で非常に多血性の腫瘍の存在が疑われた. 手術にて小網の径約6cmの弾性硬, 表面平滑な球形の腫瘤を切除され, 病理組織学的診断はhyaline vascular typeのCastleman病であった.
  • 熊本 光孝, 中江 遵義, 杉森 聖司, 加藤 寛正, 生馬 和樹, 中路 幸之助, 谷口 友志, 河合 信行
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 173-176
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性. 胃癌術後約6カ月の腹部US, CTにて肝左葉内側区に径3~4cm大の地図状病変を認めた. 3相CT, MRIの所見より肝の脂肪化を疑い, US下吸引針生検にて肝細胞の脂肪変性を認めた. 胃十二指腸動脈から造影を行うと静脈相で肝左葉内側区に流入する静脈を認め, 造影下CTでは病変の部分に一致して濃染像が認められた. 以上より術後に発生した門脈血流低下をともなった異所性還流異常による限局性脂肪肝と診断した.
  • 森 早耶香, 近藤 哲, 良沢 昭銘, 浦山 直樹, 佐竹 真明, 木藤 秀章, 山下 裕章, 中嶋 哲也, 権藤 俊一, 沖田 極
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 177-182
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例は33歳, 男性. CTにて膵頭部腫瘍を指摘, EUS FNAを施行し, 膵腺房細胞癌と診断した. 腫瘍マーカーはCA19-9, CEAはいずれも正常値で, AFPは12886ng/ml と高値を示した. 全身化学療法を施行するも腫瘍は縮小せず, CDDP 10mg/day, 5-FU 250mg/dayによる動注化学療法を施行した. 6クール終了後, 約50%の腫瘍の縮小を認め, AFPは190ng/ml まで低下した. EUS FNAが診断に有効で, 動注化学療法が有効であった貴重な症例であり, 過去の文献的考察を加えて報告する.
  • 上村 顕也, 高橋 達, 山本 幹, 山際 訓, 本間 照, 野本 実, 江部 佑輔, 青柳 豊
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 2 号 p. 183-187
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例は64歳男性. 上顎腫脹の精査中, 持続するタール便と貧血を認め, 検索の結果左慢性膿胸腔内の血管肉腫が上下部消化管, 上顎, 気管支, 肺, 骨, 脳, リンパ節へ転移したものと診断した. 消化管血管肉腫は転移性, 原発性とも非常にまれであり, また本症例は診断時すでに消化管, 気管支の腫瘍より出血を生じ貧血が進行し全身状態不良であったため, 十分な治療が出来なかった. 以上, 今後の同症の早期診断, 治療を考える上で示唆に富む症例であり, ここに報告する.
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