日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
70 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 川口 陽太郎
    1973 年 70 巻 11 号 p. 1157-1169
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患における γ-glutamyltranspeptidase (γ-GTP) の血清活性の上昇機序を明らかにする目的で, 実験的肝病態モデルの血清および肝γ-GTP活性を測定した. 肝のγ-GTPは実質細胞のミクロゾーム分画に由来し, 慢性肝障害過程で徐々に誘導合成されて, 血中で高い活性を示すが, 急性肝障害では血中, 肝内共に正常域にとどまる. 総胆管結紮では血清活性の上昇を示し, 肝内活性は正常域にとどまり, γ-GTPの排泄路が胆道系にあることを示唆する. 再生肝, オロット酸脂肪肝では血中, 肝内活性は正常域にとどまつた. Morris 肝癌では, 移植腫瘍部分の顆粒分画のγ-GTPが著高を示し, 宿主肝は正常域にとどまり, 血清γ-GTPの増加は腫瘍細胞由来と考えられる.
  • 田中 健一
    1973 年 70 巻 11 号 p. 1170-1181
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    健康成人1,425名の血清γ-GTP活性を測定し男子29.7±38.5mu/ml, 女子14.4±15.5mu/mlを正常値とした. 本酵素は加令と共に上昇し, 飲酒者でも高値を示した. 各種肝, 胆道疾患における血清γ-GTP活性は, 急性肝炎例では正常域にとどまり, 慢性肝炎活動型, 炎症性変化や線維化の活発な肝硬変症で有意な上昇を認め, 肝癌, 胆汁うつ滞型肝炎, 閉塞性黄疸では著増を示した. 初診時γ-GTP活性が高値を示す急性肝炎例は遷延する例が多く, また慢性肝炎では高値で不安定な消長をとる症例の大部分が生検で活動型を示した事実から, γ-GTPは急性肝炎の予後判定および慢性肝炎の病期病態把握の指標として, 特異的な診断意義をもつことが認められた. また肝疾患の鑑別診断の目的でこれら疾患の isozyme pattern を検討し, 各種肝疾患時に特異的な活性帯存在を認めた.
  • 吉良 勝正
    1973 年 70 巻 11 号 p. 1182-1200
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃•十二指腸粘膜の自己消化液に対する特有な防御機構をムコ多糖の立場から検討した. ムコ多糖は粘膜内腔を完全に被覆し, しかも胃と十二指腸ではその量および質を異にし, また粘液層の主成分をなし, あるいは粘膜固有層の間質および基底膜の基質として分泌細胞と血流の間にあり, また分泌細胞の内外に存在しペプシンなどの安定化因子を成している. 消化性潰瘍発生には胃液分泌過剰のほか, ストレス, 局所的虚血, 胆汁の胃内逆流等によるこれらムコ多糖構成の破壊が一因となつていると考えられる. また胃と十二指腸潰瘍の発生機序の差はこれらムコ多糖構成の胃液および胆汁に対する差異に原因が求められるものと考えられる.
  • 広瀬 康二, 宮崎 竜之輔, 片山 敬
    1973 年 70 巻 11 号 p. 1201-1205
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝親和性色素の血中動態の観察には, 多量の採血を要し, 小動物を用いた場合, 総採血量が過大となる欠点があつた. 今回, 131I-BSPを用い実験小動物を生理的に近い状態下で, その血中動態を観察しうる方法を考案した. ラットに131I-BSP 0.025mg/0.5ml静注後, Ht管を用い0.07mlと微量の採血により, 経時的に10~13回の採血を可能とし, 同一個体で本色素の血中半減時間, 消失率, 残留率の算出を行なつた. 無処置ラット10匹の平均値は, おのおの1.16分, 0.606, 40分値で0.69%で, 一方CCl4投与群のそれは, 1.90分, 0.383, 1.46%と測定された. すなわち本方法は小動物を用いた肝親和性色素の排泄機序の解明に利用しうる方法と考察された.
  • 小桧山 満雄, 山形 敞一, 石岡 国春, 上野 恒太郎, 後藤 昌司, 佐藤 明
    1973 年 70 巻 11 号 p. 1206-1211
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃の隆起性病変の異型上皮の塗抹細胞像の中で, 核の所見を, 隆起型分化型早期胃癌を対照として, 比較, 検討した. 検査対象は, 異型上皮62例, 対照は, 隆起型分化型早期胃癌20例である. 細胞採取には, 主に直視下生検法を用い, 標本作製には, なすりつけ塗抹法と圧挫塗抹法を用い, 染色は, Papanicolaou 法を用い, 1,000倍の拡大率で計測した.
    核内を, 核の大きさ, クロモセンター, 核内クロモセンターの分布状態, 核縁, 網眼, 核の染色性とつに分けて検討したが, 核内所見でも, 異型上皮と隆起型分化型早期胃癌との鑑別が可能な場合が多い.
  • 吉田 清胤, 海藤 勇, 佐藤 俊一, 石井 隆, 金田 文衛
    1973 年 70 巻 11 号 p. 1212-1217
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    長期にわたり経過を追求しえた急性肝炎36例, 慢性肝炎15例について赤毛ザル赤血球凝集反応とオーストラリア抗原および抗体との関連を検討した. 赤毛ザル赤血球凝集反応はオーストラリア抗原または抗体が陰性の急性肝炎で高率に陽性であつた.
    また, 急性肝炎の既往の明らかでない慢性肝炎ではオーストラリア抗原または抗体の陽性率が高いのに, 赤毛ザル赤血球凝集反応が陰性のものが多かつた.
    したがつて赤毛ザル赤血球凝集反応はオーストラリア抗原の関与しない肝炎と密接な関連を有するものと考えられる.
  • 下田 光紀, 小林 二郎, 石塚 敬太郎, 飯島 義次, 須藤 宏, 樋口 次男, 関口 利和, 小林 節雄, 磯村 舒洋
    1973 年 70 巻 11 号 p. 1218-1223
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    A case of Crohn's disease of the colon complicating adenocarcinoma of the coecum was presented.
    As far as we know, there was no such report except a case presentation of Crohn's disease of the colon complicating carcinoma in Japan.
    Some discussions of the relationship between Crohn's disease of the colon and carcinoma from previous world literatures were added.
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