消化器疾患患者127名 (胃潰瘍, 胃潰瘍瘢痕, 十二指腸潰瘍, 胃癌, 胃切除者, 肝疾患, 悪性貧血, 病的対照) の血中 gastrin 日内変動を, CIS G-RIA kit で測定した. 血中 gastrin 日内変動は, 年齢, 性別で一定の傾向はなく, 消化性潰瘍疾患と陥凹型胃癌では, 病変数, 発生部位, 深達度による差はなく, 胃酸に対して両者共全く同様な逆相関関係がみられた. 隆起型胃癌は, 高 gastrin 血症を示し胃酸の影響以外の因子を考慮する必要があると思われる. 食餌刺激による gastrin 分泌反応は, 潰瘍の activity に関連がみられ, 潰瘍急性期や早期胃癌陥凹型では, gastrin 分泌率が大きく, 活動性のない胃潰瘍瘢痕又隆起型胃癌では, gastrin 分泌率は小さい.
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