胃の隆起性病変の異型上皮の塗抹細胞像の中で, 核の所見を, 隆起型分化型早期胃癌を対照として, 比較, 検討した. 検査対象は, 異型上皮62例, 対照は, 隆起型分化型早期胃癌20例である. 細胞採取には, 主に直視下生検法を用い, 標本作製には, なすりつけ塗抹法と圧挫塗抹法を用い, 染色は, Papanicolaou 法を用い, 1,000倍の拡大率で計測した.
核内を, 核の大きさ, クロモセンター, 核内クロモセンターの分布状態, 核縁, 網眼, 核の染色性とつに分けて検討したが, 核内所見でも, 異型上皮と隆起型分化型早期胃癌との鑑別が可能な場合が多い.
抄録全体を表示