体重約200gのラット (雄, S. D.系) を24時間絶食後開腹して, 小腸に直接catheter (直径: 1.7mm) で熱湯を注入して, 小腸のどの部位にでも容易かつ高頻度に潰瘍を作り得, その温度及び注入量は, 60℃-10cc, 60℃-12cc, 65℃-5cc, 80℃-3ccが適当であつた.潰瘍の治癒までの期間はその深さとの関係が深く, Ul I~III潰瘍は1カ月以内に治癒し, UI IV潰瘍は治癒に2カ月以上要し, 6カ月も未治癒のものが存在した.再生上皮の絨毛及び陰窩の形態はその初期には非常に不規則であるが, 経過と共に正常な類似した構造にまで修復して, その初期にはみられなかつた絨毛中の縦走する平滑筋細胞や, 陰窩底部のPaneth細胞も認められた.
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