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合川 公康, 石井 利昌, 野中 康一, 中尾 将光, 石川 恵子, 新井 晋, 喜多 宏人, 宮澤 光男, 小山 勇, 本杉 宇太郎, 伴 ...
2009 年 106 巻 11 号 p.
1610-1615
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/05
ジャーナル
フリー
症例は,67歳の男性.心窩部痛を主訴に来院.CT,上部消化管内視鏡検査で,胃体部後壁に6 cm大の胃,膵に接する腫瘤を2カ所認めた.約2カ月後の再検では既存の腫瘤が縮小していたが,粘膜面に陥凹性病変を認め,低分化腺癌と診断し,幽門側胃切除を施行した.胃後壁は肥厚し,一部は腫瘤状になっており,組織学的精査にて,極めてまれな胃壁内黄色肉芽腫と診断した.
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桐島 寿彦, 吉波 尚美, 円居 明子, 松田 昌悟, 高井 孝治, 元好 貴之, 山下 靖英, 高顯 純平, 新谷 弘幸, 水本 雅己, ...
2009 年 106 巻 11 号 p.
1616-1624
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/05
ジャーナル
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症例は65歳男性.2007年6月に心窩部痛,体重減少にて当院受診.胃前庭部の後壁に2型腫瘍を認め病理組織検査で胃内分泌細胞癌と診断した.多発性リンパ節転移,肝転移を認めたため,イリノテカン,シスプラチン併用療法を3コース行ったところ原発巣PR,転移巣CRで総合PRと評価した.胃切除術を行ったが切除標本に腫瘍細胞の残存を認めず病理学的著効と判断した.術後1年以上経過しているが無再発生存中である.
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白石 衣里, 安永 祐一, 長井 健悟, 松浦 倫子, 山井 琢陽, 池添 実里, 柳川 和範, 西原 承緒, 乾 由明, 興梠 隆, 西川 ...
2009 年 106 巻 11 号 p.
1625-1635
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/05
ジャーナル
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24歳男性.腹満·下痢·嘔気で受診.好酸球増加(36%),低蛋白,大量腹水(好酸球95%)と小腸壁肥厚,全消化管粘膜の発赤·浮腫と好酸球浸潤,便中α1-アンチトリプシン·クリアランスとインターロイキン-5の高値を認めた.腹水と蛋白漏出性胃腸症をともなった,漿膜下および粘膜主体の混合型の好酸球性胃腸炎と診断,プレドニゾロン内服で改善した.腹水患者の鑑別に好酸球性胃腸炎を念頭に置く必要があると考えられた.
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川崎 浩資, 西田 司, 梅本 健司, 新田 敏勝, 松木 充, 石橋 孝嗣
2009 年 106 巻 11 号 p.
1636-1642
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/05
ジャーナル
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症例は86歳の男性で,腹痛を主訴に入院となった.右上腹部に腫瘤を触知し,CTでは約4 cm大の腫瘤とともに,重積する腸管を認めた.注腸造影検査において蟹爪状陰影を呈し,横行結腸癌に起因する腸重積を疑い,手術を施行した.切除標本で,腫瘤は1型を呈し,組織学的には低分化腺癌であった.横行結腸癌による成人腸重積症は比較的まれであり,検索しえたかぎり本邦第18例目で,若干の文献的考察を加え報告する.
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山根 建樹, 内山 幹, 古谷 徹, 石井 隆幸, 小村 伸朗, 中野 雅貴, 深町 信介, 諏訪 達志, 大草 敏史
2009 年 106 巻 11 号 p.
1643-1649
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/05
ジャーナル
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十二指腸球部に脱出し,腫瘤の先進部の擦過によると考えられる球部潰瘍形成がみられた胃脂肪腫症例を経験した.同潰瘍はproton pump inhibitor投与後瘢痕化したが,腫瘤の脱出による心窩部不快感が持続したため,鏡視下での腫瘤摘出術が施行された.胃の脂肪腫が十二指腸に脱出することはまれであり,さらに擦過により十二指腸潰瘍が発生することは極めてまれである.興味深い症例と考えられたため報告する.
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勝島 慎二, 米田 俊貴, 遠藤 文司, 水本 吉則, 渡邉 亨, 島 伸子, 安立 英矢, 北岡 修二, 波柴 尉充, 友野 輝子, 江坂 ...
2009 年 106 巻 11 号 p.
1650-1659
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/05
ジャーナル
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症例は57歳,女性.FDG-PET検診で肝臓に異常集積を指摘されて来院した.画像診断で肝S7に径2.5 cmの乏血性腫瘍を認めたが,確定診断に至らず,治療方針決定のために生検を施行.第VIII因子関連抗原陽性の異型細胞が類洞内に多数みられ,血管系悪性腫瘍が疑われた.肝右葉切除後の病理学的検討では類上皮血管内皮腫であった.本腫瘍はまれな肝腫瘍であるが,PETが診断や治療方針決定に有用であることが示唆された.
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森口 彩, 岩橋 潔, 大西 良輝, 北 久晃, 西尾 啓, 貫野 知代, 松浦 民子, 池澤 賢治, 小野 亜紀子, 水野 龍義, 千葉 ...
2009 年 106 巻 11 号 p.
1660-1668
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/05
ジャーナル
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32歳女性.下血のため来院し,汎血球減少と播種性血管内凝固症候群(DIC)様凝固障害,後腹膜巨大腫瘍を認めた.血流プールシンチグラフィ(
99mTc-HSA-D)の結果,後腹膜血管腫によるKasabach-Merritt症候群と診断.ダナパロイドナトリウム投与によって劇的にDIC様凝固障害の改善を認め,最終的に手術により加療しえた成人のKasabach-Merritt症候群の1例について報告する.
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