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神戸 光, 吉田 隆亮, 原口 靖昭, 大橋 剛, 岩下 徹, 坂本 惇夫, 田仲 謙次郎, 谷川 尚, 香月 武人
1985 年 82 巻 9 号 p.
2027-2032
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
潰瘍性大腸炎重症度の定量的評価法を重回帰分析を用いて検討した. 潰瘍性大腸炎患者32例を対象とし, Truelove & Witts の重症度分類を用いて, 各症例を軽症, 中等症, 重症の3群に分類し, この重症度を目的変量として用い, 次に身体的検査項目, 血液生化学検査項目よりなる11項目を説明変量として抽出し, 変数減少法による重回帰分析を応用して, 重症度寄与因子を検討した. 重症度に寄与する項目として, 体温, 脈拍, 赤沈, 赤血球数, α
2-グロブリン, 排便回数の6項目が選出された. 従つて, 推測重症度Yは重回帰式Y=-12.168+0.333X
1+0.022X
2+0.018X
3-0.337X
4+0.056X
5+0.033X
6として表現することが出来る. 各症例の推測重症度を算出した結果, 重症度範囲を軽症<1.52, 1.52〓中等症<2.44, 重症〓2.44で規定することが出来た.
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渡辺 能行, 多田 正大, 東 あかね, 趙 栄斉, 小山 邦彦, 川本 一祚, 魚住 玄通, 下内 昭, 宮永 實, 山口 希, 三崎 文 ...
1985 年 82 巻 9 号 p.
2033-2042
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
結腸腺腫の発生要因を解明するために, 病院, 性, 年齢を5歳以内でマッチさせた結腸腺腫患者とその対照のペア86組を対象として症例•対照研究を行なつた. 既往歴では高血圧症が結腸腺腫の危険を高める可能性が示唆されたが他には有意なものはなかつた. 家族歴では大腸癌が結腸腺腫の危険を高める可能性が否定できなかつたが有意なものはなかつた. 血液型では結腸腺腫に有意なものはなかつた. 食餌•飲み物ではハム•ソーセージ等の加工品, 油を用いた料理, 紅茶が結腸腺腫の危険を下げる因子として, 肉類全体, 緑茶が結腸腺腫の危険を下げる可能性のある因子として検出された. タバコ喫煙は結腸腺腫の危険を高める因子として検出された.
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本間 定, 永森 静志, 藤瀬 清隆, 筋野 甫, 松浦 知和, 清水 恵一郎, 亀田 治男
1985 年 82 巻 9 号 p.
2043-2048
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
教室で樹立したヒト由来肝癌(JHH-2), 胆管癌 (OZ), 胆嚢癌 (NOZAWA) の3系の培養細胞株の温熱に対する感受性を温度勾配培養装置を用いて検討した. 高温度下の培養では, JHH-2とOZは40°Cでほぼ増殖不能となり, 41°Cになると生細胞数は経時的に減少した. NOZAWAは41°Cでも増殖可能であつたが42°Cになると経時的に生細胞数が減少した. JHH-2とOZは正常細胞であるヒト2倍体線維芽細胞と比較すると高温度に対し脆弱であつた. これらの癌細胞株は41~42°C下で細胞面積の増大, 核, 細胞質の淡明化等の形態変化が見られ, 42.5°C以上では著しい細胞形態の破壊が観察された.
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菅沢 寛健, 宮崎 勝, 神野 弥生, 藤本 茂, 遠藤 文夫, 志村 賢範, 高橋 修, 河田 滋, 栗原 正利, 宇田川 郁夫, 越川 ...
1985 年 82 巻 9 号 p.
2049-2055
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
D-ガラクトサミン (D-Gal) 障害肝ラットにおいて68%肝部分切除を施行し, その前後にアミノピリン呼気テスト(ABT)により肝マイクロゾーム機能を測定し, その意義を検討した. ABT値は D-Gal1,600mg/kg投与後正常に比し23%まで低下し, 徐々に回復した. 肝切除直後にはその切除量に極めて一致したABT値の低下を示し, D-Gal前投与群では肝切除後のABT値の低下は正常肝切除群に比してより強く, またその回復も遅延した. D-Gal 1,600mg/kg投与後の肝切除直前の値は耐術能を極めて良く反映し, 生存群53.4±23.0%, 死亡群18.4±12.6%と有意な差(p<0.01) を示した. D-Gal障害肝の肝切除時におけるABT測定は肝切除前では耐術能の指標として, 肝切除後では再生肝の機能回復過程の指標として有用であると考えられた.
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岡野 健一, 平野 正憲, 吉田 晴彦, 稲垣 徹, 杉本 恒明, 佐々 隆之
1985 年 82 巻 9 号 p.
2056-2060
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
高速液体クロマトグラフィーを用いたビリルビンの新しい分析法により, 黄疸患者血清中には既知の抱合, 非抱合ビリルビンのほかにアルブミンと共有結合をしているビリルビンが存在している可能性が指摘されている.
このアルブミンと共有結合したビリルビン分画が閉塞性黄疸を作製したラットの血清中に存在することを8M尿素存在下のゲルろ過法により証明した. また試験管内作成のビリルビン•アルブミン共有結合体を用いてこの共有結合体がアルブミンや有機陰イオンとは特異的な結合はしない事を平衡透析法とゲルろ過法で確認した. さらに遊離肝細胞を用いた検討で, 肝細胞の有機陰イオン摂取への影響はあまりないことが分かつた.
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柏木 徹, 東 正祥, 松田 裕之, 吉岡 博昭, 石津 弘視, 満谷 夏樹, 小泉 岳夫, 小林 晏
1985 年 82 巻 9 号 p.
2061-2067
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝細胞癌を対象に
99mTc-N-pyridoxyl-5-methyl-tryptophan(
99mTc-PMT)による肝胆道シンチグラフィーを施行し, その診断的意義を検討した.
99mTc-PMTの癌部集積は28例中16例(57.1%)と比較的高率に認められた.
99mTc-PMT癌部集積例は高分化肝細胞癌が多かつたが, 非集積例でも同様の症例が存在し
99mTc-PMT癌部集積と組織学的分化度の間に解離が認められた. α-fetoprotein (AFP) 3,000ng/ml以上の症例は28例中9例 (32.1%) にすぎなかつたが,
99mTc-PMT癌部集積と AFP との間に関連が認められず, 両者を併用すると肝細胞癌の診断率は75%に向上した. したがつて, 肝細胞癌の診断には
99mTc-PMT肝胆道シンチグラフィーとAFPの測定が有用と考えられた. さらに肝細胞癌の胆管内浸潤の診断にも
99mTc-PMT肝胆道シンチグラフィーは有用と考えられた.
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スポット•ハイブリダイゼーション法との比較
今関 文夫, 小俣 政男, 横須賀 収, 松山 泰久, 伊藤 よしみ, 奥田 邦雄
1985 年 82 巻 9 号 p.
2068-2073
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Slab gel 電気泳動法による DNA Polymerase (DNA-P) 反応産物の検出を317検体の血清について行ない, それと spot hybridization 法との比較をおこなつた. 不一致例は36検体で, spot test のみ陽性が22検体, DNA-P反応産物のみ陽性が14検体で, spot test のみ陽性例には判定が難しい弱陽性例が多くみられた. それに比べ, DNA-P反応産物の解析はDNAの大きさをみることができる為, 判定は比較的容易であつた.
各種肝疾患を有するHBsAg陽性91症例について, eAg/eAb系とHBV DNAの相関を検討したところ, 不一致例, 即ち, eAb陽性でHBV DNA陽性, あるいはeAg陽性でHBV DNA陰性例は15例(19%)にみられ, これら症例はs-GPTの変動および進行した肝病変を有する傾向を示した.
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とくに肝小葉 Zone 3の肝障害の生化学的指標として
加藤 眞三
1985 年 82 巻 9 号 p.
2074-2081
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
血清アルコール脱水素酵素 (ADH) 活性測定の臨床的意義を検討する目的でラット肝におけるADHの小葉内分布を明らかにするとともに, 種々の実験的肝障害ラットを作製し血清ADH, GLDH, GPT活性を測定し対比した. ADHは酵素抗体法により肝小葉 zone 3に優位に分布することが明らかとなつた. 一方, Zone 3の肝障害をきたすブロモベンゼン投与では血清ADH活性は著明に高く, Zone 1に肝障害をきたすアリルアルコール投与では軽度の上昇にとどまつた. さらに, ブロモベンゼン投与後の経時的観察, 急性エタノール投与肝障害, 低酸素負荷ラットの血清酵素活性値より, 血清ADH活性がZone 3肝障害の早期の鋭敏な指標として有用であることが示唆された.
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上野 規男, 山中 桓夫, 吉田 行雄, 木村 健, 大西 真
1985 年 82 巻 9 号 p.
2082-2088
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
食道静脈瘤を有する肝疾患15例, propranolol を長期投与し, 門脈圧, 門脈血流量及び食道静脈瘤の経時的変化について検討した. Propranolol の長期投与により, 門脈圧及び門脈血流量は低下を示し, 更に食道静脈瘤の改善が13例中10例 (76%) に認められた. また, 経過中, 重篤な合併症や肝機能障害の増悪は認められなかった. 従つて, 本療法は食道静脈瘤の非観血的療法として期待がもたれ, 予防的投与や現在施行されている治療法との併用療法として適応が考えられた.
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前田 隆, 西原 利治, 藤川 正直, 栄枝 弘司, 冨田 昭, 沖野 實, 大西 三朗, 伊藤 憲一
1985 年 82 巻 9 号 p.
2089-2092
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
B型慢性肝炎の免疫療法にはB型肝炎ウイルス (HBV) 感作リンパ球,HBV特異的 Transferfactor が有用であるとの報告があるが, 供血者 (B型急性肝炎回復期患者) を得る事は必ずしも容易ではない. そこでHBs抗体陽性健常者3例にHBワクチンを接種し, HBs抗原特異的 cytotoxic T細胞(CTL) 誘導の可能性を検討した. CTL活性はワクチン接種後14日以内に全例陽性化を示し, さらにClass IのHLA抗原を共有するB型慢性肝炎患者にこのCTLを移入するとCTL活性の陽性化が観察された. 従つてHBワクチンを応用することによりHBV感作リンパ球及びHBV特異的 Transfer factor などによるB型慢性肝炎に対する特異的な免疫療法への道がより広く開かれる可能性が示唆された.
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野村 洋子, 川本 敏雄, 堀内 至, 日野 文明, 大木 正美, 岡橋 誠, 田妻 進, 徳毛 宏則, 平岡 俊仁, 坪倉 篤雄, 梶山 ...
1985 年 82 巻 9 号 p.
2093-2099
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
23例のヒト胆嚢胆汁の nucleation time (N.T.) を測定し, 胆石形成指数および胆汁中総蛋白質量との関係を検討した. N.T.は Holzbach らの方法にて, 胆汁脂質は gas-liquid chromatography 法で, 蛋白量は Lowry 法で測定した. コレステロール胆石症のN.T.は色素胆石, 胆嚢ポリープ, 総胆管癌におけるN.T.に比べ短縮していた. 胆石形成指数のみから胆石の種類を充分判別できなかつたが, N.T.の測定により明確にすることが可能であつた. 胆汁中総蛋白濃度はN.T.の短い症例において高値を示した. 以上の結果よりN.T.の測定はコレステロール胆石形成の検討に重要であり, また胆汁中蛋白はN.T.に影響を与える1つの因子であると考えられる.
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その組織学的所見との対比
赤司 文広
1985 年 82 巻 9 号 p.
2100-2108
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
0.5%sodium deoxycholate を直接犬膵実質に注入して急性膵炎を作成し, 経時的に純粋膵液を採取して, 無機燐を含む膵外分泌機能検査と病理組織像とを対比検討した. 急性期群 (3日, 7日群) では, 注入部に一致して局所的な急性壊死性膵炎が作成され, 14日, 28日群では局所的な線維化を認めた. 経時的にPS試験を行つた結果, 3日群で最高無機燐濃度と無機燐排出量が有意に増加し, 最高重炭酸塩濃度が有意に低下した. これらの変化は炎症の消腿と共に正常化し, 膵液中の無機燐の変動は組織学的変化を良く反映した. 膵液中の無機燐の変動と組織学的所見を比較検討した結果, 無機燐の増加は, 炎症による膜透過性の亢進や, 腺細胞の破壊に由来することが推察された.
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消化管病変を中心に
佐藤 誠, 渡辺 明治, 羽田 元, 杉原 徹, 香川 俊介, 板野 徹, 永原 章正, 原田 仁史, 上坂 好一, 友田 純, 長島 秀夫 ...
1985 年 82 巻 9 号 p.
2109-2114
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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林 繁和, 江崎 正則, 礒田 憲夫, 小島 洋二, 山田 昌弘
1985 年 82 巻 9 号 p.
2115-2119
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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田中 淳司, 田村 康史, 大饗 由之, 國枝 保幸, 髭 修平, 後藤田 泰也, 武田 宏司, 樋口 晶文, 笠井 正晴, 鈴木 知勝, ...
1985 年 82 巻 9 号 p.
2120-2124
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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雪吹 周生, 荒牧 琢己, 奥村 英正, 関山 達也, 勝田 悌実, 宗像 一雄
1985 年 82 巻 9 号 p.
2125-2128
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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中島 猛行, 水嶋 宣章, 松田 裕子, 松本 正廣, 玉腰 勝敏, 森岡 明, 金井 弘一, 池田 靖, 寺尾 俊彦
1985 年 82 巻 9 号 p.
2129-2133
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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桜井 誠司, 山田 昇司, 長嶺 竹明, 竹沢 二郎, 市川 邦男, 新井 孝之, 高木 均, 阿部 毅彦, 佐伯 俊一, 高橋 仁公, 山 ...
1985 年 82 巻 9 号 p.
2134-2138
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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とくに血漿交換療法の意義について
砂村 眞琴, 山内 英生, 武田 和憲, 鈴木 寿彦, 阿部 隆三, 及川 真一, 佐野 隆一
1985 年 82 巻 9 号 p.
2139-2143
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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渡辺 秀裕, 須田 雍夫, 藤樹 敏雄, 中島 哲夫, 北野 元生
1985 年 82 巻 9 号 p.
2144-2148
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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藤野 雅之, 山本 安幸, 池田 昌弘, 佐野 主一, 赤羽 賢浩, 鈴木 宏
1985 年 82 巻 9 号 p.
2149
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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武藤 弘行, 川邊 隆夫, 平野 正憲, 吉田 晴彦, 平石 秀幸, 川瀬 建夫, 片本 哲郎, 杉本 恒明, 椎名 秀一朗, 中田 良, ...
1985 年 82 巻 9 号 p.
2150
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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宮本 正俊, 荒川 泰行, 鈴木 壱知, 脇山 耕治, 尾崎 隆彦, 松尾 裕, 本田 利男, 冨田 寛, 竹内 重雄, 舘野 誠
1985 年 82 巻 9 号 p.
2151
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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荒井 正夫, 奥野 府夫, 永田 茂之, 重田 洋介, 高木 敏, 海老原 洋子, 加藤 真三, 小林 利次, 石井 裕正, 土屋 雅春
1985 年 82 巻 9 号 p.
2152
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー